このページは第一種 衛生管理者の試験対策のうち、労働生理:神経系・筋肉・循環器系・感覚器系などについて書いています。
- 神経系と筋肉
- 循環器系と血液
- 感覚器系-視覚・聴覚・その他 感覚器
労働生理も問題数は10問だっけ?
ですねー。人体について細々とした内容です。
割と保健体育っぽい内容も出て来るのかな。
出ますけど、いわゆる「性に関するもの」はナイです。
…そうなのか。
…保険体育は「そういうの」があるから中学ん時とか興味津々だった記憶があるな…
内容が細々としているので、労働生理も前半と後半に分けて見ていきます。
衛生管理者-労働生理:神経系と筋肉
【難易度:中】
神経系
筋肉
衛生管理者試験に向けた覚え方
人体のほぼ全てで繋がっていたり存在している神経系と筋肉を見ていきます。
第一種 衛生管理者の試験では、筋肉に出題率率はあまり高くないですが、他の臓器等にも関わるので最初に押さえます。
神経系についての出題率は高いので、少しボリュームが厚くなっています。
神経系の組織
身体に張り巡らされた神経は、脳や脊髄の「中枢神経」と全身の末端(手足など)に伸びる「末梢神経」に分けられます。
末梢神経を機能面では、運動・感覚の「体性神経」と交感神経・副交感神経の「自律神経」に分類できます。
まず、神経細胞(ニューロン)の構造を図で見てみると、こんな感じです。
図中の目玉のようなものは細胞体(核)で、神経細胞1つに対して1つ存在しています。
神経細胞が多数集合した部分を「灰白質」、神経線維が多い部分を「白質」と呼びます。
中枢神経のはたらき
中枢神経は脳と脊髄から成り、脳は幾つかのパーツで構成されています。
大脳は外側(頭皮側)の皮質(=灰白質)と、内側(脳幹側)の髄質(=白質)で構成されます。
図の表示と要点を表に纏めます。
構成 | パーツ | 機能 | 損傷による 障害 |
---|---|---|---|
大脳 | 頭頂葉 前頭葉 後頭葉 側頭葉 | 運動・感覚 記憶・思考 意思・感情 | 運動性失語 聴覚性失語 失読症 |
脳幹 | 間脳 中脳 橋 延髄 | 呼吸中枢 心臓中枢 体温維持 | 最悪は死亡 |
小脳 | 小脳 | 運動 平衡感覚 | 運動失調 |
次に脊髄は、脳幹の延髄から伸びる突起物で、運動系および感覚系の神経の伝導路を担っています。
脊髄の前側(腹部側)は運動神経が、後ろ側(背中側)は感覚神経が伸びています。
また、脊髄は中心部が灰白質(神経細胞が多数)・外側が白質(神経線維が多い)という造りです。
細かく覚えるよりイメージを掴む位でいいかもです。
末梢神経のはたらき
末梢神経系は①体性神経と②自律神経に分けられ、先に体性神経を見てみると以下となります。
末梢神経系 > ①体性神経 > 感覚神経と運動神経
- 感覚神経:感覚器からの刺激を中枢へ伝える神経
- 運動神経:中枢からの命令を運動器官へ伝える神経
次に、自律神経は交感神経・副交感神経に分けられ、相反する作用をします。
末梢神経系 > ②自立神経 > 交感神経と副交感神経
自律神経 | いつ優勢 | 優勢だと |
---|---|---|
交感神経 | 昼 動いている時 | 心拍数の増加 消化管の抑制 |
副交感神経 | 夜 リラックス時 | 心拍数の減少 消化管の活化 |
交感神経と副交感神経の亢進・低下の入れ替わりの事を「概日リズム」(=サーカディアンリズム)と呼びます。
のんびりしてる時にウ●コしたくなるのは、副交感神経が優位だからか。
衛生管理者の試験で神経系の出題率は約80%と高いです。神経系全般または自立神経に特化した内容で出題されます。
■問.神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)神経細胞(ニューロン)は、神経系を構成する基本的な単位で、通常、1個の細胞体、1本
