このページは高圧ガス移動監視者の検定試験対策のうち、法令・各種基準:保安法の目的・高圧ガスの定義・移動や運搬の基準・タンクローリーと運搬車両の基準:充填容器の基準・非常時の措置について書いています。
- 高圧ガス保安法の目的
- 高圧ガスの定義
- 移動・運搬時の各種基準
- 容器の各種基準
- 移動中における非常時の措置
高圧ガスの勉強の中身のページか。
はいー。
ここでは法令関係と各種基準をやっていきます。
検定試験は20問って話だけど、どのくらいをカバーするの?
このページで半分の10問くらいかな…
んじゃー次の性状とかのページで残りをやる感じだ。
ですねー。過去問とかでも法令系10問、計算・性状10問くらいの計20問でした。
早速、前半戦を始めよーぜ。
検定試験は、実際に受験したものや過去問を見ても以下のパターン(問題の配置)ものでした。
出題 | 区分 | 問題数 |
---|---|---|
問①-⑥ | 法令・基準 | 6 |
問⑦-⑮ | 計算・性状 | 9 |
問⑯-⑳ | 法令・基準 | 5 |
このページでは、検定試験の問1~問6+問16~問20、計11問を攻略していくイメージです。
出題 | 内容・論点 | 問題数 |
---|---|---|
問①-③ | 法令の目的・定義 | 3 |
問④-⑥ | 高圧ガスの移動関連Ⅰ | 3 |
問⑦-⑮ | ※計算・性状※ | 9 |
問⑯-⑱ | 高圧ガスの移動関連Ⅱ | 3 |
問⑲ | 高圧ガス容器・付属品 | 1 |
問⑳ | 非常時の措置 | 1 |
出題される事がだいたい決まってるんなら対策しやすいな。
びっくりするほど毎回、同じような問題が出てますね…
高圧ガス関係法令-目的・定義・数量
【難易度:並】
法の目的
定義・数量
高圧ガス移動監視者
検定突破に向けた勉強方法
法令の目的や高圧ガスの定義と数量などを見ていきます。
検定試験では作問者の人間性を疑う様なひねくれた問題は出てこないので、覚えておけば確実に得点できます。
高圧ガスの試験問題は割と素直で得点しやすいです!
高圧ガス保安法の「目的」
法の目的は検定試験の問1に固定で出題されます。
【高圧ガス保安法 第一条より引用】
高圧ガス保安法 第1条
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0000000204#Mp-At_1
この法律は、高圧ガスによる災害を防止するため、高圧ガスの製造、貯蔵、販売、移動その他の取扱及び消費並びに容器の製造及び取扱を規制するとともに、民間事業者及び高圧ガス保安協会による高圧ガスの保安に関する自主的な活動を促進し、もつて公共の安全を確保することを目的とする。
実際の検定試験では以下のような出題がされます。
問1
次の記述のうち、高圧ガス保安法の目的において、高圧ガスによる災害を防止するために定められている事項として正しいのはどれ?
イ.高圧ガスの輸送を規制すること
ロ.民間事業者による高圧ガスの保安に関する自主的な活動を促進すること
ハ.高圧ガスの輸出量を規制すること
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)ロ・ハ
正解は(2)のロです。
問1の試験対策としては、条文で太字+下線を引いたところを丸暗記してしまいましょう。
これは繰り返しやってりゃ嫌でも覚えるやつだな。
高圧ガスの「定義」
検定試験の問2も固定で高圧ガスの定義を問われます。
【高圧ガス保安法 第二条より引用】
高圧ガス保安法 第2条
この法律で「高圧ガス」とは、次の各号のいずれかに該当するものをいう。一 常用の温度において圧力(ゲージ圧力をいう。以下同じ。)が一メガパスカル以上となる圧縮ガスであつて現にその圧力が一メガパスカル以上であるもの又は温度三十五度において圧力が一メガパスカル以上となる圧縮ガス(圧縮アセチレンガスを除く。)
二 常用の温度において圧力が〇・二メガパスカル以上となる圧縮アセチレンガスであつて現にその圧力が〇・二メガパスカル以上であるもの又は温度十五度において圧力が〇・二メガパスカル以上となる圧縮アセチレンガス
三 常用の温度において圧力が〇・二メガパスカル以上となる液化ガスであつて現にその圧力が〇・二メガパスカル以上であるもの又は圧力が〇・二メガパスカルとなる場合の温度が三十五度以下である液化ガス
四 前号に掲げるものを除くほか、温度三十五度において圧力零パスカルを超える液化ガスのうち、液化シアン化水素、液化ブロムメチル又はその他の液化ガスであつて、政令で定めるもの
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0000000204#Mp-At_2
…なげーよ。表に纏めてくんねーかな…
ハイヨロコンデ!
