このページは高圧ガス移動監視者の検定試験対策のうち、計算問題:ボイルシャルルの法則・アボガドロの法則と高圧ガスの性状:可燃性ガス・毒性ガス・特殊高圧ガスについて書いています。
- 計算:単位と圧力
- 計算:温度と物質量
- 計算:ボイル・シャルルの法則
- 計算:アボガドロの法則
- 性状:高圧ガスの基本事項
- 性状:液化ガスの危険性
- 性状:高圧ガスそれぞれの性状
- 可燃性ガスと酸素
- 毒性ガスと液化石油ガス
- 特殊高圧ガス
- 複合問題の対策
前ページでは高圧ガスの法令関係を、ここでは計算問題と性状をやるのか。
はいー。計算問題は化学系でお馴染みのアレも出てきます。
…ボイル・シャルルの法則か。苦手なんだよなアレ…
だいじょーぶです!
危険物乙4の物理化学で丁寧に解説したのがあるので、それをベースにやりましょう。
こっちも計算と性状で試験対策の半分くらいになるんかな。
そーですね。
計算3問+性状6問で9問分の試験対策をしていきます!
検定試験は、実際に受験したものや過去問を見ても以下のパターン(問題の配置)ものでした。
出題 | 区分 | 問題数 |
---|---|---|
問①-⑥ | 法令・基準 | 6 |
問⑦-⑮ | 計算・性状 | 9 |
問⑯-⑳ | 法令・基準 | 5 |
このページでは、検定試験の問7~問15の9問を攻略していくイメージです。
出題 | 内容・論点 | 問題数 |
---|---|---|
問①-⑥ | ※法令・基準A※ | 6 |
問⑦-⑨ | 単位・計算問題 | 3 |
問⑩-⑮ | 高圧ガスの性状等 | 6 |
問⑯-⑳ | ※法令・基準B※ | 5 |
高圧ガスの性状は細かい数字を覚えないとダメかね?
数字は少しだけで、どういうモノかを正しく把握するのが大事ですね。
高圧ガス移動監視者-計算問題:単位・圧力
【難易度:易】
単位
圧力
高圧ガス移動監視者
検定突破に向けた勉強方法
計算問題を解く下拵えとして、「数値の単位」や「圧力の基本的な事」について理解します。
ここを押さえないまま計算問題を解こうとすると意味が分からず、結果として資格取得の妨げとなるかもです。
何事も基本から、ですね。
計算問題に使う単位系
世界共通で使っている国際単位系(SI単位)に慣らしておきます。
高圧ガス移動監視者の計算問題では、以下の単位を押さえていないと計算問題が解けないです。
何を示す | SI単位 | 読み方 |
---|---|---|
力 | N | ニュートン |
圧力 | Pa | パスカル |
セルシウス温度 (摂氏温度) | ℃ | セルシウス度 |
熱力学温度 (絶対温度) | K | ケルビン |
物質量 | mol | モル |
参考リンク:SI単位系など一覧
計算に出てくる数字の単位が判らないと計算式の意味も理解できねーもんなぁ…
力と圧力の計算
力(N)と圧力(Pa)を求める計算式を見ておきます。
力(ニュートン=N)の計算式は以下となります。
N(㎏・m/s2)
=
質量(㎏)× 加速度(m/s2)
次に、圧力(パスカル=Pa)の計算式を見てみます。
㎩(N/m2)
=
力(N)÷ 面積(m2)
圧力(Pa)を計算で求めるには力(N)が必要で、その力(N)を求める材料は重さと加速度である事を掴んでおきましょう。
計算の理屈が分かっていると後で使い回しが利きます!