の軸索及び複数の樹状突起から成る。
(2)脊髄では、中心部が灰白質であり、その外側が白質である。
(3)大脳では、内側の髄質が白質であり、外側の皮質が灰白質である。
(4)体性神経には感覚器官からの情報を中枢に伝える感覚神経と、中枢からの命令を運動器官に伝える運動神経がある。
(5)交感神経系は、心拍数を増加し、消化管の運動を亢進する。
誤っているものは(5)です。
脳とか神経を浅く広くって感じの問題だな。
です。なので上の解説も細かい事は極力省きました。
筋肉:種類と部位・使い方
筋肉の種類や使い方などについて見ていきます。
まず筋肉の種類は、主に骨格筋と呼ばれる「横紋筋」と、内臓筋と呼ばれる「平滑筋」に分かれます。
腕などにある骨格筋(横紋筋)は自分の思った通りに動きますが、内臓の筋肉は体調や自律神経の支配で勝手に動きます。
種類 | どこの | 特徴 |
---|---|---|
横紋筋 | 骨格筋 | 随意筋 (自分の意思で動かせる) 運動神経が支配 |
〃 | 心臓 | 不随意筋 (自分の意思で動かせない) 自律神経が支配 |
平滑筋 | 内臓筋 | 同上 |
心臓の筋肉(心筋)は横紋筋で出来てはいるものの、自分の意思では動かせず自律神経が支配しています。
続いて、骨格筋を収縮する時は筋肉の長さを変えるか・変えないかで筋収縮の種類が分かれます。
筋収縮 | 筋力の発生 | 作業の例 |
---|---|---|
等張性 収縮 | 筋肉の長さを 変えて発生 | 持ち上げる (短縮性収縮) 降ろす (伸張性収縮) |
等尺性 収縮 | 筋肉の長さを 変えずに発生 | 直立する PC操作 |
筋肉と力の発生や仕事量などについて、よく言われている事を整理してみます。
筋肉と仕事 | 対象・内容 |
---|---|
持ち上げられる 重さ | 筋肉の太さに比例 (筋繊維の本数×太さ) |
持ち上げられる 高さ | 筋肉(筋繊維)の長さ と骨の長さに比例 |
最大力 | 筋肉が収縮する瞬間 |
仕事量 | かかる負荷が最適な時 仕事量が最大となる |
仕事の効率 | 収縮・伸張の早さが最適な時 効率が最大となる |
ブラックな職場でよくある、効率の為に無理しろってのはダメだな。
これまで出てきた事以外に試験対策で重要っぽい事を纏めてみると以下の3つは何故かとても重要です。
- 筋肉は神経からの信号で収縮するが、神経よりも疲労しやすい特徴がある
- 筋トレして筋力が上がるのは「筋繊維が太くなり」「筋繊維の数も増える」から
- 実は筋肉の断面積1㎠あたりのパワーは、年齢差・性差(男女差)がほとんど無い
何で重要なんでしょーね?
第一種 衛生管理者の試験で筋肉については2回に1回出るくらいのペースで、選択肢が毎回ほぼ同じです。
■問.筋肉に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)横紋筋は、骨に付着して身体の運動の原動力となる筋肉で意志によって動かせるが、平滑筋は心筋などの内臓に存在する筋肉で意志によって動かせない。
(2)筋肉は神経からの刺激によって収縮するが、神経より疲労しにくい。
(3)荷物を持ち上げたり、屈伸運動を行うときは、筋肉が長さを変えずに外力に抵抗して筋力を発生させる等尺性収縮が生じている。
(4)強い力を必要とする運動を続けていると、筋肉を構成する個々の筋線維の太さは変わらないが、その数が増えることによって筋肉が太くなり筋力が増強する。
(5)筋肉自体が収縮して出す最大筋力は、筋肉の断面積1㎠当たりの平均値をとると、性差、年齢差がほとんどない。
正しいものは(5)です。
上の解説で、何故かとても重要なポイントに書かれていましたね。
ネタバレのネタバレみたいだな…
筋肉の問題って昔っから変わってなさすぎて…
神経系と筋肉はここまでです!
