2023年(令和5年)7月-12月に実施され、2024年(令和6年)4月に公表された第一種 衛生管理者試験の問題と解答です。
令和最新版の第一種 衛生管理者の過去問です。
ここは第一種 衛生管理者の令和5年7月-12月分の過去問を解いてみるページです。
この配置って事は…だな。
もう慣れてると思いますんで、いつも通りでお願いします。
…わかったよ。
ところで花粉症は落ち着きましたか?
全然だな。つか九州は今がヒノキ花粉のピークだろうが…
さて、始めるかね…解説中、学習ページ(本編)へのリンクを貼る事があるから必要に応じて見に行って貰えればだな。
第一種 衛生管理者 過去問 令和6年4月公表分 概要
2023年(令和5年)7月-12月に実施された試験の概要です。
第一種 衛生管理者試験 | 情報 |
---|---|
検定実施 | 令和5年7月-12月 (2023年下期) |
制限時間 | 3時間 |
問題数 | 44問 |
回答方式 | マークシート |
合格基準 | 全体の正答率60% かつ 各科目40%以上正解 |
合格発表 | 受験日の約3週間後 |
合格率 ※参考値※ | 令和4年(2022年) 45.8% |
出題 | 科目 | 配点 |
---|---|---|
①-⑩ | (有害業務) | 関係法令10問×8点 (80点) |
⑪-⑳ | (有害業務) | 労働衛生10問×8点 (80点) |
㉑-㉗ | (一般共通) | 関係法令7問×10点 (70点) |
㉘-㉞ | (一般共通) | 労働衛生7問×10点 (70点) |
㉟-㊹ | 生理 | 労働10問×10点 (100点) |
* | 合計 | 400点 |
合格率は協会の公表値がまだ令和4年のままだったな。そのうち更新されると思うが…
ちょっと問題の出方が変わったとこもあるみたいなんで、後でピックアップしましょう。
令和6年4月公表分 関係法令-有害業務
問1-問10の関係法令(有害)の問題だな。最初からヘビー級の問題で萎えるよな…
問1.衛生管理者等の選任
■問題文
常時600人の労働者を使用する製造業の事業場における衛生管理体制に関する(1)~(5)の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
ただし、600人中には、製造工程において次の業務に常時従事する者がそれぞれに示す人数含まれているが、試験研究の業務はなく、他の有害業務はないものとし、衛生管理者及び産業医の選任の特例はないものとする。
深夜業を含む業務:300人
多量の低温物体を取り扱う業務:100人
特定化学物質のうち第三類物質を製造する業務:20人
■選択肢
(1)総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
(2)衛生管理者のうち1人を、衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任しなければならない。
(3)衛生管理者のうち少なくとも1人を、専任の衛生管理者としなければならない。
(4)産業医としての法定の要件を満たしている医師で、この事業場に専属でないものを産業医として選任することができる。
(5)特定化学物質作業主任者を選任しなければならない。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(2)、ですね。
この「低温物体を~」ってのが要件の引っかけだな。
問2.譲渡等の制限
■問題文
厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない機械等に該当しないものは、次のうちどれか。
■選択肢
(1)排気量40cm3以上の内燃機関を内蔵するチェーンソー
(2)放射線測定器
(3)アンモニア用防毒マスク
(4)ろ過材及び面体を有する防じんマスク
(5)再圧室
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(2)、ですね。
放射線って言葉だけで先走って判断すると勿体ないないな。
問3.定期自主検査
■問題文
次の装置のうち、法令上、定期自主検査の実施義務が規定されているものはどれか。
■選択肢
(1)木材加工用丸のこ盤を使用する屋内の作業場所に設けた局所排気装置
(2)塩酸を使用する屋内の作業場所に設けた局所排気装置
(3)エタノールを使用する作業場所に設けた局所排気装置
(4)トルエンを重量の10%含有する塗料を用いて塗装する屋内の作業場所に設けた局所排気装置
(5)アンモニアを使用する屋内の作業場所に設けたプッシュプル型換気装置
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(4)、ですね。
該当しないもの(特に特化物・第3類)を消去法で消せば楽になる問題だったな。
そーいえば本編でこんな表を書きましたっけ。
No. | 第3類の特定化学物質 |
---|---|
1 | アンモニア |
2 | 一酸化炭素 |
3 | 塩化水素(塩酸) |
4 | 硫酸 |
5 | 硝酸 |
6 | 二酸化硫黄 |
7 | フェノール |
8 | ホスゲン |
問4.作業主任者の選任
■問題文
次の作業を行うとき、法令上、作業主任者の選任が義務付けられているものはどれか。
■選択肢
(1)水深10m以上の場所における潜水の作業
(2)チェーンソーを用いて行う立木の伐木の作業
(3)製造工程において硝酸を用いて行う洗浄の作業
(4)セメント製造工程においてセメントを袋詰めする作業
(5)強烈な騒音を発する場所における作業
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(3)、ですね。
作業主任者の選任って覚え方に苦労するよな…
問5.作業環境測定
■問題文
法令に基づき定期に行う作業環境測定とその測定頻度との組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
■選択肢
(1)半月以内ごとに1回
通気設備が設けられている坑内の作業場における通気量の測定
(2)1か月以内ごとに1回
非密封の放射性物質を取り扱う作業室における空気中の放射性物質の濃度の測定
(3)1か月以内ごとに1回
溶融ガラスからガラス製品を成型する業務を行う屋内作業場における気温、湿度及びふく射熱の測定
(4)6か月以内ごとに1回
チッパーによりチップする業務を行う屋内作業場における等価騒音レベルの測定
(5)1年以内ごとに1回
鉛蓄電池の解体工程において鉛等を切断する業務を行う屋内作業場における空気中の鉛の濃度の測定
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(3)、ですね。
これも覚えるのに苦労するから自分で表を作るなり「やり込み」が必要だよな。
本編でこんな表を書きましたっけ。
有害 カテゴリ | 有害な作業内容 環境・場所・設備等 | 測定項目 | 測定頻度 | 記録 保存 |