圧力:3つの圧力を理解する
計算で使う圧力(Pa)は3つあります。
高圧ガス移動監視者の検定問題で問7には、3つの圧力を使った問題がほぼ確実に出題されます。
3つの圧力 | 意味 |
---|---|
ゲージ 圧力 | 計測した圧力 大気圧を考慮しない |
大気圧 | 空気の重さにより 物質が受ける圧力 (標準状態での大気圧) 0.1013MPa |
絶対 圧力 | 物質へ実質的にかかる圧力 (計算式) ゲージ圧力+大気圧 |
圧力の計算や比較は全て「絶対圧力に揃えて」行います。絶対圧力に揃える=ゲージ圧力を「絶対圧力へ変換」するという事です。
絶対圧力
=
ゲージ圧力+大気圧(0.1013MPa)
なんか計算問題の入り口に来た気がするぞ…
検定試験では以下のパターンでとてもよく出題されます。
問7
圧力に関する記述で正しいのはどれ?大気圧は標準大気圧って事で。
イ.0.1M㎩(絶対圧力)は、0.1M㎩(ゲージ圧力)と等しい
ロ.0.200M㎩(絶対圧力)は、200k㎩(絶対圧力)と等しい
ハ.101.3k㎩(ゲージ圧力)と2.026M㎩(絶対圧力)と等しい
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)ロ・ハ
正解は(2)ロ.です。
それぞれの選択肢の圧力は全て絶対圧力に変換して比較するだけの問題です。
こりゃ大気圧をソラで言えないと解けねーな。
ゲージ圧力と出てきたら0.1013M㎩を足して絶対圧力へ変換しましょう。
高圧ガス移動監視者-計算問題:温度・物質量
【難易度:易】
温度
物質量
高圧ガス移動監視者
検定突破に向けた勉強方法
ここも計算問題をする前の下拵えです。
難しくはありませんが「ここの内容をスルーすると計算問題で詰む」可能性が高いので、ざっと流し見しておきましょう。
ここも基本なのでスルーすると後で皺寄せが来るかもです…
温度:セルシウス温度と絶対温度
計算問題で使う2種類の温度について見ておきます。
温度の種類 | SI単位 | 表示例・求め方 |
---|---|---|
セルシウス 温度 (摂氏温度) | ℃ | 日本での 気温20℃ |
絶対 温度 (熱力学温度) | K | 摂氏温度+273 気温20℃ = 絶対温度293K |
とても大事なので温度を変換する計算式を再掲します。
絶対温度(K)
=
摂氏(℃) + 273
気温27℃は絶対温度なら300(27+273)Kという事になります。
計算問題では「絶対」圧力と同じく無条件で「絶対」温度へ変換すると考えて良いです。
何℃ときたら+273って考えるくらいでいいかもな。
原子と分子
化学反応の材料となる「原子」と「分子」について確認します。
材料 | それは何? | 例えば |
---|---|---|
原子 | 物質を構成する 単一種類の材料 | 水素の原子 (記号で示すと) H |
分子 | 原子同士が 反応して結合 したもの | 水の分子 (記号で示すと) H2O |
原子について押さえる事
・原子は記号で表す
・原子は元素とも呼ぶ
→ 原子記号と元素記号という呼び方
→ 意味合いに大きな違いはない
・原子には種類ごとの「重さ」がある
・原子の「重さ」を原子量という
分子について押さえる事
・分子は2つ以上の原子が結合したもの
・分子の構造を示す式を分子式という
・結合するのが同じ種類同士でも分子となる
→ 例:水素原子(H)が2つ結合
→ この場合は水素分子(H2)となる
・分子の「重さ」は原子の重さの合計
・分子の「重さ」を分子量という
→ 例:水の分子(H2O)はH2個とO1個
→ この「原子それぞれの重さ」を足す
基本的な事だから抜け・漏れが無い様にしないとな…
原子の覚え方は人それぞれですが、最低限で以下のものは覚えておきましょう。
原子 | 原子記号 | 原子量 |
---|---|---|
水素 | H | 1 |
炭素 | C | 12 |
窒素 | N | 14 |
酸素 | O | 16 |
塩素 | Cl | 35.5 |
赤字は計算問題で暗記を求められる事もあります!
分子量と物質量
読みが似ている「分子量」と「物質量」について理解します。
2つの意味合いは全く別ですが、物質の事を考える(計算する)場合は切っても切れない関係です。
①分子量は分子一つの重さを示す
前の節で触れた通り、分子量は分子一つを構成する原子の重さの合計です。
分子 | 分子式 | 分子量 |
---|---|---|
水素 | H2 | 2 (H=1×2個) |
アンモニア | NH3 | 17 (N=14×1個) + (H=1×3個) |
水 | H2O | 18 (H=1×2個) + (O=16×1個) |
空気 | - | 29 ※混合気体 |
酸素 | O2 | 32 (O=16×2個) |
プロパン | C3H8 | 44 (C=12×3個) + (H=1×8個) |
ブタン | C4H10 | 58 (C=12×4個) + (H=1×10個) |
分子量の単位って何なんだろうな…(棒読み
②物質量は分子量に単位(g)のつく物量
分子一つの重さは「とてつもなく軽い」ので、事実上は重さの単位をつけようがないです。
そこで同じ分子が一定数集まったら何グラムになる、という分子の数を「物質量」と言います。
物質量 | 内容 |
---|---|
定義 | アボガドロ定数 (アボガドロ数) |
単位 | mol (読み:もる) |
1molの 分子の数 | 6.02 × 1023個 (途方もない数) |
気体の場合 その体積 (標準状態) | 1mol = 22.4ℓ |
赤字を押さえていないと計算問題がワケワカメです…
この物質量の整理だけ見ても仕方がないので、①:分子量の復習も兼ねてアンモニア1molの分子量と物質量をまとめてみます。
アンモニアは気体で標準状態とした場合…
アンモニア 1mol | 内容 (アンモニアは気体・標準状態) |
---|---|
分子式 | NH3 |
分子量 | 17 |
1molの 分子の数 | 6.02 × 1023個 |
1molの 重さ | 17g (分子量にgをつけるだけ) |
1molの 体積 | 22.4ℓ |
この節までの内容を理解していれば、この後に出てくる計算問題のハードルを下げた状態で臨めます。
そろそろアレが来るのか…
アレを迎え撃つ材料はかなり丁寧に揃えたんで大丈夫ですよ。
計算問題の下拵えはここまでです!