高圧ガスの定義 | どのガスが | 温度が | 圧力が |
---|---|---|---|
① 圧縮ガス | 毒性の無いガス 酸素 ※②を除く | ・現在温度で ・35℃時点で | 1.0㎫ ≦ 圧力 |
② 圧縮アセチレンガス | 圧縮アセチレンガス | ・現在温度で ・15℃時点で | 0.2㎫ ≦ 圧力 |
③ 液化ガス | 液化ガス | ・現在温度で ・35℃時点で | 0.2㎫ ≦ 圧力 |
特定品目 (特殊高圧ガス) | ④液化シアン化水素 液化ブロムメチル ※危険性が特に高い | ・35℃時点で | 無条件で |
圧力の単位は㎫=メガパスカルと読みます。
高圧ガスの定義 ポイント
・圧縮ガスには酸素を含む
・酸素もガスである事を認識する
・高圧ガスと定義される際の温度
・基本的に現在気温または35℃時点
・圧縮アセチレンだけ現在or15℃時点
・高圧ガスと定義される際の圧力
・0.2㎫を基準、圧縮ガスは0.1㎫
・特殊高圧ガスは危ないので無条件で
実際の検定試験では以下のような出題がされます。
問2
次の記述のうち、正しいものはどれ?
イ.現にその圧力が2.0㎫である圧縮酸素は高圧ガスである
ロ.常用の温度において圧力が0.5㎫の圧縮アセチレンガスで現在温度でも0.5㎫のものは高圧ガスである
ハ.現にその圧力が0.1㎫である液化ガスは高圧ガスである
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)ロ・ハ
正解は(4)のイ・ロです。
出題の傾向から温度よりも「何㎫以上で高圧ガス」という部分を重点に覚えると良さそうです。
これも過去問を繰り返していれば自然と覚える系ですね。
高圧ガスの「移動の監視」数量要件
移動の監視についてはだいたいの過去問で問3として登場します。
移動の監視はガスの「種類×数量」で要否が分かれ、一般高圧ガス保安規則で定められています。
参考リンク:一般高圧ガス保安規則
タンクローリーやバラ積みで運搬する際、移動監視者による監視が必要な量の定義です。
高圧ガスの種類 | 性質 | 監視が必要な数量 | 主な物質名 |
---|---|---|---|
① 可燃性ガス + 酸素 | 毒性なし + 可燃性 | 圧縮ガス:300㎥以上 液化ガス:3,000kg以上 | アセチレン・エチレン 天然ガス・水素 ※1 酸素(酸素は不燃性) |
② 液化石油ガス | 可燃性 | 質量:3,000kg以上 | LPガス (プロパン・ブタン・プロピレン) |
③ 毒性ガス | 毒性あり | 圧縮ガス:100㎥以上 液化ガス:1,000kg以上 | 塩素・二酸化硫黄 アンモニア・一酸化炭素 酸化エチレン |
特殊高圧ガス | ④毒性あり + 可燃性 | 数量に関係なく 監視が必要 | ホスフィン(リン化水素) モノシラン・ジシラン 他4種・計7種 |
表の要点を整理だな。
移動の監視 ポイント
・表の下ほど危険度が高い
・特殊高圧ガスが最も危ないモノ
・監視が必要な数量も危険度の順
・特殊高圧 > 毒性 > 可燃性
・物質名を覚えるのは後からでOK
・物質名は性状の学習をしてからで
実際の検定試験では以下のような出題がされます。
問3
高圧ガスを車両で移動するときの監視について正しい記述はどれ?
イ.ホスフィンを移動する際は数量に関係なく移動監視者の有資格者による監視が必要である
ロ.質量2,000kgの液化水素(圧縮水素スタンド用ではない)の移動には移動監視者の有資格者による監視が必要である
ハ.容積200㎥の一酸化炭素を移動する際に甲種化学責任者免状の保有者に監視させた
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)イ・ハ
正解は(5)のイ・ハです。
物質名も含めてここだけで覚えるのキツくね?