---|---|---|---|---|
放射線 | エックス線照射 ガンマ線照射 | 放射線物質濃度 線量当量率 ※作業環境測定士が実施 | 1カ月以内 | 5年 |
異常空調 | 酸素欠乏酸素欠乏場所 | 酸素濃度 硫化水素濃度 | 毎日 作業開始前 | 3年 |
〃 | 坑内作業 | 炭酸ガス濃度 気温・通気量 | 炭酸ガス:毎月 他:半月以内 | 3年 |
〃 | 空気調和設備のある 建築物の室 | 一酸化炭素濃度 | 2カ月以内 | 3年 |
暑熱・寒冷 多湿 | 暑い・寒い・多湿 | 気温・湿度・輻射熱 | 半月以内 | 3年 |
振動 | 騒音著しい騒音を発する 屋内作業場 | 等価騒音レベル | 6カ月以内 | 3年 |
特化物 有機溶剤 | 特定化学物質 (第1類・第2類のみ) 有機溶剤 (第1種・第2種のみ) | 物質の空気中濃度 ※作業環境測定士が実施 | 6カ月以内 | 3年 |
鉛 | 鉛業務を行う 屋内作業場 | 物質の空気中濃度 ※作業環境測定士が実施 | 1年以内 | 3年 |
石綿 | 石綿を取扱う 屋内作業場 | 空気中の石綿濃度 ※作業環境測定士が実施 | 6カ月以内 | 40年 |
粉じん | 特定特定粉じん (セメントの袋詰めなど) | 遊離ケイ酸含有率 粉じん濃度 ※作業環境測定士が実施 | 6カ月以内 | 7年 |
有害 カテゴリ | 有害な作業内容 環境・場所・設備等 | 測定項目 | 測定頻度 | 記録 保存 |
問6.予防規則・防止規則
■問題文
有害物質等に係る作業とこれを規制している労働衛生関係規則との組合せとして、正しいものは次のうちどれか。
■選択肢
(1)有機溶剤中毒予防規則
ホルムアルデヒドを取り扱う作業
(2)電離放射線障害防止規則
レーザー光線による金属の加工の作業
(3)酸素欠乏症等防止規則
ドライアイスを使用して冷凍を行う冷凍庫の内部における作業
(4)高気圧作業安全衛生規則
窒素を入れたことのある化学設備のタンク内を点検する作業
(5)粉じん障害防止規則
自然換気が不十分な場所におけるはんだ付けの作業
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(3)、ですね。
予防規則・防止規則で規則と作業の組合せ問題ってあんま見ないな。
問7.予防規則:有機溶剤
■問題文
有機溶剤作業主任者の職務として、法令上、定められていないものは次のうちどれか。ただし、有機溶剤中毒予防規則に定める適用除外及び設備の特例はないものとする。
■選択肢
(1)作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染され、又はこれを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。
(2)保護具の使用状況を監視すること。
(3)タンクの内部において有機溶剤業務に労働者が従事するときは、退避設備の整備等法定の措置が講じられていることを確認すること。
(4)局所排気装置、プッシュプル型換気装置又は全体換気装置を1か月を超えない期間ごとに点検すること。
(5)第一種有機溶剤等又は第二種有機溶剤等に係る有機溶剤業務を行う屋内作業場について、作業環境測定を実施すること。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(5)、ですね。
有機溶剤の予防規則を深堀した問題だな。
問8.防止規則:酸欠
■問題文
酸素欠乏症等防止規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
■選択肢
(1)酸素欠乏とは、空気中の酸素の濃度が18%未満である状態をいう。
(2)第二種酸素欠乏危険作業を行う作業場については、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素及び硫化水素の濃度を測定しなければならない。
(3)酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、労働者を当該作業を行う場所に入場させ、及び退場させる時に、人員を点検しなければならない。
(4)汚水を入れたことのあるポンプを修理する場合で、これを分解する作業に労働者を従事させるときは、硫化水素中毒の防止について必要な知識を有する者のうちから指揮者を選任し、作業を指揮させなければならない。
(5)パルプ液を入れたことのある槽の内部における作業については、酸素欠乏危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(5)、ですね。
硫化水素が出そうかどうかで判別、パルプ液は硫化水素が出る、だな。
問9.予防規則:特化物
■問題文
特定化学物質障害予防規則による特別管理物質を製造する事業者が事業を廃止しようとするとき、事業者が実施した措置に関する次のAからEの記録等について、特別管理物質等関係記録等報告書に添えて、所轄労働基準監督署長に提出することが、法令上、定められているものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
A 特別管理物質を製造する屋内作業場について行った作業環境測定の記録又はその写し
B 特別管理物質の製造プロセス等の運転条件及び製造量の記録又はその写し
C 特別管理物質を製造する作業場において、労働者が常時従事した作業の概要及び当該作業に従事した期間等の記録又はその写し
D 特別管理物質を製造する作業場所に設けられた局所排気装置の定期自主検査の記録又はその写し
E 特別管理物質を製造する業務に常時従事する労働者に対し行った特定化学物質健康診断の結果に基づく特定化学物質健康診断個人票又はその写し
■選択肢
(1)A,B,D
(2)A,B,E
(3)A,C,E
(4)B,C,D
(5)C,D,E
正解は(3)、ですね。
特化物の予防規則って過去問ではあんま出なかったけど、これは随分と細かいなぁ…捨て問にしてもいいのかもな。
問10.有害業務の時間外労働の制限
■問題文
次のAからDの業務について、労働基準法に基づく時間外労働に関する協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合においても、労働時間の延長が1日2時間を超えてはならないものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
A 病原体によって汚染された物を取り扱う業務
B 鋼材やくず鉄を入れてある船倉の内部における業務
C 多量の低温物体を取り扱う業務
D 重量物の取扱い等重激なる業務
■選択肢
(1)A,B
(2)A,C
(3)B,C
(4)B,D
(5)C,D
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(5)、ですね。
船倉はレア選択肢かもな…
とりあえず関係法令(有害)はここまでですね。
なんかここ、難易度上げてきてねーか…?
