このページは第一種 衛生管理者の試験対策のうち、労働衛生:有害業務に関わる内容から有害物質・有害エネルギーが引き起こす健康障害と疾病について書いています。
労働衛生のうち有害業務に係るもの前半はこちら!
- 有害業務による人体への影響
- 有害物質による健康障害と疾病
- 有害エネルギーによる健康障害と疾病
さて、労働衛生(有害)の後半で健康障害と疾病についてブッ込まれるか。
はい、ブッ込まれてください。
…ブッ込み勉強は苦手だから自分のペースでのんびり進めていいんだよな…?
衛生管理者-労働衛生 有害:有害業務による人体への影響
このページの内容は全て有害業務による健康障害と疾病です。大きく2つに分けて見ていきます。
①有害物質による健康障害と疾病
②有害エネルギーによる健康障害と疾病
第一種 衛生管理者の試験では問11問20の間で4つか5つが健康障害の問題として出題されます。
複合問題も出るので「山」はあまり効かないのが…
衛生管理者-労働衛生 有害:有害物質による健康障害と疾病
【難易度:中】
有害物質
健康障害
衛生管理者試験に向けた覚え方
有害物質による健康障害・疾病から、試験での出題率が高い順に見ていきます。
有害物質
・粉じん
・有機溶剤
・金属
・発がん性物質
・有害ガス その他の化学物質
一回読めばすぐに出来るものと時間をかけて細かく覚えるものに分かれるので、一つ一つ攻略していきましょう。
粉じんによる健康障害と疾病
ここでの粉じんは、シンプルに「粉」を吸い込み続けた時の話です。
※有毒な化学物質のヒュームを吸った場合など、化学物質に由来するものは考えなくて大丈夫です。
粉じんの吸入が続くと肺の内部が繊維化し肺機能が落ち「じん肺」を発症します。自覚症状は咳・痰・呼吸困難が主で、他覚症状はチアノーゼ等です。
じん肺は一度なってしまうと病変は治らず、粉じんへのばく露を止めても勝手に症状が進行します。
また、肺結核・続発性気管支炎・原発性肺がん等の合併症を起こす事があります。
吸引し続けた粉じんの種類によって、じん肺は以下の種類に分かれます。
粉じん | じん肺の種類 |
---|---|
遊離けい酸 | けい肺 |
炭素 | 炭素肺 黒船肺 |
アルミニウム | アルミニウム肺 |
鉄化合物 | 溶接工肺 |
石綿 | 石綿肺 |
なんか激ムズなのが来ると思ったら意外に…?
第一種 衛生管理者の試験で粉じん・じん肺については、単体の問題として出題される事が非常に多いです。
■問.じん肺に関する記述のうち、正しいものはどれか。
(1)じん肺は、粉じんを吸入することによって肺に生じた炎症性病変を主体とする疾病で、その種類にはけい肺・間質性肺炎・慢性閉塞性肺疾患(COPD)などがある。
(2)じん肺は、続発性気管支炎・肺結核などを合併する事がある。
(3)鉱物性粉じんに含まれる遊離けい酸(SiO2)は、石灰化を伴う胸膜肥厚や胸膜中皮腫を生じさせるという特徴がある。
(4)じん肺の有効な治療方法は、既に確立されており、完治させる事が可能である。
(5)じん肺はある程度進行しても、粉じんへのばく露を中止すれば、症状の進行も止まる。
正しいものは(2)です。
ん?意外にやれるぞ…?