衛生管理者-労働生理:循環器系と血液
【難易度:並】
循環器系
血液
衛生管理者試験に向けた覚え方
ここでは体内の「めぐり」を担う循環器系と、循環している血液について見ていきます。
解説の最中、肺や心臓のイラストが出てきますので、そういった画像が苦手な方は落ち着いて少しずつ読み進めて頂ければです。
出来るだけグロくない絵を選びましたが…
循環器系-呼吸と肺:外呼吸と内呼吸
運動としての呼吸は横隔膜や肋間筋などの呼吸筋の収縮と弛緩により行われるものです。
衛生管理者の試験で出てくる呼吸は、肺でする呼吸を「外呼吸」・体内でする呼吸を「内呼吸」として登場します。
外呼吸と内呼吸 | 意味合い・している事 |
---|---|
外呼吸 | 肺の内部の「肺胞」で吸い込んだ空気中の酸素と血液中の二酸化炭素を交換する |
内呼吸 | 全身の毛細血管と接している細胞との間で、酸素と二酸化炭素を交換する |
また、呼気と吸気の言葉の意味などを整理します。
呼気と吸気 | 意味合い・している事 |
---|---|
呼気 | 胸腔(肋骨の内側)が締め付けられる事で内圧が上昇し、肺から押し出された空気が 気管を通り、口や鼻から吐き出されるもの 呼気中には酸素:約16%、二酸化炭素:約4%を含む |
吸気 | 胸郭内容積が増す(胸の内側の空間が広くなる)事で内圧が低下し、外圧との差で 外の空気が鼻や口を通って肺へ流れ込むもの |
呼吸の増減は、血液中の二酸化炭素の量によって延髄でコントロールしています。
成人の呼吸数は通常では16-20回/分で、食事や入浴など体温が上昇する事をすると呼吸数も増えます。
暑いと息も荒くなるもんなぁ。
衛生管理者の試験で呼吸と肺は出題率は約80%と高く、いわゆる「過去問使い回し」の問題です。
■問.呼吸に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)呼吸は、胸膜が運動することで胸腔内の圧力を変化させ、肺を受動的に伸縮させることにより行われる。
(2)肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、内呼吸である。
(3)成人の呼吸数は、通常、1分間に16~20回であるが、食事、入浴、発熱などによって増加する。
(4)チェーンストークス呼吸とは、肺機能の低下により呼吸数が増加した状態をいい、喫煙が原因となることが多い。
(5)身体活動時には、血液中の窒素分圧の上昇により呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加する。
正しいのは(3)です。
「呼吸とは」を改めて見るのも悪くないな。
大人になっても保健体育はしっかり見直すべきですね…?
循環器系-心臓と血液循環:肺循環と体循環
心臓は全身に血液を巡らせ循環させていますが、心臓の筋肉(心筋)は人間の意思で動かせません。
心筋は不随意筋でありながら、腕などの筋肉と同じ横紋筋でできています。
心臓が周期的に収縮・弛緩を繰り返す事を拍動と言い、1分間の回数が心拍数となります。成人の心拍数は60-80回/分です。
拍動は自律神経に支配され、右心房にある洞房結節からの電気信号で動きます。
交感神経が優位な時(運動時など)は拍動が増え、副交感神経が優位な時(リラックス時)は拍動が減ります。
しれっと筋肉と神経の復習が入ったな。
よくある「心臓の中は4つの部屋」と言われます。この4つの血液の出入りを把握し、2つの血液循環を覚えます。
2つの血液循環は、全身に酸素を送り二酸化炭素などを回収してくる「体循環」と肺へ酸素を取りにいく「肺循環」です。
■体循環:図中の灰色のルート
①左心室スタート
↓
②大動脈で全身へ酸素を運ぶ
↓
③大静脈で回収した老廃物等を運ぶ
↓
④右心房へ戻る
↓
※肺循環へ
体循環で心臓へ戻ってきた血液は、そのまま肺循環へ移行します。
■肺循環:図中の水色のルート
①右心室スタート
↓
②肺動脈で回収した老廃物等を運ぶ
↓
③肺静脈で左心房へ酸素を運ぶ
↓
④左心房へ戻る
↓
※体循環へ
言葉として少しややこしいですが、酸素・老廃物等どちらを多く含むかで血液の呼び方を分けています。
血液 | どこを流れる |
---|---|
動脈血 酸素が多い血液 | 大動脈 肺静脈 |
静脈血 老廃物等が多い血液 | 大静脈 肺動脈 |
図の見慣れと言葉慣れが大事な論点です。
衛生管理者の試験で心臓と血液の循環は出題率が高く、特定のキーワードでよく引っかけてきます。
■問.心臓及び血液循環に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)心臓は、自律神経の中枢で発生した刺激が刺激伝導系を介して心筋に伝わることにより、規則正しく収縮と拡張を繰り返す。
(2)肺循環により左心房に戻ってきた血液は、左心室を経て大動脈に入る。
(3)大動脈を流れる血液は動脈血であるが、肺動脈を流れる血液は静脈血である。
(4)心臓の拍動による動脈圧の変動を末梢の動脈で触知したものを脈拍といい、一般に、手首の橈骨動脈で触知する。
(5)心筋は不随意筋であるが、骨格筋と同様に横紋筋に分類される。
誤っているものは(1)です。
他の過去問を見てもやたらと洞房結節と言わせたがるフシがあるな…
作問者は洞房結節に思い入れがあるのかな…?