令和6年4月公表分 労働衛生-有害業務
問11-問20は労働衛生(有害)だな。
問11.特殊健康診断
■問題文
特殊健康診断に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
■選択肢
(1)有害業務への配置替えの際に行う特殊健康診断には、業務適性の判断と、その後の業務による影響を調べるための基礎資料を得るという目的がある。
(2)特殊健康診断において適切な健診デザインを行うためには、作業内容と有害要因へのばく露状況を把握する必要がある。
(3)情報機器作業に係る健康診断では、眼科学的検査などとともに、上肢及び下肢の運動機能の検査を行う。
(4)マンガンを取り扱う業務に常時従事する労働者に対して行う特殊健康診断の項目として、握力の測定がある。
(5)有機溶剤は、生物学的半減期が短いので、有機溶剤等健康診断における尿中の代謝物の量の検査のための採尿の時刻は、厳重に管理する必要がある。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(3)、ですね。
まあPC作業での健康診断で何で下半身をって話ではあるが…
問12.作業環境測定基準・作業環境評価基準
■問題文
厚生労働省の「作業環境測定基準」及び「作業環境評価基準」に基づく作業環境測定及びその結果の評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
■選択肢
(1)管理濃度は、有害物質に関する作業環境の状態を単位作業場所の作業環境測定結果から評価するための指標として設定されたものである。
(2)A測定は、単位作業場所における有害物質の気中濃度の平均的な分布を知るために行う測定である。
(3)B測定は、単位作業場所中の有害物質の発散源に近接する場所で作業が行われる場合において、空気中の有害物質の最高濃度を知るために行う測定である。
(4)A測定の第二評価値が管理濃度を超えている単位作業場所の管理区分は、B測定の結果に関係なく第三管理区分になる。
(5)B測定の測定値が管理濃度を超えている単位作業場所の管理区分は、A測定の結果に関係なく第三管理区分になる。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(5)、ですね。
これ、理解するのに時間がかかるやつだったよな。
本編でこんな整理をしましたね。
→ 横:B測定 縦:A測定 ↓ | B測定値 ▲ 管理濃度 | 管理濃度 ▲ B測定値 ▼ B測定値 ×1.5 | 管理濃度 ×1.5 ▼ B測定値 |
---|---|---|---|
第1評価値 ▲ 管理濃度 | 第1 管理区分 | 第2 管理区分 | 第3 管理区分 |
第2評価値 ▲ 管理濃度 ▼ 第1評価値 | 第2 管理区分 | 第2 管理区分 | 第3 管理区分 |
管理濃度 ▼ 第2評価値 | 第3 管理区分 | 第3 管理区分 | 第3 管理区分 |
問13.有害化学物質による健康障害
■問題文
化学物質による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
■選択肢
(1)シアン化水素による中毒では、細胞内での酸素利用の障害による呼吸困難、けいれんなどがみられる。
(2)硫化水素による中毒では、意識消失、呼吸麻痺などがみられる。
(3)弗化水素による慢性中毒では、骨の硬化、斑状歯などがみられる。
(4)二酸化硫黄による慢性中毒では、慢性気管支炎、歯牙酸蝕症などがみられる。
(5)二酸化窒素による中毒では、末梢神経障害などがみられる。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(5)、ですね。
これも色々と覚えるのに苦労するやつだったな…
本編で整理していたところですね。
有害ガス等 | 疾病・健康障害 |
---|---|
アンモニア | 粘膜刺激 咳・流涙 |
塩素 | 粘膜刺激 咽頭痛・肺水腫 |
二酸化硫黄 | 歯牙酸蝕症 粘膜刺激 |
二酸化窒素 | 歯牙酸蝕症 気管支炎 急性肺水腫 |
弗化水素 | 歯牙酸蝕症 骨の硬化・斑状歯 肺炎・肺水腫 |
(その他の酸) 塩酸・硫酸 硝酸 | 歯牙酸蝕症 |
問14.有害エネルギーによる健康障害
■問題文
電離放射線による健康影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
■選択肢
(1)電離放射線の被ばくによる生体への影響には、身体的影響と遺伝的影響がある。
(2)造血器、消化管粘膜など細胞分裂の頻度の高い細胞が多い組織・臓器は、一般に、電離放射線の影響を受けやすい。
(3)電離放射線に被ばく後、30日以内に現れる造血器障害は、急性障害に分類される。
(4)電離放射線の被ばくによる身体的影響のうち、白内障は晩発障害に分類される。
(5)電離放射線の被ばくによる発がんと遺伝的影響は、確率的影響に分類され、症状の程度は線量に依存する。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(5)、ですね。
遺伝的影響は「確率」的なものだから、ばく露が少なくても発生してしまうのが怖いな。
問15.有機溶剤による健康障害
■問題文
有機溶剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
■選択肢
(1)有機溶剤の多くは、揮発性が高く、その蒸気は空気より軽い。
(2)有機溶剤は、脂溶性が低いため、脂肪の多い脳などには入りにくい。
(3)メタノールによる障害として顕著なものには、網膜の微細動脈瘤を伴う脳血管障害がある。
(4)二硫化炭素は、動脈硬化を進行させたり、精神障害を生じさせることがある。
(5)N,N-ジメチルホルムアミドによる障害として顕著なものには、視力低下を伴う視神経障害がある。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(4)、ですね。