大事なところを押さえれば、わたし達みたいな素人でも結構やれます。
有機溶剤による健康障害と疾病
ここでは有機溶剤に絞って見ていきますので、他の化学物質は置いておいて大丈夫です。
有機溶剤は非常に揮発性が高く、蒸気は空気より重いです。何か危険物の話みたいですが、これは衛管の試験でも出ます。
また、人体には皮膚や粘膜から吸収され、脂溶性なので脳に取り込まれやすいです。なので、大量吸引すると「飛び」ます。
主な有機溶剤と疾病・健康障害の例は以下です。
有機溶剤 | 疾病・健康障害 |
---|---|
共通 | 頭痛・めまい 記憶力減退・不眠 皮膚・粘膜刺激 呼吸器中毒 |
ベンゼン | 造血器障害 白血病 |
二硫化炭素 | 脳血管障害 精神異常 肝障害・腎障害 |
メタノール 酢酸メチル | 視神経障害 |
グリコール酸 | 貧血・溶血 |
ノルマンヘキサン | 多発性神経炎 |
前ページで出てきた生物学的モニタリングについても試験では触れられるため、表を再掲します。
物質名 | 代謝物等 |
---|---|
トルエン | 尿中 馬尿酸 |
キシレン | 尿中 メチル馬尿酸 |
スチレン | 尿中 マンデル酸 |
ノルマンヘキサン | 尿中 2,5-ヘキサンジオン |
N,N- ジメチルホルムアミド | 尿中 N-メチルホルムアミド |
化学強い人は割と余裕…?
第一種 衛生管理者の試験で有機溶剤についても単体の問題として出題される事が非常に多いです。
生物学的モニタリングの内容が再登場するのも意識しておくと良さそうです。
■問.有機溶剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)有機溶剤は、水溶性と脂溶性を共に有すことから、その蒸気は空気よりも軽い。
(2)有機溶剤は、揮発性が高いため呼吸器から吸収されやすいが、脳にまで取り込まれる事はない。
(3)ノルマンヘキサンのばく露の生物学的モニタリングの指標として、尿中の代謝物は2,5-ヘキサンジオンである。
(4)メタノールによる健康障害として顕著なものは、網膜細胞動脈瘤を伴う脳血管障害である。
(5)二硫化炭素による中毒では、メトヘモグロビン形成によるチアノーゼなどがある。
正しいものは(3)です。
正解は生物学的モニタリングの内容でしたが、他が正解になる事も多いです。
生物学的モニタリングで山を張ればいいか?
やめときましょう。
金属による健康障害と疾病
金属が原因となる健康障害・疾病について見ていきます。
金属は基本的に大なり小なり毒性を持っています。ここで出るのは毒性がすごく強い・強めといった部類の金属です。
人体に金属を取り込むのは、粉じん・ヒュームを吸入してしまうのが多いです。
金属が原因となる健康障害・疾病は様々なので覚えるのに少し苦労しますが、時間をかけて攻略しましょう。
金属 | 疾病・健康障害 |
---|---|
鉛 | 貧血 末梢神経障害 胸部の疝痛 |
水銀 | 有機・金属水銀:脳疾患 無機水銀:腎臓疾患 |
カドミウム | 急性:上道気炎・肺炎 慢性:肺気腫・肺がん 腎障害・歯の着色 |
砒素 | 角化症・黒皮症 鼻中隔穿孔 |
クロム | 皮膚障害 肺がん・上気道がん 鼻中隔穿孔 |
マンガン | 筋のこわばり 震え・歩行困難 |
コバルト ニッケル ベリリウム | 皮膚障害 |
亜鉛・銅 (ヒューム吸入) | 金属熱 (発熱や関節痛) |
一番最後、亜鉛・銅の「金属熱」は金属によって引き起こされるもので、熱中症と混同しないように注意です。(←試験でひっかけ有)
また、試験では有機溶剤と同じく生物学的モニタリングの内容にも触れてくるので再確認しておきましょう。
物質名 | 代謝物等 |
---|---|
鉛 | 血液中 鉛 尿中 デルタアミノレブリン酸 |
またお前か、だな。
第一種 衛生管理者の試験では金属による健康障害ついても単体の問題として出題される事が多いです。