です。ここはざっくり覚えて(一旦流して)性状までやると覚えやすいです。
性状ではどの物質がどう危なくて高圧ガスでの種類分けはこうなる、というのが出てきます。
法令の定義とかはここまでです!
高圧ガス関係法令-各種基準
【難易度:並】
基準
高圧ガス移動監視者
検定突破に向けた勉強方法
移動・運搬の基準や高圧ガス容器の基準などを見ていきます。
各種基準は関係法令の条文で細かく定められていますが、条文のまま覚えるのはとても面倒です。
ここでは共通事項などをまとめながら見ていきます。その後に条文を読むと覚えやすいかもです。
条文だけ読んで基準覚えろってのも面倒な話だよな…
高圧ガスの移動・運搬に関わる共通事項
高圧ガスをタンクローリー・バラ積みで運ぶ際の共通事項を整理します。
検定試験では問4~問6と、問16~問18あたりで出題される内容です。
言葉 | 意味合い |
---|---|
移動 | タンクローリーに取付された 大型のタンクで 高圧ガスを運ぶ事 |
運搬 | トラック等に積載した 中型・小型のボンベ等で 高圧ガスを運ぶ事 |
一般高圧ガス保安規則 第四十九条~五十一条より抜粋し、試験対策に必要なものをまとめます。
基準 | ローリー・バラ積みでの共通事項 |
---|---|
移動監視者 | ①移動監視者は移動の監視をする際、常に免状・講習の修了証を携帯する ・甲 乙 丙種いずれかの化学責任者免状 ・甲 乙種どちらかの機械責任者免状 ・高圧ガス 移動監視者講習の修了証 |
② 携行品 (装備) | ・車両には小型消火器2つ以上と応急措置に必要な資材・工具を携行する ・毒性のあるガスを移動する際、保護具と除害剤・工具を携行する ・携行品は月に1回以上の点検をする |
③ 携行品 (書面) | (イエローカードの携行) 高圧ガスを移動する際、ガスの名称・性状・災害防止についた書かれた書面を 移動中に携帯し、内容を遵守する |
④ 警戒標 | 車両の見やすい箇所に(前後各1枚)警戒標を掲げる ・警戒標のサイズは横幅が車体幅の1/3以上 ・バラ便は積載容量が50ℓ以下(25ℓ容器2本まで)の場合は警戒標いらない |
⑤ 充填容器 | 一般複合容器は刻印※1 の年月から15年以上経過したものを使用しない |
⑥ 温度 | 充填容器または内部のガスの温度は40℃以下に保つ |
⑦ 表示 | 容器のバルブやコックは開閉方向と開閉状態を外部から容易に識別可能にする |
⑧ 点検 | ・移動の開始時・終了時とも異常の有無を点検する ・異常がある場合は必ず措置を講ずる |
移動の経路 | ⑨移動の経路は繁華街・人混みを避ける ※著しく遠回りの場合は通っても良い |
悪路の走行 | ⑩凹凸の多い道路を走行した後は一旦停止し積載状況・バルブの緩みを確認する |
運転の交代 | ⑪次の場合は車両1台に運転者2人を乗務させ、交代して運転する ・1人の連続運転時間が10分以上かつ4時間を超えて30分の休憩を挟まない場合 ・1人の運転者の運転時間が1日9時間を超える場合 |
駐車 | ⑫・建物の2F以上への駐車不可、運転者はやむを得ない場合以外は車両を離れない ・坂道での駐車は必ず車輪止めを使用する |
⑪は危険物の法令と運行管理者でも同じのが出たな。
項目は結構ありますが、難解なものはなさそうですね!