これは割と定番の問題だな。
有機溶剤 | 疾病・健康障害 |
---|---|
共通 | 頭痛・めまい 記憶力減退・不眠 皮膚・粘膜刺激 呼吸器中毒 |
ベンゼン | 造血器障害 白血病 |
二硫化炭素 | 脳血管障害 精神異常 肝障害・腎障害 |
メタノール 酢酸メチル | 視神経障害 |
グリコール酸 | 貧血・溶血 |
ノルマンヘキサン | 多発性神経炎 |
問16.蒸気とガス
■問題文
化学物質とその常温・常圧(25℃、1気圧)での空気中における状態との組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。ただし、ガスとは、常温・常圧で気体のものをいい、蒸気とは、常温・常圧で液体又は固体の物質が蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体となっているものをいうものとする。
■選択肢
(1)アセトン ………………… ガス
(2)塩素 ……………………… ガス
(3)テトラクロロエチレン … 蒸気
(4)ナフタレン ……………… 蒸気
(5)フェノール ……………… 蒸気
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(1)、ですね。
アセトン=溶剤って判ってりゃ秒殺できる問題だな。
本編で蒸気とガスの覚え方を表にしていましたね。
状態 | 分類 | 概要と物質例 |
---|---|---|
固体 | 粉じん | 研磨や摩擦で散った粒子 石綿 ジクロロベンジジン オルト-トリジン |
〃 | ヒューム | 蒸散した金属が微粒子化 酸化亜鉛・銅 ベリリウム |
液体 | ミスト | 液体の微粒子 硫酸 硫酸ジメチル |
気体 | 蒸気 | 液体が気化したもの トリクロロエチレン 水銀・溶剤 (二硫化炭素など) |
〃 | ガス | もともと気体のもの 塩素・一酸化炭素 ホルムアルデヒド 二酸化硫黄 |
問17.有害化学物質と「がん」
■問題文
化学物質と、それにより発症するおそれのある主たるがんとの組合せとして、正しいものは次のうちどれか。
■選択肢
(1)塩化ビニル ………………………… 肝血管肉腫
(2)ベンジジン ………………………… 皮膚がん
(3)ビス(クロロメチル)エーテル … 膀胱がん
(4)クロム酸 …………………………… 大腸がん
(5)石綿 ………………………………… 胃がん
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(1)、ですね。
これも本編で表になってたけど、割と覚えやすい部分だったな。
問18.リスクアセスメント
■問題文
厚生労働省の「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
■選択肢
(1)リスクアセスメントの基本的手順のうち最初に実施するのは、労働者の就業に係る化学物質等による危険性又は有害性を特定することである。
(2)ハザードは、労働災害発生の可能性と負傷又は疾病の重大性(重篤度)の組合せであると定義される。
(3)化学物質等による疾病のリスク低減措置の検討では、化学物質等の有害性に応じた有効な保護具の使用よりも作業手順の改善、立入禁止等の管理的対策を優先する。
(4)化学物質等による疾病のリスク低減措置の検討では、法令に定められた事項を除けば、危険性又は有害性のより低い物質への代替等を最優先する。
(5)化学物質等による疾病のリスク低減措置の検討に当たっては、より優先順位の高い措置を実施することにした場合であって、当該措置により十分にリスクが低減される場合には、当該措置よりも優先順位の低い措置の検討は必要ない。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(2)、ですね。
これは素直な問題で解きやすいな。
問19.局所排気装置
■問題文
局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
■選択肢
(1)キャノピ型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。
(2)スロット型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、囲い式フードに分類される。
(3)囲い式フードの排気効果を型別に比較すると、ドラフトチェンバ型は、カバー型より排気効果が大きい。
(4)ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。
(5)空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、フードに接続した吸引ダクトと空気清浄装置の間に設ける。
正解は(1)、ですね。
これは図を見てイメージつけとくって話だな。
問20.保護具:呼吸用
■問題文
呼吸用保護具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
■選択肢
(1)隔離式防毒マスクは、直結式防毒マスクよりも有害ガスの濃度が高い大気中で使用することができる。
(2)ガス又は蒸気状の有害物質が粉じんと混在している作業環境中で防毒マスクを使用するときは、防じん機能を有する防毒マスクを選択する。
(3)防毒マスクの吸収缶の色は、アンモニア用は緑色で、有機ガス用は黒色である。
(4)使い捨て式防じんマスクは、粒径1μm程度のヒュームには使用できない。
(5)防じんマスクは、面体と顔面との間にタオルなどを挟んで着用してはならない。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(4)、ですね。
保護具は他の過去問でも呼吸器に特化したものがよく出てるな。
