危険物-関係法令(乙4)②:指定数量の一覧と倍数計算・予防規定の覚え方

このページでは危険物 第四類(乙4)の試験対策で関係法令のうち、指定数量・予防規定や施設関連の手続き等について書いています。

危険物-関係法令の要素は・・・
  1. 危険物の指定数量
  2. 危険物の予防規定
  3. 危険物施設の諸手続
おっさん

なんか指定数量とか、暗記する事が結構出てきそうだな。

でぃでぃ

確かにこのページの内容は暗記する事が割と出てきますねー

おっさん

どうやって覚えるのが手っ取り早い?

でぃでぃ

わたしがやってたのは…
暗記する事を整理して表にして、それを手書きで何回も書いて身体で覚える感じ…かな?

でぃでぃ

…見たものを瞬間記憶する異能が欲しいけど、現実はそうもいかないから結局は泥臭くやるのが結局は効率良かったり…

INDEX

危険物-関係法令(乙4向け):危険物の指定数量

【難易度:中】
指定数量
危険物 乙4試験に向けた覚え方

危険物の関連法令を攻略するうえで絶対に覚えないといけないのが「指定数量」です。

特に乙4試験では暗記した指定数量を使っての計算問題も出題されるので、時間をかけて確実に覚えていきましょう。

でぃでぃ

難しくはないけど重要なのが指定数量です。

指定数量の要点

指定数量は一か所の貯蔵施設へ危険物を貯蔵して良い数量の基準値のようなものです。

まず要点を整理すると以下となります。

危険物の指定数量 要点

・一か所に貯蔵して良い数量の基準値
危険等級が高いと指定数量は少ない
 → 同じ等級でも指定数量は2種類ある
  → 水溶性物質は非水溶性物質の2倍

危険等級=危険物の危なさのランク付け、上位からⅠ・Ⅱ・Ⅲに分けられる

水溶性・非水溶性=その物質が水に溶けるか否か

危険等級が高く水に溶けない物質ほど「危ないモノ」なので指定数量は少なくなる、という考え方をすると良さそうです。

おっさん

そりゃ危ないモノの貯蔵は少なくしておかないとダメって事になるよな。

乙4物質の指定数量

指定数量は全ての危険物に定められています。

試験対策で暗記を求められるのは乙4物質のみで、先に一覧を見てしまいます。

危険
等級
第四類
区分
指定数量
非水溶性
指定数量
水溶性
特殊引火物
(二硫化炭素ほか)
50ℓ50ℓ
アルコール類
(メタノールほか)
400ℓ
第一石油類
(ガソリンほか)
200ℓ400ℓ
第二石油類
(灯油ほか)
1,000ℓ2,000ℓ
第三石油類
(重油ほか)
2,000ℓ4,000ℓ
第四石油類
(ギヤー油ほか)
6,000ℓ
動植物油類
(オリーブ油ほか)
10,000ℓ
乙4物質の指定数量

先の節で纏めていた通り、危険等級が高く・非水溶性のものほど指定数量が少ないです。

指定数量の試験対策をするには、以下①②を満たしていないと厳しいです。

指定数量の試験対策は…

①表の内容は全て覚える
 → 表を思い出して書けるレベルで

⓶区分に紐づく物質名を把握しておく
 → その物質が水溶性・非水溶性かも

②の物質名などは他のページで出てきますので、ここでは①を確実にしておきましょう。

でぃでぃ

一気に詰め込むと覚えるのが嫌になっちゃうので少しずつです…!

指定数量の倍数

危険物倉庫などでは複数種類の乙4物質を大量に貯蔵している事も多々あります。

貯蔵している危険物の合計で指定数量の何倍なのかを計算し、計算の結果が1.0倍以上の場合は消防法・危険物の規制に関する政令の適用となります。

この事から、試験でも科目は法令であるものの簡単な計算問題が出題されます。

おっさん

法令で計算問題ってのも何か不思議な気もするが…

計算自体は簡単ですが、先の節で表にした区分(物質)ごとの指定数量を覚えていないと回答できないのが少し厄介なところです。

計算例①
物質は1種類だけ

(問題)
ガソリン400ℓの貯蔵は指定数量の何倍か?