血液:液体成分55%・有形成分45%
労働衛生(一般業務side)で既出ですが、成人の血液量は体重の8%(約1/13)です。
その内訳は液体成分(血漿)が55%です。タンパク質のアルブミンが多く含まれ、浸透圧の維持などをしています。
血液中の残り45%は有形成分で、赤血球・白血球・血小板などです。
成分 | 割合 | 寿命 | 主な働き |
---|---|---|---|
赤血球 | 40% | 120日 | 体内の運搬 |
白血球 | 0.1% | 3-4日 | 異物を貪食 |
血小板 | 4.9% | 約10日 | 血液の凝固 |
有形成分それぞれのポイントを書き出します。
赤血球について
細胞内のヘモグロビンが酸素運搬の役割を担います。血中の赤血球の容積の割合をヘマトクリット値といい、男女の性差があり男性の方が多いです。
白血球について
白血球にも幾つか種類があり約60%は好中球です。好中球は体内に侵入した細菌やウィルスを貪食します。リンパ球は白血球の約30%で、異物を認識するTリンパ球、抗体を産生するBリンパ球などがあります。
血小板について
血小板の止血作用は、血漿中のフィブリノーゲンをフィブリンへ変化させて血液を凝固させる事です。
赤血球の量(ヘマトクリット値)には男女の性差があり、白血球・血小板に性差はない事は割と重要です。
過去問で男女の性差だけを集めた問題があったな…
血液型と抗原・抗体
ABO式血液型は、赤血球が持つ抗原(A抗原・B抗原)のどれかを、または両方持つかで血液型分類されます。
また、抗原と反応する抗体の存在があるので、誤った輸血をすると「血が固まる」という事故が起きます。
血液型 | 赤血球に持つ 抗原 | 血清に持つ 抗体 |
---|---|---|
A型 | A抗原 | 抗B抗体 |
B型 | B抗原 | 抗A抗体 |
AB型 | A抗原 B抗原 | なし |
O型 | なし | 抗A抗体 抗B抗体 |
A型の人の赤血球が持つA抗原は、B型の人の血清に抗A抗体があるので「混ぜるな危険」です。
他の血液型も表の組合せで同様ですが、AB型の人はA抗原・B抗原を持つので輸血先の相手はAB型のみ、O型はその逆です。
抗原と抗体が反応して血液が固まる事を「凝集」と言います。凝縮・凝固ではなく「凝集」です。
どこかでこの「言葉遊び」的な問題を見た気がします…!
衛生管理者の試験で血液の出題率は高め(約60%)で、シンプルな間違い探しです。
■問.血液に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)血液は、血漿成分と有形成分から成り、血漿成分は血液容積の約55%を占める。
(2)血漿中の蛋白質のうち、アルブミンは血液の浸透圧の維持に関与している。
(3)白血球のうち、好中球には、体内に侵入してきた細菌や異物を貪食する働きがある。
(4)血小板のうち、リンパ球には、Bリンパ球、Tリンパ球などがあり、これらは免疫反応に関与している。
(5)ABO式血液型は、赤血球の血液型分類の一つで、A型の血清は抗B抗体をもつ。
誤っているものは(4)です。
俺、O型だからO型からしか血ィもらえねーんだよな。
わたしO型だけど、あげません。
循環器と血液はここまでです!