タンクローリーでの高圧ガスの移動
タンクローリーで高圧ガスを移動する際の基準をまとめます。
共通事項と同じく、検定試験では問4~問6と、問16・問17あたりで出題される内容です。
一般高圧ガス保安規則 第四十九条より抜粋し、試験対策に必要なものをまとめます。
項目 | ローリーでの移動と容器・車体の設備等に関する基準 |
---|---|
① 防波板 | 高圧ガスの充填容器の内部に防波板を設けて液面揺動を防止する =タンクコンテナ・継目なし容器は対象外 |
② 高さ検知棒 | 容器の地盤面からの高さが車両の最も高い部分(主にトラクタヘッド)より 高い場合、高さ検知棒を設ける |
バルブ類の位置 | ③容器へ高圧ガスの送出・受入時に使用する容器元弁(バルブ)の位置により… 1.バルブ類が容器後方にある場合:車両の後ろバンパから40㎝以上離す 2.バルブ類が容器後方以外にある場合:車両の後ろバンパから30㎝以上離す 3.バルブ類が操作箱(※次項)内にある場合:車両の後ろバンパから20㎝以上離す |
④ 操作箱 | バルブ類や操作機器が容器から突出している場合、操作箱の中に収納する 操作箱は車両の右側面以外に設置する |
緊急遮断装置 | ⑤高圧ガスの送出中、弁やホースの破損等で漏出する場合は離れた場所から操作 タンクローリー運行中は緊急遮断装置を必ず閉止の状態で運行する |
⑥ 温度計 | 温度の検出部は容器内の液相部に取付する |
圧力計 | ⑦圧力計は容器の内圧を知るためのもの ブルドン管式の圧力計を容器内の気層部に取付する |
⑧ 液面計 | 容器に付属する液面計は差圧式の物を採用し耐圧部分ににガラス・合成樹脂など 損傷しやすい材料は使用しない |
⑨ アースコード | 液化ガスも運搬中に液面が揺動する事で静電気を蓄積する 荷卸し先でガスを送出する前に必ずアースコードを接地し静電気を放電する |
⑩ 配管 | 液やガスの配管はマフラなど熱い部分から20㎝以上離すか防熱措置を講ずる |
ローリーの容器や設備については初見の事も多いが、その分面白いなコレ。
実際の検定試験では以下のような出題がされます。
問4~6
タンクローリによる高圧ガス(液化石油ガスを除く。)の移動に関する記述で正しいのはどれ?
イ.液化ガスの温度は常に40℃以下に保つこと
ロ.充填容器等にはガラス等の損傷しやすい材料を用いた液面計を使用しないこと
ハ.後部取出し式容器以外の容器にあっては容器の後面と車両の後ろバンパの距離が30㎝以上となるようにしていること
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)イ・ロ・ハ
正解は(5)のイ・ロ・ハです。
まずは共通事項を押さえてからローリーの基準やバラ積みの基準を見ていくと良さそうです。
共通事項をしっかり覚えないと何気に難しいかもです。
もう一問やってみます。検定試験の後半で少し難しいバージョンが出題されます。
問16~18
タンクローリによる高圧ガスの移動に関する記述で正しいのはどれ?
イ.液化酸素を移動するとき、運転者は当該ガスの名称・性状および移動中の災害防止のために必要な注意事項を記載した書面を携行し遵守する必要がある
ロ.容器に設けたバルブは開閉方向を外部から容易に識別できるよう措置を講じた
ハ.質量3,000kgの液化酸素を移動するとき、移動監視者の有資格者による監視は不要である
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)イ・ロ・ハ
正解は(1)のイです。
ハ.については、このページで最初の方に出てきた「数量」ですね。
こうやって複合問題になると結構難しく感じるな。
侮るなかれ、です!
バラ積みでの高圧ガスの移動
バラ積みで高圧ガスを運搬する際の基準を整理します。
検定試験では問4~問6と、問16~問18あたりで出題される内容です。
一般高圧ガス保安規則 第五十~第五十一条より抜粋し、試験対策に必要なものをまとめます。
項目 | バラ積みでの積載・運搬に関する基準 |
---|---|
容器の保護 (共通) | ①内容積が5ℓ超の充填容器はバルブ損傷防止の措置を講ずる 1.プロテクター・キャップ等を取付する 2.ゴム製・布製のマット等で緩衝しボンベに衝撃を与えない |
容器の保護 (毒性ガス) | ②毒性ガスの充填容器は木枠またはパッキンを施し保護する |
③ 容器の積み方 | 圧縮ガスの充填容器は横積みを原則とする ・立積みまたは斜め積み:アセチレン・液化塩素・液化炭酸ガス |
④ 容器の位置 | 充填容器の後端は車両の後ろバンパから30㎝以上離す |
⑤ 充填の限界 | 充填容器に高圧ガスをフル充填ではなく10-15%は空間を残して充填 |
混載禁止 | ⑥以下の組合せでの混載をしない 1.120ℓ以上の酸素またはアセチレンと危険物乙4類 2.塩素とアセチレン・アンモニア・水素 |
バルブの向き | ⓻可燃性ガスと酸素の充填容器はバルブを互いに向き合わせない |
バラ積みは容器に関する基準が多くて、他は共通事項を見とけって事か。
実際の検定試験では以下のような出題がされます。
問4~6
高圧ガスの充填容器等(液化石油ガス用を除く。)を車両に積載しての移動に関する記述で正しいのはどれ?
