危険物 第六類(乙6)-その他 政令で定める:三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素の性状・貯蔵・消火

危険物 第六類(乙6)の物質で指定されているその他 政令で定めるもの:三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素の性状・取扱い・消火に関するページです。

消防法ではその他~という様に指定されていますが物質は全てハロゲン間化合物なので、このページではハロゲン間化合物と記載します。

このページで出てくる物質は・・・
  1. 三フッ化臭素
  2. 五フッ化臭素
  3. 五フッ化ヨウ素
おっさん

なんか今までに見た事ないの出てきたな。

でぃでぃ

そーかもですね。
フッ化物は身体にとても悪いので要注意です。

おっさん

毒が強いとかでなく?

でぃでぃ

まー毒でもあるんですが…
骨が固くなりすぎて動けなくなったりするんですよ…

おっさん

(…わかんねえ、ググるか…)
フッ素症ってやつか、ヤベーな。

でぃでぃ

あ、ググりましたね。
それです。なので危険物を取扱う時は適切な保護具を装備しましょう。

INDEX

危険物 第六類(乙6) その他 政令で定めるもの 概要

三フッ化臭素について

三フッ化臭素は名前の通りフッ素と臭素から成るハロゲン間化合物です。

水と反応すると猛毒のフッ化水素(水溶液はフッ化水素酸、通称:フッ酸)を発生します。

危険物の括りでは乙3の禁水性物質ではありませんが、実際の取扱いでは禁水性のモノとして考えるのが良いかもです。

【用途】
核燃料の処理工程で六フッ化ウラン製造

【関連物質】
乙6:五フッ化臭素

五フッ化臭素について

五フッ化臭素は三フッ化臭素よりもフッ素原子が多く反応性が強いです。

ハロゲン間化合物はフッ素原子の数が多いほど反応しやすくなります。それ以外のフッ化水素のくだりなどは三フッ化臭素とほぼ同じです。

【用途】
ロケット燃料の酸化剤・分析の試料

【関連物質】
乙6:三フッ化臭素

五フッ化ヨウ素について

五フッ化ヨウ素は名前の通りフッ素とヨウ素から成るハロゲン間化合物です。

水と反応すると猛毒のフッ化水素(水溶液はフッ化水素酸、通称:フッ酸)とヨウ素酸に分解します。

危険物の括りでは乙3の禁水性物質ではありませんが、実際の取扱いでは禁水性のモノとして考えるのが良いかもです。

【用途】
フッ化剤

【関連物質】
乙1:ヨウ素酸塩類

おっさん

フッ素って歯磨き粉によく入ってるから安全と思いきや…

でぃでぃ

毒にも薬にもなるんですよね。歯医者さんでフッ素とフッ酸を間違えた事件とか思い出すのもキツいです…

危険物 第六類(乙6) その他 政令で定めるもの 性状① 状態・数値

危険物 第六類(乙6)物質のその他 政令で定めるもの:三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素の性状から、状態と数値を見ていきます。

第六類であるので、いずれも酸化性をもつ液体です。

表中、項目を黄色く塗ったところと赤字は試験対策に直結する大事なポイントです。

スクロールできます
物質名状態発煙臭気毒性等比重
三フッ化臭素
BrF3
無色液体する刺激臭刺激性2.80
五フッ化臭素
BrF5
無色
薄黄色
液体する刺激臭刺激性2.50
五フッ化ヨウ素
IF5
無色
黄色
液体する強い
刺激臭
刺激性3.20
状態と数値

性状② 危険性・生成物・特記事項

危険物 第六類(乙6)物質のその他 政令で定めるもの:三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素の性状から、危険性・生成物・特記事項を見ていきます。

スクロールできます
物質名危険性生成物特記事項
三フッ化臭素
BrF3
皮膚を侵す
粘膜刺激
発火 ※1
フッ化水素
フッ化物
(3物質共通)揮発性がある・蒸気は空気より重い
(3物質共通)ガラス・釉薬をおかす→ガラス容器NG
(BrF5共通)水と反応し猛毒のフッ化水素を生成