衛生管理者-労働生理:感覚器系
【難易度:易】
感覚器系
衛生管理者試験に向けた覚え方
いわゆる五感に対応する器官などの要所を押さえていきます。
第一種 衛生管理者の試験では視覚と聴覚については単体の問題で出題され、他の感覚器はオムニバス形式で出る事が多いです。
過去問では毎回、視覚の単体問題・聴覚の単体問題・感覚器オムニバス問題のどれかが必ず出題されています。
感覚器系-視覚:明順応・暗順応と近視・遠視・乱視
眼の構造や機能について見ていきます。
部位 | 機能・役割 |
---|---|
虹彩 | 瞳孔の大きさを調整し光の入る量をコントロールする カメラでいうところの「しぼり」の役割 |
水晶体 | 厚みを変えて焦点距離を調整し、網膜に見たものが映るようピント調整する カメラでいうところの凸レンズの役割 |
網膜 | ・錐状(すいじょう)体:明るい光や色を感じとる ・杆状(かんじょう)体:弱い光や明暗を感じとる |
明るいところから急に暗い所へ入った時に起こる「暗順応」と逆の「明順応」は網膜の杆状体で対応しているものです。
暗順応は30分から1時間くらいかけて徐々に暗いところでモノが見えるようになります。
車でトンネル出入りの明順応・暗順応は結構怖いです。
視力検査と近視・遠視・乱視
視力検査は一般的に視力表と5mの距離をとって実施します。老眼の検査で30㎝・50㎝の距離での実施も並行する場合もあります。
また、近視・遠視・乱視について以下の表に纏めます。
状態 | 原因 | 矯正には |
---|---|---|
近視 遠くが見えない | 眼軸長が 長い | 凹レンズ |
遠視 近くが見えない | 眼軸長が 短い | 凸レンズ |
乱視 多重に見える | 角膜が凸凹 光が乱屈折 | 円柱レンズ |
眼軸長は角膜から網膜までの長さです。この長さによって近視・遠視になるので、レンズの凹凸で補正をかけます。
俺も最近、年齢のせいか遠視気味なんだよな…
衛生管理者の試験で視覚の単体問題は約50%の出題率で、内容は割と簡単な間違い探しです。
■問.視覚に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)眼をカメラに例えると、虹彩は、しぼりの働きをする。
(2)眼は、硝子体の厚さを変えることにより、焦点を調節して網膜の上に像を結ぶようにしている。
(3)角膜が歪んでいたり、表面に凸凹があるために、眼軸などに異常がなくても、物体の像が網膜上に正しく結ばないものを乱視という。
(4)網膜には、明るいところで働き色を感じる錐状体と、暗いところで働き弱い光を感じる杆状体の2種類の視細胞がある。
(5)明るいところから急に暗い所へ入ると、初めは見えにくいが暗順応よって徐々に見えるようになる。
誤っているものは(2)です。
目の断面図はそんなに気持ち悪くないな。
心臓の断面図を選んでる時は顔色悪かったですもんね。
感覚器系-聴覚:耳の外側から外耳→中耳→内耳
耳の構造や機能について見ていきます。いわゆる聴覚の他に平衡感覚を担当する器官です。
耳は外側(外耳)→中耳→内耳の鼓室→耳管を経て咽頭(鼻・ノド側)に至り、その内圧は外気圧と同じに保たれています。
音の伝わる経路
外耳:外耳道
↓
中耳:鼓膜→耳小骨
↓
内耳:前庭→蝸牛→蝸牛神経
↓
大脳の聴覚中枢
主な部位の機能などを纏めます。
部位 | 機能・役割 |
---|---|
外耳 | 耳介 音を集める |
中耳 | 耳小骨 鼓膜の振動を内耳へ伝える |
内耳 | 前庭(図中、蝸牛の左上) 身体の傾きの方向を感じる 半規管 身体の回転方向や速度を感じる 蝸牛 いわゆる「聴覚」を担う |
前庭と半規管はモーションセンサーみたいですね。
衛生管理者の試験で耳の単体問題の出題率は30%程度と低いですが、出ると少し難しいので気を抜けなさそうです。