(計算する事)
単純な割り算

(計算の材料)
①貯蔵している量:400ℓ
②ガソリンの指定数量:200ℓ
※ガソリンは非水溶性

(計算式)
①貯蔵している量 ÷ ②指定数量

(実際の計算)
①400ℓ ÷ ②200ℓ = 2.0(倍)

おっさん

単に貯蔵量を指定数量で割ればいいだけか。

次に、物質が複数の場合の計算です。

計算例②
物質は複数種類

(問題)
以下の貯蔵物の合計は指定数量の何倍か?
・ガソリン100ℓ
・重油3,000ℓ


(計算する事)
・物質ごとに指定数量の倍数を算出
・それぞれの倍数を単純に足す
※加重平均などは考えなくて良い

(計算の材料)
①ガソリンの貯蔵量:100ℓ
②ガソリンの指定数量:200ℓ
③重油の貯蔵量:3,000ℓ
④重油の指定数量:2,000ℓ
※ガソリン・重油とも非水溶性

(計算式)
①ガソリンの貯蔵量 ÷ ②ガソリンの指定数量
③重油の貯蔵量 ÷ ④重油の指定数量
⑤それぞれの計算結果の合計

(実際の計算)
①100ℓ ÷ ②200ℓ = 0.5(倍)
③3,000ℓ ÷ ④2,000ℓ = 1.5(倍)
⑤0.5(倍)+ 1.5(倍)= 2.0(倍)

でぃでぃ

複数の場合はそれぞれの倍数を単純に足すだけですね。

実際の試験では4種類の物質で指定数量の倍数計算をしろいうパターンも出ます

おっさん

物質4種類って事は確実に表の数値を網羅してないとダメって事だよな…

でぃでぃ

そーなんです。計算は簡単だけど材料を覚えるのが少し面倒ですね…

でぃでぃ

指定数量はここまでです!

危険物-関係法令(乙4向け):危険物の予防規定

【難易度:並】
予防規定

危険物 乙4試験に向けた覚え方

危険物の予防規定について見ていきます。

先の指定数量も少し関わってきますので、この並びで書いています。

でぃでぃ

火災予防に関する決め事の話ですね。

予防規定の要点

予防規定は危険物を取扱う施設(以下、製造所等)で火災を予防するために定めておく規定です。

試験対策の目線で要点を纏めます。

スクロールできます
予防規定についてポイント・要点など
誰が定めるか製造所等の所有者・・・会社の経営者など
②何が目的か火災の予防
何について定めるか・自衛消防組織について
・保安教育について
・危険物施設の運転・操作について
・セルフスタンドでの監視その他の保安措置について
④対象となる施設必須:給油取扱所=ガソリンスタンド
必須:移送取扱所=危険物移送用のパイプライン
※他の製造所等は指定数量の何倍以上を取扱うかで要否分かれる
⑤定めたらどうする市町村長認可を受ける
⑥内容を変更したら同上 (改めて認可申請)
⑦その他危険物保安監督者が対応できない時は事前に代行者を立てる
予防規定のポイント

④の指定数量によっては~の具体的な数値などは施設関連のページで詳しく解説します

ここでは給油取扱所・移送取扱所は予防規定必須とだけ押さえて貰えればです。

おっさん

免状の申請は都道府県知事だったけど、予防規定は市町村長に「認可」を受けるのか。

でぃでぃ

そーです「認可」です。
これ、試験では「承認」とか「了承」とかひっかけてきます。

おっさん

なんかそのうち手続によっては申請先が消防署長とか色んなパターンが出てきそうで怖ェな…

でぃでぃ

…次の諸手続がそれなんだけど、今は言わない方がいいかな…?

でぃでぃ

…予防規定は一旦ここまでです!