沸点:127℃/融点:9℃→10℃前後で凝固
五フッ化臭素
BrF5
同上同上↑の共通事項:(3物質共通)を参照
沸点:41℃/融点:▲61℃
五フッ化ヨウ素
IF5
同上フッ化水素
フッ化物
ヨウ素酸
↑の共通事項:(3物質共通)を参照
沸点:101℃/融点:9℃→10℃前後で凝固
水と反応しヨウ素酸と猛毒のフッ化水素を生成
危険性・生成物・特記事項

※1:ハロゲン間化合物は不燃性で爆発もしませんが、有機物・可燃物を酸化しその酸化熱で発火に至ります

おっさん

フッ化水素が出ちまうから事実上の禁水性って感じか。

でぃでぃ

そーです。
これは貯蔵・消火方法にも繋がりますね…!

危険物 第六類(乙6) その他 政令で定めるもの 貯蔵・取扱方法

危険物 第六類(乙6)物質のその他 政令で定めるもの:三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素の貯蔵・取扱方法を見ていきます。

乙6物質の貯蔵は酸化性液体なので、大前提として①耐酸性容器に入れ ②直射日光の当たらない冷暗所への保管 は他の乙6物質と共通です。

適切:ハロゲン間化合物
  • 耐酸性容器に密栓保管
  • ポリエチレン容器
  • 内部に鉛ライニングした容器
  • 冷暗所に保管
不適切:ハロゲン間化合物
  • 湿気・水分NG
  • ガラス・陶器製の容器NG
  • 可燃物・有機物との接触

ガラスや陶器製の容器がNGなのは、フッ化水素がガラスや陶器を「おかす」からです。

でぃでぃ

水・ガラス・陶器はNGです!

おっさん

ライニングってのはコーティングのブ厚いのだな。

危険物 第六類(乙6) その他 政令で定めるもの 消火方法

危険物 第六類(乙6)物質のその他 政令で定めるもの:三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素の消火方法を見ていきます。

このページの3物質は消火方法も共通です。

適切:ハロゲン間化合物
  • 粉:リン酸塩類
  • 砂・石・岩での窒息消火
不適切:ハロゲン間化合物
  • 水・泡系全てNG
  • 二酸化炭素
  • ハロゲン化物
でぃでぃ

乙6共通で消火にCO2・ハロゲン化物NGです!

危険物 第六類(乙6) その他 政令で定めるもの 試験対策

このページで出てきた内容から試験対策に使える疑似問題を作ってみました。

問題右端の+ボタンで答えが出てきます。

問1:三フッ化臭素について誤りの数は?
 ①.透明の液体である
 ②.水と反応して爆発する
 ③.水と反応しフッ化水素を生じる
 ④.透明なガラス瓶に入れ密栓する
 ⑤.消火は大量注水で対応する

間違いは3つ、①③は正しいです。

問2:五フッ化臭素ついて正解の数は?
 ①.無色または淡黄色の液体
 ②.三フッ化臭素より反応性は弱い
 ③.10℃くらいで凝固する
 ④.ポリエチレン製の容器に保存
 ⑤.消火にリン酸塩類の消火剤は有効

正しいのは3つ、②③は間違いです。

問3:五フッ化ヨウ素について誤りの数は?
 ①.赤褐色の重い液体
 ②.10℃くらいで凝固する
 ③.陶器製の壷に保存する
 ④.水と反応しフッ化水素とヨウ素酸を生じる
 ⑤.引火性・発火性を有す

間違いは3つ、②④は正しいです。

危険物 第六類(乙6)の物質で指定されているその他 政令で定めるもの:三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素についてはここで一区切りです。

でぃでぃ

お疲れさまでした!

危険物 第六類(乙6)ページ一覧
①:第六類の概要
②:過塩素酸
③:過酸化水素
④:硝酸・発煙硝酸
⑤:その他 政令で定めるもの ◀NOW

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