■問.耳とその機能に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)耳は、聴覚と平衡感覚をつかさどる器官で、外耳、中耳及び内耳の三つの部位に分けられる。
(2)耳介で集められた音は、鼓膜を振動させ、その振動は耳小骨によって増幅され、内耳に伝えられる。
(3)内耳は、前庭、半規管及び蝸牛(うずまき管)の三つの部位からなり、前庭と半規管が平衡感覚、蝸牛が聴覚をそれぞれ分担している。
(4)半規管は、体の傾きの方向や大きさを感じ、前庭は、体の回転の方向や速度を感じる。
(5)鼓室は、耳管によって咽頭に通じており、その内圧は外気圧と等しく保たれている。
誤っているものは(4)です。
基本的な事と内耳をしっかり見とけばいけるな。
割とパターン化した問題ですね。
感覚器系-その他の感覚:嗅覚・味覚・触覚
その他の感覚で試験について出そうなものを纏めます。
五感のうち既出の視覚・聴覚を除いた嗅覚・味覚・触覚と見ておくと良さそうです。
嗅覚と味覚について
・嗅覚と味覚は化学性質としてニオイや味を感じるので、化学感覚とも呼ばれる
・嗅覚は鋭敏である分、同じにニオイには慣れやすい=感覚器が疲労しやすい
皮膚と全身について
・皮膚には触覚・痛覚・温度感覚があり、温度感覚は冷覚の方が温覚より鋭敏
・感覚点(何かを感じる点)は痛覚点が一番多く、皮膚での密度が最も高い
筋肉や腱について
目隠しをして視覚を封じた状態でも手足の位置を認識できるのは、筋肉や腱にある受容器からのフィードバックでの深部感覚によるもの
試験ではこれらに視覚・聴覚の内容を加えた内容で出題される事がよくあります。
痛いの嫌だから痛覚点を減らせねーかな…
衛生管理者の試験では感覚器オムニバス問題の選択肢として、上に挙げた事がよく登場します。
■問.感覚又は感覚器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)眼軸が短過ぎるために、平行光線が網膜の後方で像を結ぶものを遠視という。
(2)嗅覚と味覚は化学感覚ともいわれ、物質の化学的性質を認知する感覚である。
(3)温度感覚は、皮膚のほか口腔などの粘膜にも存在し、一般に温覚の方が冷覚よりも鋭敏である。
(4)深部感覚は、筋肉や腱にある受容器から得られる身体各部の位置、運動などを認識する感覚である。
(5)中耳にある鼓室は、耳管によって咽頭に通じており、その内圧は外気圧と等しく保たれている。
誤っているものは(3)です。
感覚器のまとめ問題っぽかったな。
同じ試験でこのパターンと視覚か聴覚の単体問題が被って出る事もありますね。
労働生理の前半はここまでです!
衛生管理者-労働生理:一息ついて後半へ
やっぱ人体の事とかだと興味が尽きないから面白いな。
そーなんですよね。関係法令(特に有害side)で鬱っぽくなるのをこっちでカバーです。
関係法令を捨てて労働生理に全振りしたいけど、科目ごとの足切りがあるからなぁ…
衛管の勉強は労働生理→労働衛生をサクッと終わらせて関係法令で苦しむゲームですから。
じゃあ勉強の進め方としては労働生理を最初に押さえちまうのはアリか?
アリですけど、関係法令を後からっていうのは、げんなりしますね。
ご飯でも最初に苦手なモノを食べる派です。
そういや腹減ったな。飯食ったら後半やるかね。
という事で、次のページでは労働生理の後半を見ていきます!
衛生管理者 ページ一覧
①:衛生管理者の概要
②:関係法令-有害業務(前半)
③:関係法令-有害業務(後半)
④:労働衛生-有害業務(前半)
⑤:労働衛生-有害業務(後半)
⑥:関係法令-一般業務と共通
⑦:労働衛生-一般業務と共通
⑧:労働生理(前半) ◀◀ NOW
⑨:労働生理(後半)