イ.5ℓ超の充填容器には転落・転倒等による衝撃およびバルブの損傷を防止する措置を講じた
ロ.塩素の充填容器と水素の充填容器を同じ車両に積載して移動した
ハ.可燃性ガスの充填容器と酸素の充填容器を同じ車両に車両に積載し、互いのバルブが向き合っていた
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ロ (5)イ・ロ・ハ
正解は(1)のイです。
バラ積みの基準に限れば、理解する事も少ないですね!
もう一問やってみます。検定試験の後半で少し難しいバージョンが出題されます。
問16~18
高圧ガスの充填容器等を車両に積載しての移動に関する記述で正しいのはどれ?
イ.毒性ガスの充填容器を急停車・衝突などの衝撃に備えて木枠またはパッキンで固定した
ロ.塩素とアンモニアそれぞれの充填容器を同じ車両に積載し、バルブを互いに向き合わないようにした
ハ.アセチレンの充填容器(47ℓ)を立積みにして移動した
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ハ (5)イ・ロ・ハ
正解は(4)のイ・ハです。
これ複合問題になってないぞ。
そーいう時もあります。過去問だと後半の問題はだいたいが複合問題ですね。
バラ積みはここまでです!
高圧ガス充填容器に関する基準
【難易度:並】
充填容器
高圧ガス移動監視者
検定突破に向けた勉強方法
ここからは高圧ガスの充填容器に関する内容です。
容器については細かいことを覚えるより基本的な部分をざっと把握しておく位で大丈夫です。
こまけぇこたぁいいんだよってやつか。
高圧ガス充填容器の種類
高圧ガス充填容器は大きく2種類に分かれます。
容器 | どういうモノ |
---|---|
溶接 容器 | 金属を溶接して 繋ぎ合わせた容器 強度は弱め |
継目なし 容器 | 金属製で 溶接部のない容器 強度は強い |
溶接容器・継目なし容器のサイズ感と用途などを見てみます。
容器の サイズ | 溶接容器 | 継目なし 容器 |
---|---|---|
大型 容器 | ローリー容器 タンク貨車用 高圧ガスの他 色々なモノ が入る | 大きいものは 造れない | -
中型 容器 ・ 小型 容器 | 中型ボンベ (5~120ℓ) 蒸気圧の低い アセチレン LPガス などを充填 | 小型ボンベ (1~50ℓ) 蒸気圧の高い 水素 窒素 などを充填 |
ボンベもガスの種類で使い分けてるのは知らんかったな。
高圧ガス充填容器の刻印
高圧ガス充填容器の刻印について理解します。容器関連では一番重要なポイントです。
刻印の意味を表に落とします。
表示項目 | 記号 | 単位 | 刻印の意味 |
---|---|---|---|
内容積 | V | ℓ | 47.0ℓ 容器の容量 |
容器の 質量 | W | kg | 17.1㎏ 容器の重さ (付属品含まず) |
記号番号 | - | - | 固有の 管理番号 |
合格年月 | - | - | 14年8月 耐圧試験 合格年月 |
耐圧試験 圧力 | TP | ㎫ M | 3.0M(㎫) 試験した 圧力 |
最高充填 圧力 | FP | ㎫ M | 2.5M(㎫) 充填可能な 最大圧力 |
他にも刻印されている情報はありますが、容器のメーカー番号や所有者番号なので検定試験対策ではこれらは無視して良いです。
容器の刻印とか考えた事なかったが、意味として理解しやすいな。
高圧ガス容器の表示と塗色
高圧ガス充填容器の塗色と表示されるマークについて覚えます。
高圧ガス充填容器は「何を入れるか」によって表面積の1/2以上を決められた色に塗るよう定められています。
また、ガスの性質によって可燃性ガスは「燃」・毒性ガスは「毒」、両方なら「燃・毒」と表示します。
高圧ガス 種類 | 容器 塗色 | 「燃」 表示 | 「毒」 表示 |
---|---|---|---|
酸素 | 黒色 | ||
炭酸ガス | 緑色 | ||
水素 | 赤色 | 白字で 「燃」 | |
アセチレン | 褐色 | 白字で 「燃」 | |
液化 アンモニア | 白色 | 赤字で 「燃」 | 黒字で 「毒」 |
液化塩素 | 黄色 | 黒字で 「毒」 | |
その他 | 灰色 | ※ | ※ |
過去問で水素・アセチレン・アンモニア・塩素の塗色と表示は非常に良く出題されていました。
これ、ガスの性状が判れば表示を覚えるまでもないよな?