高圧ガス移動監視者-計算問題:お約束の計算問題
【難易度:中】
計算問題
ボイル・シャルルの法則
アボガドロの法則
高圧ガス移動監視者
検定突破に向けた勉強方法
計算問題で「ボイル・シャルルの法則」と「アボガドロの法則」を攻略していきます。
化学系の計算問題の中では難易度は低めですが、高圧ガス移動監視者の検定問題の中では苦手な人が多いとされる問題です。
攻略法は…ありまぁす…
流石にネタ古すぎだろうが…
計算問題:ボイル・シャルルの法則
ボイル・シャルルの法則を使った計算問題を紐解きます。
これが小難しく感じるのは、ボイル・シャルルの法則は「ボイルの法則」と「シャルルの法則」を合体させたものだからです。
コレ苦手なんだよなぁ…
分解してみると実はとてもシンプルです。
ボイルの法則
気体の体積は圧力に反比例する
(どういう事?)
温度は一定の状況で気体に圧をかければ縮むという事を示し、計算は絶対温度でする
+
シャルルの法則
気体の体積は絶対温度と比例する
(どういう事?)
圧力は一定の状況で気体を加熱したら熱膨張するという事を示し、計算は絶対温度でする
=
ボイル・シャルルの法則
(定義と計算式)
気体の体積は圧力に反比例し絶対温度と比例
(計算式)
圧力 × 体積 ÷ 絶対温度(K)
絶対温度(K)=摂氏の温度(℃)+ 273
温度の変換をしないと計算がおかしくなっちゃいます。
高圧ガス移動監視者の検定問題では問9にほぼ固定で出題されます。
問9
温度40℃・圧力200k㎩(ゲージ圧力)の気体が容器に封入されている。容器内が温度20℃になったら容器内の圧力はいくつになるか?
※気体はボイル・シャルルの法則に従い、大気圧は標準大気圧とし、容器の内容積は変わらないものとする
(1)181k㎩ (2)191k㎩ (3)211k㎩ (4)221k㎩ (5)241k㎩
問題を読むのは前半までのマーカー部分だけで良いです。その中で赤字部分の計算材料を拾います。
計算の材料 ① | 変化前 | 変化後 |
---|---|---|
摂氏温度 | 40℃ | 20℃ |
ゲージ 圧力 | 200 kPa | (?) kPa |
気体の体積 | 1 | 1 |
…よし、まずは材料Getだぜ!
ここで計算する前に「ボイルの法則」と「シャルルの法則」それぞれに当てはめて考えます。
ボイルの法則に当てはめる
(法則)
気体の体積は圧力に反比例する
この問題では変化後の圧力が現時点で判らないので、ボイルの法則は一旦置いておく
(待ち)
シャルルの法則に当てはめる
(法則)
気体の体積は絶対温度と比例する
この問題では変化後の温度が下がる(40℃→20℃)ので、気体の体積は減る
検討(ボイルの法則)に検討(シャルルの法則)を重ねた結果…
問題の選択肢(3)~(5)は、変化前のゲージ圧力(200kPa)より大きくなっているので明らかな間違いです。
問9
温度40℃・圧力200k㎩(ゲージ圧力)の気体が容器に封入されている。容器内が温度20℃になったら容器内の圧力はいくつになるか?
※気体はボイル・シャルルの法則に従い、大気圧は標準大気圧とし、容器の内容積は変わらないものとする
(1)181k㎩ (2)191k㎩ (3)211k㎩ (4)221k㎩ (5)241k㎩
これで次の検討(計算)を出来るな!
【問題と材料を再掲】
温度40℃・圧力200k㎩(ゲージ圧力)の気体が容器に封入されている。容器内が温度20℃になったら容器内の圧力はいくつになるか?
【計算の材料】
1.変化前:40℃(摂氏)
2.変化前:200k㎩(ゲージ圧力)
3.変化後:20℃(摂氏)
4.変化後:?(ゲージ圧力)
↓
【計算の材料を変換】
①変化前:313K(絶対温度)
②変化前:301k㎩(絶対圧力)
③変化後:293K(絶対温度)
④変化後:?(絶対圧力)
※ゲージ圧力→絶対圧力への変換=大気圧:101k㎩を1・4に足す
【計算式】
(1×②÷①)=(1×④÷③)
(実際の計算)
変化前 1 × ②301k㎩ ÷ ①313K
= 変化後 1 × ④?k㎩ ÷ ③293K
→ ④ = 282k㎩(絶対圧力)
※問題では変化後のゲージ圧がいくらか求めているので、絶対圧力→ゲージ圧力へ再変換
= 181k㎩(ゲージ圧力へ再変換)
計算の結果、正解は(1)181kPaとなりました。
この計算に使った材料・変換後の数値を改めてまとめます。
計算の材料 ② | 変化前 | 変化後 |
---|---|---|
摂氏温度 ▼ | 40℃ | 20℃ |
絶対温度 | 313K | 293K |
ゲージ圧力 ▼ | 200 kPa | (?) kPa |
絶対圧力 | 301 kPa | (?)+101 kPa |
気体の体積 | 1 | 1 |
検討(計算)を加速するにはどうしたらいいかね?
