危険物乙2-混合物:固形アルコール等の引火性固体 貯蔵取扱・消火方法

危険物 第二類(乙2)指定物質の引火性固体:固形アルコール・ゴムのり・ラッカーパテの性状・取扱い・消火に関するページです。

このページで出てくる物質は・・・
  1. 固形アルコール
  2. ゴムのり
  3. ラッカーパテ

※貯蔵や消火はほぼ乙4と同じと見ておくと判りやすいです。

おっさん

引火性固体って随分とアバウトだな…

でぃでぃ

危険物第2類 可燃性固体に属する引火性固体とか訳がわからなくなりますね…

おっさん

要は固形燃料とか「乙4物質の混ぜ物」で、固体だから乙2って理解でいいんかな?

でぃでぃ

それ、キレイにまとまってて良いと思います。

おっさん

こないだソロキャンプした時に固形アルコール使ったのを思い出したんだ。

でぃでぃ

そ、そうなんですね…

でぃでぃ

…おっさんのソロキャンプとか色々な意味で大丈夫なのか心配ですねぇ…

INDEX

危険物乙2 引火性固体の概要

【乙2 可燃性固体】
引火性固体

物質概要
危険物乙2 試験に向けた覚え方

このページの本編に入る前に物質の基本情報を確認します。

基本情報:金属粉類
  • 可燃性の固体
  • 有機物である※1
  • 火気厳禁
  • 貯蔵は酸と隔離
  • 日光を避けて冷暗所に保管
  • 容器は密栓する
  • 水・泡系の消火が有効※2
  • 窒息消火が有効
補足:金属粉類

※1:分子中に炭素(C)を持つ乙4物質を含んでいる

※2:燃えている物の賞味は乙4物質なので水・泡が使える

固形アルコール について

固形アルコールはエタノールやメタノール(どちらも乙4物質)を凝固剤で固めたもので、常温で可燃性蒸気を発している。

メジャーなものは旅館や料亭でお一人様鍋の下で燃やす燃料やキャンプ用の燃料など。

農業では果物の追熟や柿の渋抜きなどにも使われる。

日本から海外へ果物を輸出する際、熟していないものと一緒に固形アルコールを入れたら到着時に良い感じに熟しているとか何とか…

【関連物質】
乙4:アルコール類

ゴムのり について

ゴムのりは生ゴムをベンジンやベンゼン(乙4物質)などの石油系溶剤に溶かしてのり状にしたもの。

ベンゼンなどの毒性をそのまま持っているので人体に有害、蒸気を大量に吸入すると頭痛・眩暈・貧血などを起こす。

主な使われ方はタイヤのパンク修理など。

【関連物質】
乙4:ベンゼン

ラッカーパテ について

ラッカーパテは樹脂・ニトロセルロース(乙5物質)・トルエンなどの溶剤(乙4物質)の混合物で、溶剤が揮発すると固まる。

トルエンの蒸気にも毒性があり、過ぎすぎると有機溶剤中毒になる。トルエンは消防法とは別に毒物劇物取締法で劇物に指定されている。

主な使われ方はプラモデルのパーツの傷埋めや改造、鋳造表現など。これを書いているとガンプラを作りたくなるのは気のせいだろうか…?


【関連物質】
乙4:トルエン
乙5:ニトロセルロース

おっさん

なんか引火性固体だけ乙2物質で毛色違いすぎねーか?

でぃでぃ

まー乙4物質を固めたモノたちですからね。

危険物乙2 引火性固体の性状

【乙2 可燃性固体】
引火性固体
性状
危険物乙2 試験に向けた覚え方

危険物 第二類(乙2)物質の引火性固体:固形アルコール・ゴムのり・ラッカーパテの性状を見ていきます。

引火性固体は何かに溶かすようなモノでもないので、溶解性や反応性は項目として出てきません。

でぃでぃ

引火性固体は試験でも1問出るか出ないかの微妙な存在なんですよね…

引火性固体の性状①物質の要約

引火性固体の概要を更に要約すると以下となります。

スクロールできます
物質名どういうモノ
固形アルコールメタノールorエタノールと凝固剤の混合物
ゴムのり生ゴムをベンジンorベンゼンに溶かしたもの
ラッカーパテ樹脂・ニトロセルロースなどをトルエンに溶かしたもの
引火性固体 モノの概要

引火性固体は混合物なので、化学式という概念もないです。

過去問で出た内容を再現してみます。

過去問での出題例

固形アルコールはアルコールと樹脂などの化合物?

答え:混合物。化合物は化学的に結合したものだが、混合物は混ぜただけ

おっさん

一応は性質の問いではあるか…

引火性固体の性状②数値系と特記事項

固形アルコール・ゴムのり・ラッカーパテの性状から、数値系・特記事項を見ていきます。

スクロールできます
物質名比重引火点特記事項
固形アルコール0.8<40℃密閉して貯蔵しないとアルコールが蒸発する
ゴムのり常温蒸気は有毒
人体に悪い
ラッカーパテ1.4常温蒸気は有毒
有機溶剤(トルエン等)滞留すると爆発
引火性固体 モノの概要

アルコールはもともと比重が1より小さく、固形アルコール(混合物)でも水より軽い。

過去問で出た内容を再現してみます。

過去問での出題例

引火性固体は常温(20℃)では可燃性蒸気を発生する事はない?