そーです。なので性状をやってからなら楽勝です!
検定試験 問19(容器関連)対策
前項の高圧ガス容器の表示と塗色までで、容器関連については検定試験対策の材料が揃いました。
過去問でも長い間、問19に固定で容器関連の内容が出題されています。
問19
高圧ガスの容器に関する記述で正しいのはどれ?
イ.容器の表面積の1/2以上を赤色に塗った容器は、水素ガスの容器である
ロ.容器に刻印する記号のうち「V」は内容積、「TP」は最高充填圧力、「FP」は耐圧試験における圧力を表している
ハ.毒性ガスは白字で「毒」の文字を容器に表示する
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ハ (5)イ・ロ・ハ
正解は(1)のイです。
これは流石に簡単すぎだろ…
おっさんが余裕をかましているので、もう一問やってみます。
問19
高圧ガスの容器に関する記述で正しいのはどれ?
イ.容器の表面積の1/2以上を黄色に塗った容器は、液化塩素の容器である
ロ.容器に刻印する記号のうち「V」は内容積を表す
ハ.家庭や一般業務用のLPガス容器には継目なし容器が使用されるのが一般的である
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ハ (5)イ・ロ
正解は(5)のイ・ロです。
こんな感じで容器関連の問19は割と難易度が低く得点源にしやすいです。
こりゃ点取り問題にできるな。
問19は正解しやすいので、計算問題を捨ててこっちを確実にという戦術もアリです!
容器関連はここまでです!
高圧ガス移動中 非常時の措置
【難易度:易】
非常時の措置
高圧ガス移動監視者
検定突破に向けた勉強方法
高圧ガスを移動・運搬中に事故が起きた等の措置です。
ガス漏れなどの非常事態が発生した際のルール等で一般常識的な内容も含みますが、検定試験では問20に固定で出題されます。
備えよ常に、です!
高圧ガス 非常時の通報
何か起きたら先ず通報ですね。画像は和歌山県の通報の経路図です。
第一通報:警察と消防
第一通報先は警察(110)と消防(119)です。
運転者のスマホが破損した等で通報できない場合は通行人など第三者に頼んでも良いです。
イエローカードを見るなりして正確な情報を速やかに伝える必要があります。
第二通報:会社と防災事務所
第二通報先は所属会社と管轄の防災事業所です。
防災事業所は高圧ガス輸送中に災害が発生した場合に「共同して対応する組織」として各都道府県に組織されています。
各都道府県の「高圧ガス地域防災協議会」の傘下組織です。
参考リンク:高圧ガス防災事業所について(埼玉県)
防災事務所は会社の配車マンとかが把握してんだよな…?