問題文を読んだ直後に温度と圧力を「絶対」に揃える事ですね。
…検討に検討を重ねたり、検討を加速しても結局は何もしないんじゃダメだけど…
計算問題:アボガドロの法則
アボガドロの法則が入った計算問題の対策をします。
検定試験の問8で複合問題のような形式で出題されます。難易度はさておき、ここまで出てきた内容を網羅していないと正解は厳しいかもです。
問8
次の記述のうち正しいのはどれ?
イ.アボガドロの法則に従うと全ての気体1㏖は標準状態でおよそ22.4ℓの体積
ロ.ボイル・シャルルの法則を用いて気体の体積を計算する場合、気体の温度は絶対温度へ・気体の圧力は絶対圧力へ換算してから計算する
ハ.アボガドロの法則に従うとアンモニア1.7gの体積はおよそ2.24ℓとなる
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)イ・ロ・ハ
正解は(5)全て正しいです。
何気にこのページ前半の総まとめみたいな問題だな。
過去問を見ているとアボガドロの法則で単体の出題も見られます。
問8
酸素5㎏全てが気化して酸素ガスになった場合、標準状態での体積はおよそ幾らか。計算はアボガドロの法則に従うものとする。
(1)35ℓ (2)70ℓ (3)350ℓ (4)700ℓ (5)3,500ℓ
正解は(5)の3,500ℓです。
こういうのも過去問で慣らしとかないと危ないかもな…
このページの内容+買わされる過去問集やっておけばだいじょーぶです!
計算問題の対策はここまでです!
高圧ガスの基本事項
【難易度:易】
高圧ガス
基本事項
高圧ガス移動監視者
検定突破に向けた勉強方法
ここからは高圧ガスの性状などについて触れていきます。
高圧ガス個々の性状や危険性に触れる前に、基本事項(全体的な事など)を確認していきます。
何をするにも基本を見てから、ですね。
圧縮ガスと液化ガス
高圧ガスは圧縮ガスと液化ガスに大別されます。
法令のページで「高圧ガスの種類」を覚えましたが、それとは別に理解しておく必要があります。
圧縮ガスはこういうモノ
・もともと気体であるガス
・気体のまま圧縮して容器に充填
(圧縮ガスの具体的なもの)
・水素
・酸素
・アルゴン
液化ガスはこういうモノ
・もともと気体であるガス
・加圧または冷却して液化させたもの
(液化ガスの具体的なもの)
・液化アンモニア
・液化塩素
・LPガス
(液化ガスの取扱等で気を付けること)
・温度が上がると激しく膨張
・容器内で膨張すると蒸気圧が上がる
・容器内は10-15%の空き(気層部)確保
→ 容器へのフル充填はNG
元は気体だけど、そのまま圧縮するか液化させて充填するかの違いか。
ざっくりそんな感じです。
液化ガスの一種であるLPガスの解説を入れる前に、液化ガスの蒸気圧について要点を整理します。
高圧ガスの蒸気圧と熱
・蒸気圧は「ガスの種類」と「温度」で変化
・混合ガスは組成によって蒸気圧が変わる
(蒸気圧を下げるには)
・容器から放出する
・温度を下げる
(液化ガスを放出するという事は…)
・ガスを一気に蒸発させ熱を放出している
・容器内の液化ガスは冷えていく
→ 容器に結露するのはこの為
(ここで云わんとするのは…)
放出と同時進行で冷却している事になるので、連続放出すると蒸気圧が下がりすぎてガスの出が悪くなる
このお膳立てはLPガスについて何を言いたいのか読めてきたぞ…?
LPガスはこういうモノ
・液化ガスの一種である
・LPガス=液化石油ガス
・LP=Liquefied Petroleumの略
・プロパンガスと同じものと捉えて良い
・単体ではなく混合ガスである
・プロパン+ブタンの混合物
・プロピレンも混合する場合もある
(ここの前の蒸気圧の話は何の振り?)
①:LPガスは混合物なので、新品のボンベを使用すると先に蒸気圧の高いプロパンから消費し、残りが少なくなると蒸気圧の低いブタンの割合が多くなる、という事
②:家庭用のボンベ式のLPガスを使い続けていると火力が落ちるのは、単に残量の問題でなく、ガスの連続放出によるボンベの冷却で蒸気圧が著しく低下している為
実はここまでが問10の対策でした!
液化ガスについては検定試験で問10に固定で出題されます。
問10
液化ガスに関する次の記述のうち正しいのはどれ?