危険物-関係法令(乙4向け):危険物施設の諸手続

【難易度:並】
危険物施設
諸手続
危険物 乙4試験に向けた覚え方

危険物施設に関する諸手続を見ていきます。

施設の技術基準などは置いておき、あくまで申請等の手続きの区分や期限を押さえます。

でぃでぃ

施設の技術基準などは後のページで嫌になるくらい出てきます…

施設関連の申請は基本的に市町村長へ

危険物施設の申請はイレギュラーを除いて市町村長に対して行います。

イレギュラーがある事と前ページで免状関連の申請は都道府県知事へ、と出ていますので表に落として整理します。

スクロールできます
何について申請する?申請先手続ポイント・要点
免状の交付・書換・再交付都道府県知事交付関係法令①ページ参照
②予防規定の作成・変更市町村長認可本ページの予防規定の項を参照
製造所等の設置・変更市町村長許可変更は移転・構造や設備の変更時
④製造所等の譲渡・引渡・廃止市町村長届出遅滞なく届出をする
⑤危険物の品名・数量を変更
 指定数量の倍数を変更
市町村長届出10日前までに届出をする
⑥危険物保安統括管理者
 危険物保安監督者
 これらの選任・解任
市町村長届出遅滞なく届出をする
⑦製造所等の変更工事中の仮使用市町村長承認工事中に影響のない部分を使う事
仮貯蔵仮取扱消防長
消防署長
承認指定数量以上の危険物を10日以内
仮に貯蔵・取扱いする場合
危険物の諸手続

遅滞なく=おおむね事後1週間以内という解釈でOKです

⑦⑧の「仮」のつく3つは暫定的な対応をする事への「承認」=了解を得るという様に理解しておくと良いかもです。

また、⑧が申請先のイレギュラーという事で「消防署」に対して申請を行います。

おっさん

やっぱ消防署長出てきたんか…

でぃでぃ

え?
さっきのボヤきはここへの振りじゃなかったんですか?

おっさん

あ、バレた?

でぃでぃ

諸手続はここまでです!

危険物-関係法令(乙4向け):試験対策の一問一答②

このページで出てきた内容から試験対策っぽいものを作ってみました。

でぃでぃ

一問一答形式で確認していきましょう!

問題右端の+ボタンで答えが出てきます。

問1:危険物の危険性が高いほど指定数量は少ないと考えて良い?

まる!危ないから量は少しだけって事ですね。

問2:水溶性の特殊引火物は指定数量が非水溶性の2倍になる?

ばつ!特殊引火物は水溶性・非水溶性とも指定数量50ℓです。

問3:指定数量の倍数の計算は貯蔵量を指定数量で割る事で求める?

まる!

問4:予防規定を定めるのは危険物保安員がする事である?

ばつ!これは危険物施設の所有者がする事ですね。

問5:予防規定を定めたら市町村長に許可を受ける?

ばつ!市町村長に「認可」を受けるのが正しいです。

問6:予防規定が必須となる施設は給油取扱所・移送取扱所である?

まる!ガソリンスタンドとパイプラインは予防規定マストです。

問7:製造所等の設置・変更は市町村長の許可が必要?

まる!設置・変更は「許可」で予防規定は「認可」です。

問8:製造所等の仮使用は製造所等の完成前テストの事である?

ばつ!仮使用は製造所等の変更工事中、影響のない部分を使う事です。

問9:仮貯蔵・仮取扱は市町村長の承認を得る?

ばつ!これは消防署長の承認が必要です。

問10:取扱う危険物の品名・数量を変更した時は市町村長へ遅滞なく届出る?

ばつ!事後ではなく事前にです。10日前までの届出が必要です。

おっさん

こういうのを最短○日で!とか勉強するのって難しくね?

でぃでぃ

ですねー
特にこのページの内容は覚えるのに時間がかかる系ですね。

おっさん

まーこうやって見てると乙4の勉強でどこに時間をかければいいか見えてきた気もするな…

でぃでぃ

それなら良かったです。
お疲れさまでした!

次のページは危険物 第四類(乙4)試験対策で、引き続き関係法令から役職者・施設概要・取扱いについて書いています。

危険物 第四類(乙4)ページ一覧
①:第四類の概要
②:関係法令のカテゴリトップ
③:法令1 資格・免状・申請
④:法令2 指定数量・予防規定・諸手続 ◀NOW
⑤:法令3 役職者・施設概要・取扱
⑥:法令4 製造所・取扱所
⑦:法令5 貯蔵所・製造所等まとめ
⑧:法令6 燃焼・消火・警報
⑨:物理化学・計算問題
⑩:性状と消火1 危険等級Ⅰ・Ⅱ
⑪:性状と消火2 危険等級Ⅲ

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