このページでは危険物第一類(乙1)のカテゴリトップページです。まずは概要を書いていきます。
このタイトル何なんだよ…
そーいう事です。
そういや食パンに入ってる乙1の危険物もあるんだっけか。
そーです。乙1物質は主に漂白剤とか洗剤に使われますけど、食品にも使われますね。
そーか、そういうのを知ってると食品の成分表示とか見た時の気づきが増えるんだな。
そーいう事ですw
危険物取扱者 乙種第一類(乙1)の資格を取得するメリットは・・・
どの意味の「混ぜるな危険」だよこれ。
洗剤とかで塩素ガスを出しちゃいけない組合せかな…?
危険物 第一類(乙1)の資格取得
資格概要
危険物乙1って何なの?的な事
危険物乙1、正しくは「乙種第1類 危険物取扱者」で歴とした国家資格です。
試験に合格し、免状の交付を受ける事で消防法で定めている危険物 第一類の指定物質の取扱等が可能となります。
危険物取扱者 乙1 | 情報 |
---|---|
試験実施 | 全国 頻度は県により異なる |
制限時間 ※科目免除※ | 35分 |
問題数 ※科目免除※ | 10問 |
回答方式 | 5択マークシート |
合格基準 | 正答率60% |
合格発表 | 受験日から 概ね1か月後 |
合格率 ※参考値※ | 70%前後 |
乙1って性状だけなら7割くらいが合格なんだな。
まあ乙4でも性状だけなら同じくらいの合格率でしょーね。
法令と物理化学はそれなりにやり込まないと点数とれないもんな…
そーです。科目免除なら性状だけで6問正解すれば合格できちゃいますからね。
危険物乙1の必須科目:性状・消火
危険物 第一類(乙1)の資格取得では「性状・消火」の科目は受験必須です。
問題数は10問であるのに対し、11区分・30種類以上の物質の性質・数値・貯蔵・取扱・消火を把握する必要があります。
- 塩素酸塩類
- 過塩素酸塩類
- 無機過酸化物
- 亜塩素酸塩類
- 臭素酸塩類
- 硝酸塩類
- ヨウ素酸塩類
- 過マンガン酸塩類
- 重クロム酸塩類
- その他 政令で定めるもの
- ※前各号のいずれかを含有するもの
参考リンク:消防法 別表第一(指定物質一覧)
乙1物質は名前がよく似ているので混同しやすく、また性状も似ている中で少しの違いを覚える必要があり、勉強はしづらい部類です。
当サイトでは似たような物質を(多少は)強引にグルーピングして覚えていきます。
乙1の勉強は面倒なので受かれば何でもOKです…!
危険物 第一類(乙1)酸化性固体の性状・消火
酸化性固体
危険物 第一類(乙1)酸化性固体の性状・消火について内訳を整理します。
乙1試験の科目:性状・消火では、「物質について」を以下3つのカテゴリーに分けて理解していく事になります。
乙1物質の性状・消火
①性状:基本的な性質や数値系
・外観(色)や重さ(比重)
・水やアルコールに溶けるか
・潮解性の有無
・加熱すると分解する温度(分解点)
・特記事項となる性質
②貯蔵・取扱:貯蔵時のお作法など
・適した貯蔵環境やNG事項
・貯蔵容器の材質
③消火:消火方法や消火剤の適不適
・適した消火方法のパターンはどれか
・不適なものは何故、不適であるか
乙1は貯蔵取扱と消火はパターン化してるから性状を重点で覚えるのが良いんだよな?