イ.液化ガスは温度が上昇しても体積が変わらないので、充填する際に容器内の内部に空間を残す必要はない
ロ.プロパンとブタンから成るLPガスの飽和蒸気圧は、温度が一定ならLPガスの組成に関係なく一定である
ハ.液化ガスの液面に加えられる圧力が一定なら、液化ガスが沸騰している時の温度も一定に保たれる
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)イ・ロ・ハ
正解は(3)ハ.です。
これは解説を読んどきゃ解けるな。
そういうモノだと判っちゃえば難しくないですね。
高圧ガスの性状に関する項目
高圧ガスの性状を見る際に出てくる項目についてざっと触れておきます。
性状の項目 | 意味合い |
---|---|
物質名 | 物質の名称 |
化学式 | 例:NH3 |
可燃性 | ※ |
爆発範囲 | ※ |
臭気 | 特徴的なニオイ |
毒性 | 人体への悪影響など |
許容濃度 | ※ |
ガス比重 | 空気に対する重さ |
沸点 | 沸騰する温度 |
ガス比重は定義をハッキリさせておきたいな。
物質が基準となるものに対してどれだけ重いかを「比重」といいます。
物質の状態で基準となるものも変わります。
物質の 状態 | 基準・重さ | 比重の呼び方 |
---|---|---|
液体 | 水=1 1cm3=1g (4℃時点) | 液比重 (または) 水比重 |
固体 | 水=1 1cm3=1g (4℃時点) | 比重 |
気体 | 空気=1 1m3=1.3kg (標準状態) | ガス比重 (または) 蒸気比重 |
気体の標準状態とか覚えないとダメなの?
高圧ガスの検定「では」覚えなくてOK、他の化学系だと覚えてないとダメですけどね。
高圧ガスの危険性
高圧ガスの危険性は「燃える」・「毒がある」という2つです。
3つに種類分けされたガスの危険性を整理します。
高圧ガスの種類 | 可燃性 | 毒性 |
---|---|---|
可燃性 ガス | ||
毒性 ガス | ||
特殊高圧 ガス |
可燃性ガスは毒がないモノで括っていると見てよさそうだな。
可燃性についてはガスによって「燃え方」を以下に分けられます。
可燃性 | どういう意味 |
---|---|
引火性 | 点火源と支燃物があれば 燃える (代表的な物質) ※多くの高圧ガス※ |
分解 爆発性 | ガスが自己分解して 爆発する (代表的な物質) アセチレン 酸化エチレン モノゲルマン |
自然 発火性 | 発火点が常温より低く 点火源ナシで発火 (代表的な物質) モノシラン ジシラン ホスフィン |
ちょっと寄り道して「燃焼そもそも論」を見るのもアリかもです!
気体の燃えやすさは爆発範囲(燃焼範囲)で表します。
爆発範囲(燃焼範囲)
気体が空気中で燃焼可能な濃度の範囲
・物質により燃焼範囲は異なる
(爆発下限界)
・濃度がこれ以下は燃焼しない限界値
・下回ると「ガスが薄すぎ」で燃えない
・爆発下限界が小さいほど燃えやすい
= 危険性が高いと見做す事が出来る
(爆発上限界)
・濃度がこれ以上では燃焼しない限界値
・上回ると「酸素不足」で燃えない
ガスはケイン(濃すぎ)でも薄すぎでも燃えないって事だな。
水素を例に爆発範囲を見てみます。
爆発下限界 | 物質 | 爆発上限界 |
---|---|---|
4% | 水素 H2 | 75% |
※ここでは数値を覚えなくてOKです。
水素は爆発範囲(爆発下限界と爆発上限界のレンジ)が割と広く、可燃性ガスの中では「危険度の高い部類」となります。
爆発下限界の覚え方って後で攻略法でてくんの?
出しますよ!検定試験の難所なので…
※ここの内容は検定試験の問11で出る事が多いですが、問11は複合問題でガス個別の性状も絡んでくるので試験対策は最後で…
性状に入る前の下拵えはここまでです!
高圧ガスの性状
【難易度:並】
高圧ガス
性状
高圧ガス移動監視者
検定突破に向けた勉強方法
高圧ガスの性状について覚えていきます。
物質一つ一つの性状を覚えるのは難しくありませんが、複数物質の性状の比較をする等ではハードルが上がります。
高圧ガス移動監視者の検定試験対策の中では「難しくないけど時間はかかる」部類です。
ここは過去問反復で地道にいきましょう!
性状:可燃性ガスと酸素
可燃性ガス+酸素を一つのグループとして物質の概要と性状を見ていきます。
物質それぞれの概要です。
可燃性ガスはいずれも引火性があり、毒性は無いものです。
アセチレン ※分解爆発性
分解爆発性があり、爆発範囲が極めて広い。窒息性がある。酸素中で燃えると3,000℃くらいになる
エチレン
アセチレンと似ているが爆発範囲はだいぶ狭い。塩素とは日光の照射で爆発的に反応する
天然ガス(メタン)
空気と混合すると爆発性の混合気となる
水素
還元性が強い。塩素と等量混合すると爆発性の塩素爆鳴気となる。炎色が透明で陽炎のように見えてしまい、火災の発見が遅れやすい。分子が小さく漏れやすく拡散しやすい
———-
酸素 ※不燃性・支燃性
酸素自体は燃えず他の可燃性ガスを支燃する。無毒だが高濃度の酸素を長時間吸引すると酸素中毒になる。酸素が多い場所でモノを燃やすと燃焼速度が速く激しい炎を上げる
ちょっと数字とかも見てみようかね…
数値や性状で気にすべき事をまとめます。
可燃性ガス+酸素 | 可燃性 | 範囲 | 爆発臭気 | ガス 比重 | 沸点 |
---|---|---|---|---|---|
C2H2 | アセチレン引火性 分解爆発性 | 3% ~ 100% | ニンニク臭 | 0.91 | ▲84℃ |
C2H4 | エチレン引火性 | 3% ~ 36% | 甘い芳香 (エーテル臭) | 0.98 | ▲104℃ |
(メタン) CH4 | 天然ガス引火性 | 5% ~ 15% | 無臭 | 0.55 | ▲161℃ |
H2 | 水素引火性 | 4% ~ 75% | 無臭 | 0.07 | ▲253℃ |
O2 | 酸素不燃性 ※支燃性※ | - | 無臭 | 1.11 | ▲183℃ |
早速、過去問を見てみましょう!