また、生物学的モニタリングの内容も登場する事に注意です。
■問.金属による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)カドミウム中毒では、上道気炎・肺炎・腎機能障害などがみられる。
(2)鉛中毒では、貧血・末梢神経・腹部の疝痛などがみられる。
(3)マンガン中毒では、筋のこわばり・震え・歩行障害などのパーキンソン病に似た症状がみられる。
(4)ベリリウム中毒では、溶血性貧血・尿の赤色化などの症状がみられる。
(5)金属水銀中毒では、感情不安定・幻覚などの精神障害や手指の震えなど脳疾患の症状がみられる。
誤っているものは(4)です。
金属と健康障害の組合せを覚えるには時間がかかりそうだな。
はい。ここは時間をかけて攻略です。
第一種 衛生管理者 試験対策 論点:職業性がんと発がん物質
職業性がんと発がん物質は、出題率が低いのと単体では出題されなかったりもするので、物質を見た後すぐに試験対策をします。
職業性がんは有害業務に従事し、発がん物質(化学物質)にばく露されることで発症するがんの総称です。
発がん物質 | がんの種類 |
---|---|
クロム酸 石綿 ベンゾトリクロリド | 肺がん |
コールタール | 肺がん 皮膚がん 膀胱がん |
ベンジジン ベータナフチルアミン | 膀胱がん |
塩化ビニル | 肝臓がん |
ベンゼン 電離放射線 | 白血病 |
第一種 衛生管理者の試験で発がん物質について単体で出題され、出題率は40%くらいです。
■問.化学物質とそれにより発症するおそれのある主たるがんの組合せとして正しいものはどれか。
(1)ベンゼン・・・・・・白血病
(2)ベンジジン・・・・・胃がん
(3)ベンゾトリクロリド・膀胱がん
(4)コールタール・・・・肝血管肉腫
(5)石綿・・・・・・・・皮膚がん
正しいものは(1)です。
覚え方としては、表中の組合せで判りやすい石綿:肺がんなどから一つずつ覚えていきましょう。
石綿はどう考えても肺に悪いもんな。
有害ガス・その他の化学物質による健康障害と疾病
有害な化学物質ではあるものの、第一種 衛生管理者の試験で単体の問題では登場しない物質をピックアップします。
有害ガス等と健康障害・疾病の組合せです。
有害ガス等 | 疾病・健康障害 |
---|---|
アンモニア | 粘膜刺激 咳・流涙 |
塩素 | 粘膜刺激 咽頭痛・肺水腫 |
二酸化硫黄 | 歯牙酸蝕症 粘膜刺激 |
二酸化窒素 | 歯牙酸蝕症 気管支炎 急性肺水腫 |
弗化水素 | 歯牙酸蝕症 骨の硬化・斑状歯 肺炎・肺水腫 |
(その他の酸) 塩酸・硫酸 硝酸 | 歯牙酸蝕症 |
よく名前の出る物質だから疾病もイメージしやすいな。
続いて有害ガスの中で窒息性を持つものと健康障害・疾病の組合せです。
窒息性ガス | 疾病・健康障害 |
---|---|
一酸化炭素 | 血液の酸素運搬障害 (結果として酸欠状態) |
硫化水素 | 呼吸麻痺・意識消失 肺水腫 粘膜刺激 |
シアン化水素 (青酸ガス) | 呼吸障害 痙攣 |
第一種 衛生管理者の試験では、有機溶剤なども交えてオムニバス問題として出題されます。
■問.化学物質による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)ノルマンヘキサンによる健康障害では、末梢神経障害がみられる。
(2)シアン化水素による中毒では、細胞内の酸素利用の障害による呼吸困難・痙攣などがみられる。
(3)硫化水素による中毒では、意識消失・呼吸麻痺などがみられる。
(4)塩化ビニルによる慢性中毒では、気管支炎・歯牙酸蝕症などがみられる。
(5)弗化水素による慢性中毒では、骨の硬化・斑状歯などがみられる。
誤っているものは(4)です。
どんな物質がどういう健康障害になるか纏めるといいかもな。
グルーピング大事!
有害物質の健康障害はここまでです!