答え:発生する。だから引火点が<40℃や常温といった表記となる

おっさん

引火性固体ってガチで教科書類にもほとんど書かれてないんだよな…

でぃでぃ

数値は固形アルコールの比重と引火点だけ覚えれば十分!

危険物乙2 引火性固体の貯蔵取扱・消火方法

【乙2 可燃性固体】
引火性固体
貯蔵取扱
消火方法
危険物乙2 試験に向けた覚え方

危険物 第二類(乙2)物質の引火性固体:固形アルコール・ゴムのり・ラッカーパテの貯蔵取扱・消火方法を見ていきます。

引火性固体の内訳は乙4物質なので、それに準じた扱い・対応をすれば良いです。

でぃでぃ

ここは乙4の復習がてらに…?

引火性固体の貯蔵・取扱い

引火性固体の貯蔵は「反応しそうな物質と近づけない」のがお約束です。

適切:引火性固体
  • 通風・換気の良い冷暗所
  • 容器は密栓する

(乙4と同じ扱いを考えるなら…)

  • 貯蔵施設は防爆構造
  • 低所に蒸気を滞留させない
不適切:引火性固体
  • 火気厳禁
  • 加熱・衝撃・摩擦
  • 静電気などの点火源

引火性固体は可燃性蒸気が出す事が要点なので、その対処ありきで考える。

過去問で出た内容を再現してみます。

過去問での出題例

引火性固体は着火すると燃焼熱で可燃性蒸気が出続ける事で燃焼が継続する?

その通り。ここで押さえたいのは燃焼の仕方が乙4と同じ「蒸発燃焼」である事

おっさん

ここだけ見てると乙4をもう一回やってる気分になるな…

危険物乙2 引火性固体の消火方法と消火剤

危険物 第二類(乙2)物質の引火性固体:固形アルコール・ゴムのり・ラッカーパテの消火方法を見ていきます。

基本:引火性固体の消火
  • 水・泡系で冷却消火※1
  • 岩・砂での窒息消火※2
  • 粉末消火剤:炭酸水素塩類
  • 不活性ガス
  • 二酸化炭素
  • ハロゲン化物
  • 粉末消火剤:リン酸塩類
補足:引火性固体の消火

※1:燃焼は蒸発燃焼なので水・泡系が使える

※2:膨張真珠岩・膨張ひる石・乾燥砂

乙4で水系がダメなのは水で液面が流動する事からでしたが、乙2は固体なのでOKです。

過去問で出た内容を再現してみます。

過去問での出題例

引火性固体の消火方法は二酸化炭素と泡消火剤が有効?

有効。乙4ではCO2:有効、泡:モノによる だったが、乙2はどちらもOK

おっさん

殆ど何でもOKなんだな。

でぃでぃ

どの物質もこのくらい消火しやすければ良いんですけどね。

危険物乙2 引火性固体の試験対策

このページで出てきた内容から試験対策に使える疑似問題を作ってみました。

問題右端の+ボタンで答えが出てきます。

問1
引火性固体について間違いの数は?
 ①.固形アルコールが該当する
 ②.ゴムのり・ラッカーパテが該当する
 ③.燃焼のしかたは表面燃焼である
 ④.貯蔵に制限はなく屋外に置いても良い
 ⑤.消火に乾燥砂での窒息消火は有効

間違っているのは2つ、③④でした。

問2
固形アルコールについて正解の数は?
 ①.メタノールと凝固剤の化合物である
 ②.40℃未満で自然発火する
 ③.容器の蓋は閉めない
 ④.膨張真珠岩での窒息消火は有効
 ⑤.二酸化炭素での窒息消火は有効

正しいのは2つ、①②③は間違いです。

問3
ゴムのり・ラッカーパテの間違いはどれ?
 ①.蒸気を吸入すると人体に有害
 ②.燃え方は蒸発燃焼
 ③.蒸気が滞留すると爆発の危険性がある
 ④.ハロゲン化物での消火は有効
 ⑤.リン酸塩類での窒息消火は有効

間違いは⑤、正しくはリン酸塩類での消火はNGです。

おっさん

これは先に乙4取った人は楽勝だよな。

でぃでぃ

そーだと思います。このページは書くのがとっても楽でした。

危険物 第二類(乙2)の物質で指定されている引火性固体:固形アルコール・ゴムのり・ラッカーパテについてはここで一区切りです。

でぃでぃ

お疲れさまでした!

危険物 第二類(乙2)ページ一覧
①:第二類の概要
②:赤リン・硫黄
③:硫化リン
④:金属粉類
⑤:引火性固体 ◀◀ NOW

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