検定試験で可燃性ガスと酸素は問12にほぼ固定で出題されます。
問12
液化ガスに関する次の記述のうち正しいのはどれ?
イ.アセチレンは不安定で単独でも自己分解しやすい
ロ.水素の炎色は赤いので火災の発見が容易である
ハ.水素と塩素の等量混合ガスは爆発性があり塩素爆鳴気と呼ばれる
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)イ・ハ
正解は(5)イ・ハです。
可燃性ガス+酸素の問題はかなり難易度を抑えているようです。
妙に簡単で拍子抜けしたな。
次はちょっとだけ難しくなるかもです…
性状:毒性ガスと液化石油ガス
毒性ガス+液化石油ガスを一つのグループとして物質の概要と性状を見ていきます。
物質それぞれの概要です。
毒性ガスはいずれも毒性をもち・だいたいが可燃性もあります。ただし特殊高圧ガスほど危険ではないと言えるものです。
高圧ガス関係法令以外で毒物及び劇物取締法で劇物に指定されているものが多いです。
塩素 ※不燃性・支燃性
塩素自体は燃えないが水素などと反応すると爆発するので支燃性ガスに括られる。気体の状態では黄緑色のガス。毒劇法では劇物指定
人体への影響は目や気道などの粘膜刺激。含水状態でチタン以外の金属を腐食し、乾燥状態ではチタンのみを侵す。アンモニアと反応すると白煙を生じる
二酸化硫黄(亜硫酸ガス) ※不燃性
二酸化硫黄自体は燃えない。水溶液は還元性をもつが酸化されると硫酸となる。人体への影響は歯牙酸食症・気管支炎など
アンモニア ※可燃性
毒性ガスで唯一空気より軽く水溶液は還元性。刺激臭が極めて強く、人体への影響は粘膜刺激が強い。解毒はレモン水などの酸性物質で中和する。銅・アルミを侵すので容器はステンレス製。炎色は黄色。毒劇法では劇物指定
一酸化炭素 ※可燃性
還元性が強い。人体への影響は酸欠と低体温、対処は酸素吸入。自前で酸素供給できるので爆発範囲が広い。炎色は青白色(青白い炎)
酸化エチレン ※可燃性・分解爆発性
毒性が強く化学的に不安定なので分解爆発性を持つ。容器には不活性ガスを注入し45℃時点でゲージ圧力が0.4M㎩以上にして爆発抑制する。人体への影響は嗅覚麻痺の後に窒息と肺水腫、対処は温水を大量に飲んで意図的に嘔吐する。毒劇法では劇物指定
———-
液化石油ガス(LPガス) ※可燃性
プロパン・プロピレン・ブタンの混合物。液体の重さは水の半分・気体の状態では空気より重く漏れると低所に滞留する。天然ゴムを溶解する。人体への影響は麻酔性と窒息性、対処は酸素吸入か人工呼吸。
電気の不良導体で静電気を溜めやすい。本来は無臭だが家庭向けの製品は硫黄系の物質で着臭してある。LPガスのLP=Liquefied Petroleumの略
これは…数字とかを見た後に試験対策用のまとめが欲しいな…
数値や性状で気にすべき事をまとめます。
毒性ガス 液化石油ガス | 可燃性 | 範囲 | 爆発人体影響 | 毒性濃度 | 許容臭気 | ガス 比重 | 沸点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Cl2 | 塩素不燃性 ※支燃性※ | - | 粘膜刺激 | 0.1 | 刺激臭 | 2.50 | ▲34℃ |
SO2 | 二酸化硫黄不燃性 | - | 気管支炎 | - | 刺激臭 | 2.20 | ▲10℃ |
NH3 | アンモニア引火性 | 15% ~ 28% | 粘膜刺激 | 25 | 刺激臭 | 0.60 | ▲33℃ |
CO | 一酸化炭素引火性 | 13% ~ 74% | 酸素欠乏 低体温 | 25 | 無臭 | 0.97 | ▲192℃ |
(CH2)2O | 酸化エチレン 引火性 分解爆発性 | 3% ~ 100% | 窒息 肺水腫 | 1 | エーテル臭 | 1.49 | 11℃ |
(プロパン) C3H8 | 液化石油ガス引火性 | 2% ~ 10% | 麻酔性 窒息 | - | 不快臭 ※着臭※ | 1.52 | ▲42℃ |
許容濃度の数値は試験対策では無視でも良いですが、毒性の強さの順位付けには使えます。
ここは過去問を解きながら覚えるスタイルでいきましょう!