衛生管理者-労働衛生 有害:有害エネルギーによる健康障害と疾病
【難易度:中】
有害エネルギー
健康障害
衛生管理者試験に向けた覚え方
著しい暑熱・著しい寒冷・著しい騒音など有害エネルギーのある環境で作業しても健康障害を起こします。
第一種 衛生管理者の試験で有害エネルギーによる健康障害・疾病については、基本的にオムニバス形式での出題です。
有害エネルギー
①電離放射線と非電離放射線
②騒音
③暑熱環境
④低温環境
⑤異常気圧
⑥振動
①②は単体の問題が出る事もあるので、それらは個別に押さえて攻略していきます。
複合問題が多いので注意です!
電離放射線・非電離放射線による健康障害と疾病
電離放射線と非電離放射線、どちらも電磁波で違いは周波数(高いか低いか)で分かれます。
電磁波を周波数を高い順(=波長の長さは上から短い順)で並べてみます。
電磁波 | 種類と周波数 |
---|---|
電離放射線 ▼ ▼ | ガンマ線 ▼ エックス線 |
非電離放射線 (太陽光) ▼ ▼ | 紫外線 ▼ 可視光線 ▼ 赤外線 |
非電離放射線 (電波) | マイクロ波 など |
この並びは「波長の長さ」として試験に出ます!
電離放射線による健康障害
上の表より、電離放射線はガンマ線とエックス線がある事が判ったので、その健康障害について見ていきます。
※電離放射線には粒子線もありますが、試験では触れられないので置いておきます。
電離放射線の健康障害は「すぐに発症するもの」と「後から発症するもの」に分かれます。
影響 | 健康障害・症状 |
---|---|
身体的影響 =確定的影響 | 早期障害 (すぐに発症) 造血器・消化器 中枢神経・皮膚 |
遺伝的影響 =確率的影響 | 晩発障害 (後から発症) 発がん・白血病 白内障・胎児障害 |
身体的(確定的)影響は「どれ位ばく露を受ければ発症する」という閾値があり、遺伝的(確率的)影響には閾値がありません。
なので遺伝的影響は「ばく露が多ければ多いほど晩発障害の確率が上がる」という点で怖いものです。
遺伝…確率…読んで字の如しか。
非電離放射線による健康障害
非電離放射線の健康障害はざっくりと「焼ける・火傷する・焼き切れる」を軸に見ると良いかもです。
※電離放射線の表と同じく、周波数は上から高い順・波長の長さは上から短い順で並んでいます。
非電離放射線 | 健康障害 |
---|---|
紫外線 ▼ | 電光性眼炎 皮膚がん 光線過敏性皮膚炎 皮膚色素沈着 |
レーザー光線 (可視光線) ▼ | 網膜火傷・失明 白内障 粘膜・皮膚火傷 |
赤外線 ▼ | 皮膚火傷 白内障 熱中症 |
マイクロ波 | 組織壊死 白内障 深部組織発熱 |
マイクロ波はエステとかでも使われますが、火傷するのでやりすぎ注意です…
第一種 衛生管理者の試験で電離放射線・非電離放射線は単体の問題として登場します。
■問.電離放射線などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)電離放射線には電磁波と粒子線がある。
(2)エックス線は通常、エックス線装置を用いて発生させる人工の電離放射線であるが、ガンマ線と同様に電磁波である。
(3)エックス線は、紫外線より波長の長い電磁波である。
(4)電離放射線の被ばくによる白内障は、晩発障害に分類され、被ばく後 半年~30年後に発現する事が多い。
(5)電離放射線の被ばくによる胎児障害は、確率的影響に分類される。
誤っているものは(3)です。
まあ出るならやっとくか。
難易度は高くないので合間で勉強しときましょう!
電離放射線等の健康障害についてはここまでです!