ですね。貯蔵・消火は飽きるほどパターン化してるので嫌でも覚えますよ。
酸化性固体の性質と数値
【乙1:酸化性固体】
性状
試験対策の前に共通事項を把握
危険物 第一類(乙1)物質に共通する性状などを。
試験対策となる物質ごとの性状などは、それぞれの物質のページで解説していきます。
- 酸化性を持つ固体である
- 全て不燃性である※1
- 粉・結晶である※2
- 全て水より重い
※1:乙1物質そのものは燃えず助燃剤として可燃物の燃焼を支援する。
※2:基本的に白い粉・結晶が多いが、オレンジ色など有色のものもある。
試験では以下のような文言で出題されます。
試験問題の選択肢
第一類の危険物は可燃性であり、他の物質を強く酸化する
これは間違いです。乙1物質は全てが不燃性(助燃性)であって可燃性ではありません。
まずはどんなモノか基本を押さえてからだな。
酸化性固体の貯蔵・取扱方法
【乙1:酸化性固体】
貯蔵・取扱
試験対策の前に共通事項を把握
危険物 第一類(乙1)物質の貯蔵・取扱い方法です。
まず大前提として、同じ場所に保管してはいけない物質があるので見ておきます。
乙1物質と同じ場所に貯蔵NG
・可燃性物質(乙2・乙4)
・無機過酸化物(乙1)と他の乙1物質
乙1物質は酸化性物質なので火災発生時に状況を悪化させるので、可燃物と同じ場所への貯蔵はNGです。
同じ「類」でも一緒に置いといちゃダメなのは要注意だな。
次に、貯蔵・取扱い方法の共通事項を切り出します。
- 日光を避けて冷暗所に保管
- 容器は密栓する
- 可燃物・有機物との接触※1
- 酸と混触
- 加熱・衝撃・摩擦
- 無機過酸化物の保管※2
※1:乙1物質は助燃性物質なので、燃えるものと同じ場所への保管はNG。
※2:無機過酸化物は他の乙1物質と消火方法が逆なので一緒に保管すると消火活動ができなくなる。
試験では以下のような文言で出題されます。
試験問題の選択肢
第一類の危険物は酸化性物質であるので酸性のものと混触しても問題ない
これは間違いです。酸と触れると爆発したり塩素ガスを出すので、酸性だから酸OKとはなりません。
もう一問やってみます。
試験問題の選択肢
第一類の危険物を木製の台に置く事は避ける
これは正しいです。木製の台は可燃物なので、第一類物質の酸化作用で燃える事もあります。
何がダメ・何でダメかが理解出来りゃ難しくもないか。
乙1物質は近づけてはダメなものが結構ありますね。
酸化性固体の消火方法
【乙1:酸化性固体】
消火
試験対策の前に共通事項を把握
危険物 第一類(乙1)物質の消火方法です。
貯蔵のところでも出てきましたが同じ乙1物質で消火方法が真逆なものがあるので、その整理からしましょう。
消火方法 | 水系消火 | 窒息消火 |
---|---|---|
無機 過酸化物 | ||
その他 乙1物質 |
この事から、乙1物質全てに共通して有効な消火方法は「窒息消火」のみとなります。
試験じゃ〇〇には水系の消火方法は有効?とか出るんだろうが…
整理して補足などを纏めると以下のようになります。
- 粉末消火剤での窒息消火※1
- 砂・岩での窒息消火※2
- 二酸化炭素※3
- ハロゲン化物
- 水・泡系での消火※4
※1:消火するモノによってリン酸塩類・炭酸水素塩類を使い分ける必要がある。
※2:乾燥砂・膨張真珠岩・膨張ひる石での窒息消火は全て乙1物質の消火に有効。
※3:二酸化炭素・ハロゲン化物は乙1物質と反応するので使用不可。
※4:無機過酸化物には水・泡系の消火方法は使えない。
試験では以下のような文言で出題されます。
試験問題の選択肢
過酸化カリウムが関わる火災が発生したが規模が小さいので大量注水で消火する
これは間違いです。火災の規模に関わらず無機過酸化物の消火に水系はNGです。
もう一問、やってみます。
試験問題の選択肢
塩素酸カリウムが関わる火災が発生したが規模が小さいので乾燥砂で消火する
これは正解です。乾燥砂は全ての第一類危険物の消火に使えます。
無機過酸化物か・それ以外か、だな。
なんか「俺か・俺以外か」みたいですね…w
危険物 第一類(乙1) 酸化性固体の各物質のページへ
【乙1:酸化性固体】
物質各論
ページ案内
当サイトでは性状などが似た物質をある程度グループ分けして効率良く勉強できるようにしています。
独自の分け方をしているものは見出しを赤字にしています。
乙1って物質数が多いから纏めて覚えないと時間のムダだよな…
無機過酸化物
無機過酸化物は貯蔵・消火に水NGな物質群です。「過酸化」で始まる物質=水はダメと刷り込みましょう。
- 過酸化カリウム
- 過酸化ナトリウム
- 過酸化カルシウム
- 過酸化マグネシウム
- 過酸化バリウム
無機過酸化物に水はダメゼッタイ!