労働衛生(有害)はここまでですね。
ここは今までの過去問とあんま変化もなかったな。
令和6年4月公表分 関係法令-一般共通
問21-問27は関係法令(一般)だな。ここは第二種のダウングレード版だが気は抜けない問題が出るんだよな…
問21.総括安全衛生管理者の選任
■問題文
常時使用する労働者数が300人の事業場で、法令上、総括安全衛生管理者の選任が義務付けられていない業種は、次のうちどれか。
■選択肢
(1)通信業
(2)各種商品小売業
(3)旅館業
(4)ゴルフ場業
(5)警備業
正解は(5)、ですね。
意外な事に警備業は総括安全衛生管理者が必要なのって、労働者が1,000人以上なんだよな。
問22.衛生管理者の業務
■問題文
衛生管理者が管理すべき業務として、法令上、定められていないものは次のうちどれか。ただし、次のそれぞれの業務のうち衛生に係る技術的事項に限るものとする。
■選択肢
(1)化学物質等による危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関すること。
(2)健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。
(3)労働者の衛生のための教育の実施に関すること。
(4)労働者の健康を確保するため必要があると認めるとき、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすること。
(5)少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じること。
正解は(4)、ですね。
衛生管理者は勧告する立場にはない…ってかコレ、他の過去問でもよく出てるんだよなぁ。
問23.面接指導
■問題文
労働安全衛生法に基づく心理的な負担の程度を把握するための検査の結果に基づき実施する面接指導に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
■選択肢
(1)常時50人以上の労働者を使用する事業者は、1年以内ごとに1回、定期に、心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
(2)事業者は、面接指導の対象となる労働者の要件に該当する労働者から申出があったときは、申出の日から3か月以内に、面接指導を行わなければならない。
(3)事業者は、面接指導を行った場合は、当該面接指導の結果を当該事業場の当該部署に所属する労働者の集団その他の一定規模の集団ごとに集計し、その結果について分析しなければならない。
(4)面接指導の結果は、健康診断個人票に記載しなければならない。
(5)面接指導を行う医師として事業者が指名できる医師は、法定の研修を修了した医師に限られる。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(1)、ですね。
面接指導は少し細かいから本編の該当箇所を見ておいてもいいかもな。
問24.産業医の業務
■問題文
産業医の職務として、法令に定められていない事項は次のうちどれか。ただし、次のそれぞれの事項のうち医学に関する専門的知識を必要とするものに限るものとする。
■選択肢
(1)安全衛生に関する方針の表明に関すること。
(2)作業の管理に関すること。
(3)健康診断の実施に関すること。
(4)衛生教育に関すること。
(5)労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。
正解は(1)、ですね。
方針の表明とかは事業者とか拠点長がする事だよな。
問25.定期健康診断
■問題文
労働安全衛生規則に基づく次の定期健康診断項目のうち、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは、省略することができる項目に該当しないものはどれか。
■選択肢
(1)既往歴及び業務歴の調査
(2)心電図検査
(3)肝機能検査
(4)血中脂質検査
(5)貧血検査
正解は(1)、ですね。
これは難しくないのに問題の出し方が間違いを誘発しそうで嫌な感じだな。
本編で健康診断の項目と省略可否を表に纏めてましたね。
検査項目 | 時 | 雇入定期 特定以外 | 定期 省略可否 |
---|---|---|---|
既往歴・業務歴 調査 | 否 | ||
自覚症状 他覚症状 | 否 | ||
身長・腹囲 | 可 | ||
体重・視力 聴力※ | 否 | ||
胸部エックス線 かくたん検査 | X線 のみ | 可 | |
血圧 | 否 | ||
貧血 | 可 | ||
肝機能 | 可 | ||
血中脂質 | 可 | ||
血糖 | 可 | ||
尿 | 否 | ||
心電図 | 可 |
問26.労働時間
■問題文
労働基準法における労働時間等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
■選択肢
(1)1日8時間を超えて労働させることができるのは、時間外労働の協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合に限られている。
(2)労働時間に関する規定の適用については、事業場を異にする場合は労働時間を通算しない。
(3)労働時間が8時間を超える場合においては、少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
(4)機密の事務を取り扱う労働者については、所轄労働基準監督署長の許可を受けなくても労働時間に関する規定は適用されない。
(5)フレックスタイム制の清算期間は、6か月以内の期間に限られる。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(4)、ですね。
労基法の基礎的な部分だな。みんなオイシイ得点源にしてるんだよ…な?