第一種 衛生管理者 試験対策 論点:騒音による健康障害
騒音については押さえる範囲が狭く、単体で出題されたら難易度が低くラッキー問題です。
- 騒音の定義:85dB以上
- 主な健康障害:突発性難聴・耳鳴り・自律神経や内分泌系にも影響
- 障害の原因:内耳(蝸牛)の機能低下
- 解説:騒音障害は4,000Hzの高周波音(高い音)から聞こえなくなり、初期症状に気付きづらく治りにくい。このタイプの聴力低下を「c5dip」と呼ぶ。
作業環境測定の測定項目である「等価騒音レベル」は、一定時間の平均的な騒音の程度を単位:dB(A)で示します。
※(A)は、測定の過程で特性A(=A特性)という補正をかけたよ、という意味合いです。
試験対策の材料はこれだけあれば十分!
試験対策の材料は揃いましたので、過去問を解いてみます。
■問.作業環境における騒音およびそれによる健康障害に関する次の記述で誤っているものはどれか。
(1)騒音レベルの測定は通常、騒音計の周波数補正回路のA特性で行い、その大きさはdB(A)で表示する。
(2)騒音性難聴は、感音性の難聴で、耳鳴りを伴う事が多い。
(3)音圧レベルは、その音圧と、通常、人間が効くことができる最も小さな音圧(20μPa)との比の常用対数を20倍して求められ、その単位はデシベル(dB)で表される。
(4)騒音性難聴は、騒音により中耳の蝸牛が変性することにより生じる
(5)等価騒音レベルは、時間的に変動する騒音レベルのエネルギー的な平均値を表す量で、変動する騒音に対する人間の生理・心理的反応とよく対応している。
誤っているものは(4)です。
感覚器(耳)の事だと呑みこみやすいな。
耳の構造は労働生理で出てるので、そちらを見ると理解しやすいです。
騒音の健康障害についてはここまでです!
有害エネルギーによる健康障害と疾病
有害エネルギーによる健康障害・疾病を一気に見ていきます。
第一種 衛生管理者の試験ではオムニバス形式で毎回必ず登場し、単体の電離放射線・騒音の問題と被って出題される事もあります。
暑熱・低温・異常気圧・振動について浅く広く流していきます。一般的な内容も多く含むので、難易度は低いです。
①暑熱環境による健康障害
暑熱環境では熱輻射(日射病)・熱虚脱・熱痙攣を総称して熱中症に注意です。
熱中症 | 原因・症状 | 対処 |
---|---|---|
熱輻射 (日射病) | ・高温多湿による体温調節中枢の機能障害 ・40℃以上に体温が上昇し発汗停止 ・意識障害、呼吸困難、痙攣を引き起こす | 急ぎ 体温を下げる |
熱虚脱 | ・身体の熱への順応で脳に血液が回らなくなる ・発熱はない ・めまい、失神を引き起こす | 涼しい場所で 頭を低くして 安静にする |
熱痙攣 | ・大量発汗による塩分不足、水ばかり飲んだ場合 ・発熱はない ・手足の突っ張り、硬直、意識消失を引き起こす | 涼しい場所で 塩分補給する |
第一種 衛生管理者の試験では熱虚脱と熱痙攣の症状を入れ替えた選択肢などがよく出ています。
②低温環境による健康障害
低温環境では低体温症・皮膚などの凍瘡・凍傷を見ておきます。
低温障害 | 原因・症状 |
---|---|
低体温症 | ・体の中心部の温度が35℃以下になると低体温症 ・体温が32℃以下になり放置すると死に至る |
凍瘡 | ・0℃以上の寒冷にばく露で「しもやけ」になる ・皮膚などの壊死は伴わない |
凍傷 | ・0℃に満たない寒冷へのばく露で組織が凍結壊死する |
第一種 衛生管理者の試験対策は凍瘡・凍傷どちらが「壊死を伴うか」を確認しておくと良いです。
暑い・寒いでも人体に色々と起こりますね。
③異常気圧による健康障害
高圧室内や潜水作業は「圧」がかかる時・抜ける時に身体が影響を受けます。予防は加圧・減圧をゆっくりする事です。