塩素酸塩類
塩素酸塩類は乙1物質を覚えるにあたって「標準的な」位置付けです。無機過酸化物以外の殆どのものと貯蔵や消火方法が同じです。
- 塩素酸カリウム
- 塩素酸ナトリウム
- 塩素酸カルシウム
- 塩素酸バリウム
- 塩素酸アンモニウム
塩素酸塩類を標準としちまえば貯蔵方法を覚えるのは楽になるな。
過塩素酸塩類等
過塩素酸塩類と亜塩素酸塩類+その他 政令で定めるものに括られる物質の一部を纏めています。
貯蔵・消火方法などは塩素酸塩類と同じと考えて良いです。
- 過塩素酸カリウム
- 過塩素酸ナトリウム
- 過塩素酸アンモニウム
- 亜塩素酸ナトリウム
- 次亜塩素酸カルシウム
物質名を見ると似たような名前が並んでますね。
硝酸塩類
硝酸塩類も貯蔵・消火は塩素酸塩類と同じで良いですが、性状に特異性のある物質もあるので性状重視で覚えると良いです。
- 硝酸カリウム
- 硝酸ナトリウム
- 硝酸アンモニウム
硝酸と金属やアンモニアが結合した物質だな。
ハロゲン系の塩類
臭素酸塩類・ヨウ素酸塩類+その他 政令で定めるものの一部を纏めています。
- 臭素酸カリウム
- 臭素酸ナトリウム
- ヨウ素酸カリウム
- ヨウ素酸ナトリウム
- 過ヨウ素酸ナトリウム
臭素・ヨウ素はハロゲンなので強引ですが纏めました。
重金属の塩類
過マンガン酸塩類・重クロム酸塩類を纏めています。乙1物質の中では珍しく有色のものなので覚えやすいです。
- 過マンガン酸カリウム
- 過マンガン酸ナトリウム
- 重クロム酸カリウム
- 重クロム酸アンモニウム
重金属ってあんま馴染み無いけど、マンガンとクロムは重金属なんだよな。
その他 政令で定めるもの
本来はその他の政令で定めるものとして他の物質もありますが、ここまでのカテゴリ分けに当てはまらなかったものを挙げています。
- 過炭酸ナトリウム
- 二酸化鉛
- 三酸化クロム
これで全部か…
これだけ物質数があるので、一つずつ覚えてたらキリがないですね…
危険物 第一類(乙1) 編集部員の試験結果
乙4もってりゃ乙1の試験は法令と物理化学が免除だけど、何か難しそうだな。
そうですねー
沢山の似た感じの物質で違いを覚えるのが面倒でした。
難しいよりは面倒くさい系か。
で、試験の結果は?
う、うーん…
80%って事は2問間違いか。
このページの冒頭で書いてた「受かればOK」でやったの?
つか何で北海道で受験してんの?
そ、そうですねー…
試験よりも北海道の観光がメインだったから…(震え声)
まじかよイイな北海道!
乙1の性状・消火だけで仕込み(勉強)期間は?
普通に働きながらで3週間くらいでしたね。
なるほど。そん位の期間で勉強を仕込んで旅行がてらに試験を受けるのもアリかもな。
そうなんですよ。
危険物の試験では受験地は好きなところへ行けます。
…という事で、危険物 第一類(乙1)は日常生活に身近な危険物の脅威なども理解できて何気に実用的なので、やってみても良いかもですね。
次のページでは「いきなりイレギュラー?水NGな無機過酸化物」を見てきます!
■危険物 第一類(乙1)ページ一覧
①:第一類の概要 ◀◀ NOW
②:無機過酸化物
③:塩素酸塩類
④:過塩素酸塩類等
⑤:硝酸塩類
⑥:ハロゲン系の塩類
⑦:重金属の塩類
⑧:その他 政令で定めるもの