問27.年次有給休暇
■問題文
週所定労働時間が32時間、週所定労働日数が4日である労働者であって、雇入れの日から起算して3年6か月継続勤務したものに対して、その後1年間に新たに与えなければならない年次有給休暇日数として、法令上、正しいものは次のうちどれか。ただし、その労働者はその直前の1年間に全労働日の8割以上出勤したものとする。
■選択肢
(1)10日
(2)11日
(3)12日
(4)13日
(5)14日
正解は(5)、ですね。
これ、割と盲点だよな…
関係法令(一般)はここまでですね。
令和6年4月公表分 労働衛生-一般共通
問28-問34は労働衛生(一般)だな。これも第二種のダウングレード版だが、今回のは少し気になる部分もあるな。
問28.メンタルヘルスケア
■問題文
厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に基づくメンタルヘルスケアの実施に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
■選択肢
(1)「心の健康づくり計画」の策定に当たっては、衛生委員会又は安全衛生委員会において十分調査審議を行う。
(2)「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」及び「事業場外資源によるケア」の四つのケアを継続的かつ計画的に行う。
(3)メンタルヘルスケアを推進するに当たって、労働者の個人情報を主治医等の医療職や家族から取得する際には、あらかじめこれらの情報を取得する目的を労働者に明らかにして承諾を得るとともに、これらの情報は労働者本人から提出を受けることが望ましい。
(4)労働者の心の健康は、職場配置、人事異動、職場の組織等の要因によって影響を受ける可能性があるため、人事労務管理部門と連携するようにする。
(5)プライバシー保護の観点から、衛生委員会や安全衛生委員会において、ストレスチェック制度に関する調査審議とメンタルヘルスケアに関する調査審議を関連付けて行うことは避ける。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(5)、ですね。
何の為の会議体かって話だよな。
問29.運動機能検査
問題文
労働者の健康保持増進のために行う健康測定における運動機能検査の項目とその測定種目との組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
■選択肢
(1)筋力 ……………… 握力
(2)柔軟性 …………… 座位体前屈
(3)筋持久力 ………… 上体起こし
(4)敏しょう性 ……… 踏み台昇降
(5)全身持久性 ……… 最大酸素摂取量
正解は(4)、ですね。
敏捷性は全身反応時間だな。本編で出した表を貼っとくかね。
検査項目 | 検査種目 |
---|---|
筋力 | 握力 上体起こし(筋持久力) |
柔軟性 | 立位体前屈 座位体前屈 |
平衡性 | 閉眼片足立ち |
敏しょう性 | 全身反応時間 |
全身持久力 | 最大酸素摂取量 間接測定 (自転車エルゴメーターによる) |
問30.衛生管理統計
■問題文
1,000人を対象としたある疾病のスクリーニング検査の結果と精密検査結果によるその疾病の有無は下表のとおりであった。このスクリーニング検査の偽陽性率及び偽陰性率の近似値の組合せとして、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。ただし、偽陽性率とは、疾病無しの者を陽性と判定する率をいい、偽陰性率とは、疾病有りの者を陰性と判定する率をいうものとする。
■選択肢
偽陽性率(%)/偽陰性率(%)
(1)20.0 / 0.5
(2)20.5 / 20.0
(3)22.0 / 25.0
(4)25.8 / 0.5
(5)28.2 / 20.0
計算方法を確認しておきましょう!
正解は(2)、ですね。
最近の過去問で統計の問題が連チャンで出てるから、コレも来るとは思っていたら出たか。
問31.脳血管障害・虚血性心疾患
■問題文
脳血管障害及び虚血性心疾患に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
■選択肢
(1)脳血管障害は、脳の血管の病変が原因で生じ、出血性病変、虚血性病変などに分類される。
(2)出血性の脳血管障害は、脳表面のくも膜下腔に出血するくも膜下出血、脳実質内に出血する脳出血などに分類される。
(3)くも膜下出血は、通常、脳動脈瘤が破れて数日後に発症し、激しい頭痛を伴う。
(4)虚血性心疾患は、心筋の一部分に可逆的な虚血が起こる狭心症と、不可逆的な心筋壊死が起こる心筋梗塞とに大別される。
(5)心筋梗塞では、突然激しい胸痛が起こり、「締め付けられるように痛い」、「胸が苦しい」などの症状が、1時間以上続くこともある。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(3)、ですね。
これは本編で整理したままの内容だったな。
問32.骨折
■問題文
骨折に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
■選択肢
(1)単純骨折とは、骨にひびが入った状態をいう。
(2)複雑骨折とは、骨が多数の骨片に破砕された状態をいう。
(3)不完全骨折では、骨折端どうしが擦れ合う軋轢音や変形などが認められる。
(4)脊髄損傷が疑われる場合は、動かさないことを原則とするが、やむを得ず搬送する場合は、負傷者に振動を与えないようにするため、柔らかいマットに乗せる。
(5)骨折に対する処置として、副子を手や足に当てるときは、骨折部分の上下の関節まで固定できる長さで、かつ、幅の広いものを用いる。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(5)、ですね。
これは身近な内容でもあるから簡単だな。
問33.食中毒
■問題文
ノロウイルスによる食中毒に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
■選択肢
(1)食品に付着したウイルスが食品中で増殖し、ウイルスが産生した毒素により発症する。
(2)ウイルスの感染性は、長時間煮沸しても失われない。
(3)潜伏期間は、1~2日である。
(4)発生時期は、夏季が多い。