健康障害 | 原因・症状 |
---|---|
スクイーズ | ・加圧時、不均等な加圧で身体の各部に起こる 例)耳:鼓膜の内外の気圧の差で耳が痛くなる |
窒素酔い 炭酸ガス中毒 酸素中毒 | ・高圧環境下で酸素などが血中に大量に溶けると発症 例)窒素酔い:だんだんラリッてきて意識が飛ぶ |
減圧症 | ・減圧時、体内に大量にあった窒素が血中で気化し、 その気泡が血管を詰まらせ身体の各部に症状が出る 例)胸痛・関節痛・めまい・呼吸困難・意識障害 |
第一種 衛生管理者の試験対策はどのタイミングで「何」が原因となって発症するかを押さえておくと良いです。
④振動による健康障害
振動による健康障害は全身振動障害と局所振動障害に分類されます。
局所振動障害は削岩機やチェーンソーの長時間使用で発症し、末梢循環障害のレイノー現象(白指症・白指発作)があります。
寒いと発生しやすく、冬季に自覚症状(手のしびれ等の末梢神経障害)が出てを発症という事が多いです。
第一種 衛生管理者の試験では上の短い文章の中から出題されるので非常に簡単です。
抜くところは抜くっても、振動は本当にこれでいいのか?
OK!
また、試験では酸素欠乏の内容で「窒素で満たしたタンク内に入っても5分くらいは窒息しない」という選択肢がよく出ますが…
そんな場所へ行ったら即座に窒息します。選択肢に出ていたら「誤っているもの」です。
これで有害エネルギーの健康障害について材料は揃いました!
第一種 衛生管理者の試験の有害エネルギーのまとめ問題で複数の有害業務を跨いでの出題です。
※金属と化学物質の内容は含まれません。
■問.作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)電離放射線による中枢神経障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率および重症度が線量に応じて増加する。
(2)金属熱は、鉄・アルミニウムなどの金属を溶融する作業などに長時間従事した際、高温により体温調節中枢に障害が出たことにより発症する。
(3)潜水業務における減圧症は、浮上による減圧に伴い、血液中に溶け込んでいた酸素が気泡となり、血管を閉塞したり組織を圧迫することにより発生する。
(4)振動障害は、チェーンソーなどの振動工具によって生じる障害で、手のしびれなどの末梢神経障害やレイノー現象などの末梢循環障害がみられる。
(5)凍瘡は、皮膚組織の凍結壊死を伴うしもやけの事で、0℃以下の寒冷にばく露することで発生する。
正しいものは(4)です。
酸欠の簡単な選択肢、わざと抜いただろ?
ナンノコト…カナ…?
労働衛生(有害業務関連)はここまでです!
衛生管理者-労働衛生 有害:おわりに
ふぅ…終わったか。
健康障害について一気に走り抜けてきましたね。
覚えやすいのと覚えにくいので障害物走みたいだったな。
まーでも身体への影響とかは興味が尽きないから少し面白かったかもな。
そうですねー。
ページ書いてて法令よりはしんどくなかったです。
確かこの次ってまた法令じゃなかったけ。
そーです。
次のは一般の内容で労基法とかなので、有害よりはやりやすいかも…?
…問題の配置もある程度決まってるからページ構成も考えやすいし…
よっしゃ、次行くか。
という事で、第一種 衛生管理者の試験対策のうち、労働衛生(有害業務に関わるもの)はここまでです。
次のページは関係法令(一般業務と共通)です!
■衛生管理者 ページ一覧
①:衛生管理者の概要
②:関係法令-有害業務(前半)
③:関係法令-有害業務(後半)
④:労働衛生-有害業務(前半)
⑤:労働衛生-有害業務(後半) ◀◀ NOW
⑥:関係法令-一般業務と共通
⑦:労働衛生-一般業務と共通
⑧:労働生理(前半)
⑨:労働生理(後半)