してなきゃダメでしょーね。
非常時の措置:車両の移動と人身被害の抑止
非常時の具体的な措置等について見ておきます。
高圧ガスを積載した車両から漏出が多いか少ないかで対応が変わります。
ガス漏れ | 車両は | なぜ? |
---|---|---|
多い | 移動しない | 被害範囲を 拡大させない |
少ない | 安全確認後に 移動する | 被害を 最小限に留める |
ローリーの容器に孔が開いた等でガスの漏れが多い場合、下手に動いてガスを拡散させるよりはその場に留まる、という考え方です。
当たり前っちゃ身も蓋も無いが、行動の基準があるのは良い事だ。
人身被害の抑止
高圧ガスが大量漏出した場合、人身被害の抑止・拡大の防止を目的として以下の措置をとります。
高圧ガス大量漏出時の措置
(人身被害の抑止)
・負傷者の救出と救急手当
・ガスの性状と人体への影響を把握
・解毒の方法等を把握
・避難指示
・風下地区の住民への警告
・風上への避難を誘導
・交通規制
・火気制限(可燃性ガス漏出の場合)
ガスの性状を知っていれば応急救護もしやすいですね。
非常時の措置:作業者の保護と退避
高圧ガスの大量漏出時は、負傷者の救護と近隣住民への避難誘導を優先します。
そのうえで措置を行う作業者(=車両の運転者)の身の安全も確保します。
高圧ガス大量漏出時の措置
(措置作業者の保護)
・適切な保護具の着用
・空気呼吸器
・保護衣+ゴム手袋+ゴム長靴
・作業は必ず風上側で行う
・風下側はガス吸入や曝露の恐れ
これで収まりゃいいんだが…
作業が難航し作業者の身も危険な状況となる場合、以下の手順を踏んで退避(撤収)します。
退避(撤収)前の確認とルール
(退避前にする事)
・付近住民の避難完了を確認
・赤旗やロープで危険区域を明示
・消防と警察へ避難先を伝える
(残置する車両への措置は…)
・イエローカード等の書類は持出す
・サイドブレーキを確実に施す
・車輪止めを確実に施す
・エンジン停止を確認
・鍵は車内に残す
枠内には人として・運転者として当たり前の事しか書いてありませんが、非常時には当たり前の事が出来ないので確認しておきましょう。
いよいよ自分も危なくなったらキリつけて撤収だな。
付近住民より先に逃げちゃダメですよ!
検定試験 問20(非常時の措置)対策
非常時の措置については検定試験対策の材料が揃いました。
過去問では長い間、問20に固定で非常時の措置に関する内容が出題されています。
問20
高圧ガス移動中の非常時における措置に関する記述で正しいのはどれ?
イ.液化ガスが大量に漏えいしたので、速やかに所属会社へ第一通報を行った
ロ.車両運転者および移動監視者は非常時を想定し、輸送するガスの人体に対する影響や応急手当の方法を知っておく必要がある
ハ.移動する際は非常時の通報を円滑にする為、ガス名・所属会社などを記入した緊急連絡先カードを数枚携行した
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ハ (5)ロ・ハ
正解は(5)のロ・ハです。
これは一般常識レベルだよな。
もう一問、答えを伏せてやってみましょう。
問20
高圧ガス移動中の非常時における措置に関する記述で正しいのはどれ?
イ.非常時の初期措置で警察・消防への第一通報が遅れそうだったので、通行人に通報を依頼した
ロ.液化塩素が大量に漏れたので周辺住民を風下への避難指示を出した
ハ.可燃性ガスの漏洩で運転者が退避する際に車のキーを持ち帰った
(1)イ (2)ロ (3)ハ (4)イ・ハ (5)ロ・ハ
こたえ
正解は(1)イ.です。
ロ.ガスは風で拡散するので風下への非難は危険です。
ハ.運転者が退避する際は車のキーはつけたままにし、事後すぐに車を動かせるようにしておきます。
これも判っておけば何てことはねーな。
問20もオイシイ得点源です!
法令・基準の学習内容はここまでです!
高圧ガス移動監視者の検定対策は過去問中心で①
誰でも取れると言われる高圧ガス移動監視者だけど、以外に難しいよな。
ですねー。誰でも取れると言われるのは講習で試験範囲の提示ありきだから…
じゃあこのサイトで試験範囲を把握できるし講習は寝ててもいーか?
良いかもですねー…(白目
まあ過去問は何回かやって出てくる言葉とかに慣れといた方がいいですね。
過去問をやる時のコツとかある?
どーだろ。ベタだけど教本で出てこない言葉や言い回しをしていたら繰り返し読んで違和感の正体を突き止めるとか?
確かに問題読んで最初の「何だコレ?」ってのは大事だな。
そーです。なのでこのページで軽く慣らしてから過去問やると良いかもですよ!
高圧ガスの法令・基準はここまでです。
お疲れさまでした!
次のページでは計算問題と高圧ガスの性状について見ていきます。この2ページで高圧ガス移動監視者の試験対策は完成します。
■高圧ガス移動監視者 ページ一覧
①:高圧ガス移動監視者の概要
②:高圧ガス-法令・基準 ◀◀ NOW
③:高圧ガス-計算・性状
④:過去問-令和5年度 第2回
⑤:過去問-令和5年度 第3回
⑥:過去問-令和5年度 第4回
⑦:過去問-令和6年度 第1回
⑧:過去問-令和6年度 第2回
⓽:過去問-令和6年度 第3回