(5)症状は、筋肉の麻痺 ひなどの神経症状が特徴である。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(3)、ですね。
これも本編で纏めた通りだな。
問34.BMI
■問題文
BMIに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
■選択肢
(1)BMIは肥満や低体重(痩せ)の判定に用いられる指数で、この数値が大きいほど肥満の傾向があり、小さいほど痩せの傾向がある。
(2)BMIを算出するには、腹囲の値が必要である。
(3)BMIを算出するには、体脂肪率の値が必要である。
(4)BMIは、内臓脂肪の重量と直線的な比例関係にある。
(5)BMIによる肥満度の判定基準には、男性の方が女性より大きな数値が用いられる。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(1)、ですね。
BMIは目安にするけど筋肉量が増えれば数値も大きくなるから、あくまで目安だよなぁ…
労働衛生(一般)はここまでですね。
令和6年4月公表分 労働生理
問35-問44は労働生理で〆だな。今回は脳の部位とか覚えにくいのが出てないから易しめだったかもな。
問35.呼吸
■問題文
呼吸に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
■選択肢
(1)呼吸は、胸膜が運動することで胸腔内の圧力を変化させ、肺を受動的に伸縮させることにより行われる。
(2)肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、内呼吸である。
(3)通常の呼吸の場合の呼気には、酸素が約16%、二酸化炭素が約4%含まれる。
(4)チェーンストークス呼吸とは、肺機能の低下により呼吸数が増加した状態をいい、喫煙が原因となることが多い。
(5)身体活動時には、血液中の窒素分圧の上昇により呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加する。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(3)、ですね。
これは毎度お馴染みの過去問使い回しだな。
問36.神経系
■問題文
神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
■選択肢
(1)神経細胞の細胞体が集合しているところを、中枢神経系では神経節といい、末梢神経系では神経核という。
(2)大脳の外側の皮質は、神経細胞の細胞体が集合した灰白質で、感覚、運動、思考などの作用を支配する中枢として機能する。
(3)副交感神経系は、身体の機能を回復に向けて働く神経系で、休息や睡眠状態で活動が高まり、心拍数を減少し、消化管の運動を亢進する。
(4)自律神経系は、交感神経系と副交感神経系とに分類され、各種臓器に対して両方の神経が支配している。
(5)体性神経には感覚器官からの情報を中枢に伝える感覚神経と、中枢からの命令を運動器官に伝える運動神経がある。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(1)、ですね。
神経の問題は問い方が変わったな…
問37.心臓と血液
■問題文
心臓及び血液循環に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
■選択肢
(1)心臓は、自律神経の中枢で発生した刺激が刺激伝導系を介して心筋に伝わることにより、規則正しく収縮と拡張を繰り返す。
(2)肺循環により左心房に戻ってきた血液は、左心室を経て大動脈に入る。
(3)大動脈を流れる血液は動脈血であるが、肺動脈を流れる血液は静脈血である。
(4)心臓の拍動による動脈圧の変動を末梢の動脈で触知したものを脈拍といい、一般に、手首の橈骨動脈で触知する。
(5)動脈硬化とは、コレステロールの蓄積などにより、動脈壁が肥厚・硬化して弾力性を失った状態であり、進行すると血管の狭窄 さくや閉塞を招き、臓器への酸素や栄養分の供給が妨げられる。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(1)、ですね。
これはザ・定番の使い回し問題だな。
問38.代謝:脂質
■問題文
脂肪の分解・吸収及び脂質の代謝に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
■選択肢
(1)脂肪は、膵臓から分泌される消化酵素である膵アミラーゼにより脂肪酸とグリセリンに分解される。
(2)胆汁は、アルカリ性で、消化酵素は含まないが、食物中の脂肪を乳化させ、脂肪分解の働きを助ける。
(3)肝臓は、過剰な蛋白質及び糖質を中性脂肪に変換する。
(4)コレステロールやリン脂質は、神経組織の構成成分となる。
(5)脂質は、糖質や蛋白質に比べて多くのATPを産生するエネルギー源となるが、摂取量が多すぎると肥満の原因となる。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(1)、ですね。
消化酵素を覚えとけばいいだけだから楽勝だな。
三大栄養素 | 消化酵素 |
---|---|
タンパク質 | 胃:ペプシン 膵液:トリプシン |
脂質 | 膵液:膵リパーゼ |
炭水化物 (糖質) | 唾液:アミラーゼ 膵液:膵アミラーゼ 小腸:マルターゼ |
問39.腎臓と尿
■問題文
腎臓又は尿に関する次のAからDの記述について、誤っているものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
A 腎臓の皮質にある腎小体では、糸球体から血液中の糖以外の血漿成分がボウマン嚢に濾し出され、原尿が生成される。
B 腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成される。
C 尿は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、通常、弱酸性である。
D 尿酸は、体内のプリン体と呼ばれる物質の代謝物で、健康診断において尿中の尿酸の量の検査が広く行われている。
■選択肢
(1)A,B
(2)A,C
(3)A,D
(4)B,C
(5)C,D
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(3)、ですね。
尿酸値の選択肢は割とレアだったかもな…
問40.感覚器系
■問題文