毒性ガスの過去問を解いてみます。
問13
毒性ガスに関する次の記述のうち正しいのはどれ?
イ.塩素は常温常圧では黄緑色の気体で、乾燥状態ではチタンを侵す
ロ.一酸化炭素を吸入した者への応急処置は、空気の良い場所へ移動し安静状態で酸素吸入させる
ハ.酸化エチレンは支燃性で毒性が極めて強い
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)イ・ハ
正解は(4)イ・ロです。
毒性と応急処置をセットで理解しとかんといけないな。
続いて液化石油ガス(LPガス)の過去問です。
問14
LPガスに関する次の記述のうち正しいのはどれ?
イ.すべてのLPガスは漏出時に感知できるよう着臭してある
ロ.ガス状態のLPガスは空気と混合すると爆発性のある混合気体となる
ハ.LPガスは気体のものを圧縮して容器内へ充填したものである
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)イ・ハ
正解は(2)ロです。
LPガスがどういうモノか判ってりゃ解けるな。
毒性ガスは数値よりも性質に重点をおくと良いかもです!
性状:特殊高圧ガス
特殊高圧ガスに指定されている物質の概要と性状を見ていきます。
特殊高圧ガスは全体的な解説事項が少し長くなるので、先に要点をまとめておきます。
特殊高圧ガスについて
極めて危険性が高く毒性+可燃性
→ 取扱いを誤れば容易く人命を失う
・高圧ガスの中でも特に毒性が強い
・あわせて燃え方も自然発火性など強烈
・半金属(ヒ素やセレン)のガスが多い
・他の法令(毒劇法)では毒物指定
・普通の毒性ガスに比べ毒性は桁違い
(非常時の基本的な対応)
・消火困難(不能)となる事が多い
・漏出が止まらない場合は消火せず放置
・ガスが燃え尽きるのを待つのが現実的
(非常時の保護具は以下いずれか)
・ガスの毒性に合った防毒マスクを着用
・陽圧式の空気呼吸器を使用
(特殊高圧ガスを吸ってしまったら…)
・基本は医師にすぐ治療を受ける
・応急救護は酸素吸入と人工呼吸
特殊高圧ガスは明らかにヤベーから、それに見合った取扱い・対応をって事だな。
物質それぞれの概要です。
特殊高圧ガスに共通する用途は「半導体関連」であるので、試験対策のキーワードで「半導体」を覚えておくと良い。
モノシラン ※自然発火性
水素化ケイ素とも呼ばれる。毒性は特殊高圧ガスの中では最弱だが自然発火性があるので火災の意味で危ない。人体への影響は粘膜刺激
ジシラン ※自然発火性
モノシランと同じくケイ素(シリコン)と水素の化合物。性状もモノシランと似ている。というか自然発火性があり詳しく調べようにも燃え尽きてしまうシランだけに誰も知らんというのが実情
ホスフィン ※猛毒・自然発火性
お馴染みのリン化水素。極めて毒性が強く異臭(腐魚臭)を放つ。ハロゲンとは激しく反応する。人体への影響は中枢神経と内臓が冒される。毒劇法では毒物に指定
モノゲルマン ※分解爆発性
水素化ゲルマニウムとも呼ばれる。化学的に不安定で分解爆発性を持つ。ホスフィンとは違った意味の異臭(吐き気を催す臭い)を放つ。人体への影響は胃腸・腎臓の障害
アルシン ※猛毒
水素化ヒ素とも呼ばれる。毒性が著しく強くガスだけではなく燃焼後生成物の亜ヒ酸にも注意。人体への影響は精神錯乱・溶血・多臓器不全。ハロゲンと激しく反応する。炎色はピンク。毒劇法では毒物に指定
セレン化水素 ※猛毒
毒性が極めて強く人体への影響は呼気のニンニク臭化・胃腸衰弱など。ハロゲンとは急速に反応する。炎色は青白い。毒劇法では毒物に指定
ジボラン
ホウ素と水素の化合物。特殊高圧ガスで唯一空気より軽い。気持ち悪く甘い臭いがある。人体への影響は筋力低下・腎障害など。他の特殊高圧ガスと反応する。
発火点が40℃近くと微妙なので自然発火性は無いとされているが気温によっては自然発火の可能性もある。毒劇法では毒物に指定
名前だけでもヤバそうなのが揃ってるな…
セレンの名前の由来って月の女神様なのに…
数値や性状で気にすべき事をまとめます。
特殊高圧ガス | 可燃性 | 範囲 | 爆発人体影響 | 毒性濃度 | 許容臭気 | 発火点 |
---|---|---|---|---|---|---|
SiH4 | モノシラン自然発火性 | 1% ~ 100% | 粘膜刺激 | 5 | 刺激臭 | ▲162℃ |
Si2H6 | ジシラン自然発火性 | 1% ~ 100% | 粘膜刺激 | 不明 | 刺激臭 | ▲100℃ 以下 |
PH3 | ホスフィン自然発火性 | 2% ~ 100% | 神経障害 | 0.05 | 腐魚臭 | 28℃ |
GeH4 | モノゲルマン 引火性 分解爆発性 | 2% ~ 100% | 腎障害 血液毒 | 0.2 | 吐気催す 変な臭い | 85℃ |
AsH3 | アルシン引火性 | 5% ~ 78% | 精神錯乱 溶血 内臓疾患 | 0.005 | ニンニク臭 | 225℃ |
H2Se | セレン化水素引火性 | 8% ~ 62% | 胃腸衰弱 呼気臭化 | 0.05 | ニンニク臭 | 85℃ |
B2H6 | ジボラン引火性 | 1% ~ 93% | 筋力低下 腎障害 | 0.1 | 気持悪い 甘い臭い | 38℃ |
モノシランとジシランは漏れた瞬間に発火するって事か…
特殊高圧ガスの過去問を解いてみます。
問15
特殊高圧ガスに関する次の記述のうち正しいのはどれ?