感覚又は感覚器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
■選択肢
(1)眼軸が短過ぎるために、平行光線が網膜の後方で像を結ぶものを遠視という。
(2)嗅覚と味覚は化学感覚ともいわれ、物質の化学的性質を認知する感覚である。
(3)温度感覚は、皮膚のほか口腔などの粘膜にも存在し、一般に冷覚の方が温覚よりも鋭敏である。
(4)深部感覚は、筋肉や腱にある受容器から得られる身体各部の位置、運動などを認識する感覚である。
(5)平衡感覚に関係する器官である前庭及び半規管は、中耳にあって、体の傾きや回転の方向を知覚する。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(5)、ですね。
よくでる感覚器オムニバス問題だな。
本編のこの辺がまるっと出た感じですね。
問41.ホルモン
■問題文
ヒトのホルモン、その内分泌器官及びそのはたらきの組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
■選択肢
(1)アルドステロン
内分泌器官:副腎髄質
はたらき:血糖量の増加
(2)インスリン
内分泌器官:膵臓
はたらき:血糖量の減少
(3)パラソルモン
内分泌器官:副甲状腺
はたらき:血中のカルシウム量の調節
(4)プロラクチン
内分泌器官:下垂体
はたらき:黄体形成の促進
(5)副腎皮質刺激ホルモン
内分泌器官:下垂体
はたらき:副腎皮質の活性化
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(1)、ですね。
ホルモンの覚え方には苦労したな…
どこで | 何を分泌 | 何を調整 |
---|---|---|
松果体 (脳) | メラトニン | 睡眠と覚醒 |
副腎髄質 | ノルアドレナリン | 血圧上昇 |
〃 | アドレナリン | 血糖上昇 |
副腎皮質 | コルチゾール | 血糖上昇 |
〃 | アルドステロン | 血中の塩類 |
膵臓 | インスリン | 血糖量の低下 |
〃 | グルカゴン | 血糖量の上昇 |
甲状腺 | 甲状腺ホルモン | 酸素消費促進 体温上昇 |
副甲状腺 | パラソルモン | 血中Ca |
胃 | ガストリン | 胃酸分泌 |
十二指腸 | セクレチン | 消化液分泌 |
問42.免疫
■問題文
免疫に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
■選択肢
(1)抗原とは、免疫に関係する細胞によって異物として認識される物質のことである。
(2)抗原となる物質には、蛋白質、糖質などがある。
(3)抗体とは、体内に入ってきた抗原に対して体液性免疫において作られる免疫グロブリンと呼ばれる蛋白質のことである。
(4)好中球は白血球の一種であり、偽足を出してアメーバ様運動を行い、体内に侵入してきた細菌などを貪食する。
(5)リンパ球には、血液中の抗体を作るTリンパ球と、細胞性免疫の作用を持つBリンパ球がある。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(5)、ですね。
これも過去問で同じようなのがよく出てるな。
問43.ストレスとホルモン
■問題文
ストレスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
■選択肢
(1)外部からの刺激であるストレッサーは、その形態や程度にかかわらず、自律神経系と内分泌系を介して、心身の活動を抑圧する。
(2)ストレスに伴う心身の反応には、ノルアドレナリン、アドレナリンなどのカテコールアミンや副腎皮質ホルモンが深く関与している。
(3)昇進、転勤、配置替えなどがストレスの原因となることがある。
(4)職場環境における騒音、気温、湿度、悪臭などがストレスの原因となることがある。
(5)ストレスにより、高血圧症、狭心症、十二指腸潰瘍などの疾患が生じることがある。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(1)、ですね。
(1)の心身の一時的な活性化は、限界が来ると一気に崩れるから良いものとは言えないな。
問44.体温調節
■問題文
体温調節に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
■選択肢
(1)体温調節中枢は、間脳の視床下部にある。
(2)体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みを同調性といい、筋肉と神経系により調整されている。
(3)寒冷な環境においては、皮膚の血管が拡張して血流量を増し、皮膚温を上昇させる。
(4)計算上、体重70kgの人の体表面から10gの汗が蒸発すると、体温が約1℃下がる。
(5)不感蒸泄とは、水分が発汗により失われることをいう。
まず、各肢のポイントを見てみましょう!
正解は(1)、ですね。
本編で書いてたままだな。
労働生理はここまでですね。
44問流し終わったか…
第一種 衛生管理者 過去問 令和6年4月公表分 振り返り
…終わったぞ?
疲れたからいつもの配置に戻るぞ。
はい、ご苦労様です。
やれやれ、なんか今回の難しくなってねーか?
見てて思ったんですけど、序盤の関係法令(有害)の問題の出し方が変わってきましたね。
そうなんだよ。他の過去問から解答材料を引っ張ってくるのに割と苦労したな。
難易度上げて合格率を調整しに来てるのかな…
協会が公表してる合格率はまだ令和4年度だけど、直近の数値を知りたいよな。
まあ運行管理者が30%台で衛生管理者が40%台後半なのもどうよって話なんだけどさ。
それ考えると衛生管理者はもっと合格率が低いのが本来の姿かもですけど…
さて、このページも〆にしましょーか。
そーだな。今回のは割とマジで疲れた…
…この先、本当に難しくなったら俺で解説できるんだろうか…?
これから第一種 衛生管理者の資格取得をされる方は、試験対策用に本編も見て頂ければです。
■衛生管理者 ページ一覧
①:衛生管理者の概要
②:関係法令-有害業務(前半)
③:関係法令-有害業務(後半)
④:労働衛生-有害業務(前半)
⑤:労働衛生-有害業務(後半)
⑥:関係法令-一般業務と共通
⑦:労働衛生-一般業務と共通
⑧:労働生理(前半)
⑨:労働生理(後半)
⑩:過去問:令和5年4月公表問題
⑪:過去問:令和5年10月公表問題
⑫:過去問:令和6年4月公表問題 ◀◀NOW