イ.特殊高圧ガスはいずれも可燃性と毒性を有し、爆発範囲が広い
ロ.モノシランが漏洩し自然発火した場合、無理に消火せず漏れを止める事に注力する
ハ.アルシンは空気中で燃焼させるとピンク色の炎が出る。また、燃焼後生成物(亜ヒ酸)の毒性にも注意する
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)イ・ロ・ハ
正解は(5)イ・ロ・ハ全てです。
特殊高圧ガスが簡単なのは何かおかしくねーか?
高圧ガスはちょいちょい肩透かしの問題がありますからねー
検定試験 問11対策、その前に…
最後に攻略を…とした検定試験 問11対策です。
とりあえず、いつぞやの過去問を解いてみます…
問11
可燃性ガスの燃焼と爆発に関する次の記述のうち正しいのはどれ?
イ.水素、プロパン、アンモニアの爆発下限界の低い順に並べると、プロパン < 水素 < アンモニア の順になる
ロ.メタン(天然ガス)とモノシランは発火点が常温以下の自然発火性ガスである
ハ.モノゲルマンと酸化エチレンは支燃性ガスがなくても何らかの要因で分解爆発をする事がある
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)イ・ハ
正解は(5)イ・ハ…なんですが…
ガスの種類を跨いで性状を問われたり、爆発下限界の比較させたりキツすぎだろ…
そーなんですよ、単に複合問題ってレベルじゃないんです。
特に爆発下限界の覚え方を何とかしないと対策できねーよ…
もし爆発下限界ってなんだっけ?となったらページの上の方を見返してここに戻ってきましょう。
…
おかえりなさい!
という事で、攻略法を組み立てましょう。
それならば「可燃性ガスと毒性ガスで可燃性のもの」の爆発下限界を並べて覚えてしまいましょう。
爆発下限界の低い順での覚え方
可燃性ガス+毒性ガス
(最小)
2%:プロパン(LPガス)
▲
3%:エタン3兄弟
(エチレン・酸化エチレン・アセチレン)
▲
4%:水素 ← 基準とする
▼
5%:メタン(天然ガス)
▼
13%:一酸化炭素
▼
15%:アンモニア
(最大)
水素を基準にして下(プロパン)と上(アンモニア)を押さえりゃ何とかなるな。
もう一問だけ、答えを伏せてやってみます。
問11
可燃性ガスの燃焼と爆発に関する次の記述のうち正しいのはどれ?
イ.燃焼性による高圧ガスの分類において、酸化エチレンとメタンは可燃性ガスに分類される
ロ.分解爆発性ガスは常温の容器中で支燃性ガスがなくても爆発し、モノシランやジシランがそれに該当する
ハ.常温・常圧の空気中において、プロパンの爆発下限界は水素の爆発下限界よりも高い
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)イ・ハ
こたえ
正解は(1)イ.です。
ロ.モノシランとジシランは自然発火性ガスです。分解爆発性ガスはアセチレン・酸化エチレン・モノゲルマンです。
ハ.先に出した攻略法の通り、プロパンの爆発下限界が一番低いと覚えておけば正解出来ます。
こないだの検定試験(R5年2回)の問11は簡単だったんだよなぁ…
それ、わたしも思いました。過去問での苦労は何だったのかと…ですね。
高圧ガスの性状はここまでです!
高圧ガス移動監視者の検定対策は過去問中心で②
計算も割と面倒だし性状とか覚えるのしんどいぞ…
まあ「見慣れる」のも結構大事かもです。
地道に一日数問ずつとか過去問をやって慣れてくしかないのか…
です。受験申込時に買わされるう検定問題集は過去問集なので、使い倒しましょう。
そーか、問題集やってどうにも理解しにくいのはここで解説を見にくればいーか。
はい、そーやって使って貰えたらですね。
慣れない計算問題で知恵熱が出たっぽいから少し休んで再開するかね…
まー少しずつ慣らしながらやる位が良いと思います。
お疲れさまでした!
このページの内容+前ページで高圧ガス移動監視者の検定対策は全範囲をカバーしています。
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