このページでは危険物 第三類(乙3)のカテゴリトップページです。まずは概要を書いていきます。
このサイトで実験動画とか作って載せるんだっけ?
いいえ、動画編集とかわたし達にとっては未知の領域じゃないですかw
まあ危険物乙3だったら勉強の前後で実験動画を見ておくとイメージ着きやすいな。
そういう意味でタイトル付けしてみました。
で、乙3は持ってると仕事や求人にメリットあるかね?
正直、乙3だけだと限定的ですね。他の化学系資格の踏み台にするのとかはアリかな…
危険物取扱者 乙種第三類(乙3)の資格を取得するメリットは・・・
どっちかっつーと勉強の下積みとか苦手克服に使える感じか。
ですねー。わたしも乙3の後で毒劇(毒物劇物取扱者)試験を受けたら一発合格でした。
危険物乙3 自然発火性・禁水性物質の概要
資格概要
危険物乙3って何なの?的な事
危険物乙3、正しくは「乙種第3類 危険物取扱者」で歴とした国家資格です。
試験に合格し、免状の交付を受ける事で消防法で定めている危険物 第二類の指定物質の取扱等が可能となります。
危険物取扱者 乙3 | 情報 |
---|---|
試験実施 | 全国 頻度は県により異なる |
制限時間 ※科目免除※ | 35分 |
問題数 ※科目免除※ | 10問 |
回答方式 | 5択マークシート |
合格基準 | 正答率60% |
合格発表 | 受験日から 概ね1か月後 |
合格率 ※参考値※ | 70%前後 |
乙3も科目免除なら約7割が合格してるのか。
まあ性状と消火の10問分だけなので学習範囲も狭いですね。
そうなると教科書も「薄い本」みたいなんかな。
市販の教科書は科目免除の人向けで乙1・乙2・乙3・乙5・乙6がセットになったのが多いです。
…「薄い本」って別の意味じゃないよね…
危険物乙3の必須科目:性状・消火
危険物 第三類(乙3)の資格取得では「性状・消火」の科目は受験必須です。
問題数は10問であるのに対し、12区分・15種類以上の物質の性質・数値・貯蔵・取扱・消火を把握する必要があります。
- カリウム
- ナトリウム
- アルキルアルミニウム
- アルキルリチウム
- 黄リン
- アルカリ金属・アルカリ土類金属
- 有機金属化合物
- 金属の水素化物
- 金属のリン化物
- カルシウムまたはアルミニウムの炭化物
- その他 政令で定めるもの
- ※前各号のいずれかを含有するもの
参考リンク:消防法 別表第一(指定物質一覧)
- 自然発火性:空気中で勝手に燃える
- 禁水性:水と反応して発熱し発火に至る
ほとんどの乙3物質が自然発火性と禁水性を併せ持っていて、当サイトではほどほどに物質をグループ分けして攻略していきます。
グルーピング大事!
危険物乙3 自然発火性・禁水性物質の性状と消火
自然発火性
禁水性
危険物 第三類(乙3)自然発火性・禁水性物質の性状・消火について内訳を整理します。
乙3試験の科目:性状・消火では、「物質について」を以下3つのカテゴリーに分けて理解していく事になります。
乙3物質の性状・消火
①性状:基本的な性質や数値系
・固体か液体か
・外観(色)と重さ(比重)
・毒性や腐食性
・特記事項となる性質
②貯蔵・取扱:貯蔵時のお作法など
・適した貯蔵環境やNG事項
・保護液や不活性ガスの使用有無
③消火:消火方法や消火剤の適不適
・適した消火方法のパターン
・消火剤の適不適
・不適なものは何故、不適であるか
乙3も貯蔵・消火はある程度パターン化してるんかな?
です。だから重点的に理解するのは物質の性状ですね。
自然発火性・禁水性物質の性質と数値
【乙3:自然発火性・禁水性】
性状
試験対策の前に共通事項を把握
危険物 第三類(乙3)物質に共通する性状などを。
乙3物質は大まかに「黄リン・それ以外」という分け方ができます。
黄リンか…
- 自然発火性の固体
- 禁水性ではない
- 水没させて保存※1
- 水での消火が有効
※1:乾くと自然発火するので水没させて常に濡れた状態で保存
それ以外か…
- 自然発火性+禁水性※2
- 固体または液体
- 有機物または無機物
- 水分を避けた貯蔵方法
- 窒息消火で消火する※3
- 水・泡系での消火はNG※4
※2:リチウムは乾燥した空気中では自然発火せず、自然発火性物質ではない
※3:砂・岩・粉末消火剤(炭酸水素塩類)で対応する
※4:水を使うとガスが発生して危険なので使用不可
各物質の細かい部分はそれぞれのページで見ていきますので、まずは「黄リン・それ以外」を押さえましょう。
試験では以下のような文言で出題されます。
試験問題の選択肢
第三類に指定されている危険物は全てが禁水性と自然発火性を併せ持っている
これは間違いです。
黄リンは禁水性ではなく乙3物質の全てではありません。
俺か、俺以外か。みたいだな。
語感は似てるけど…
自然発火性・禁水性物質の貯蔵・取扱方法
【乙3:自然発火性・禁水性】
貯蔵・取扱
試験対策の前に共通事項を把握
危険物 第三類(乙3)物質の貯蔵・取扱い方法です。
性状と同じく貯蔵・取扱いについても「黄リン・それ以外」に分けてから考えると良さそうです。
黄リンか…
- 水没させて保存
- 酸・アルカリと隔離
- ハロゲン・硫黄と隔離
- 容器は密栓する
- 日光を避けた冷暗所
- 乾く
- 反応する物質と接触
それ以外か…
- 水・湿気を遮断して保管
- 不活性ガスの充填
- 容器は密栓する
- 日光を避けた冷暗所
(反応性の高いものは)
- 保護液中に保存
- 容器へ不活性ガスの充填
- 水分や湿気に触れる
- 高湿に曝される
- 空気と接触
- 酸と接触
- ハロゲン・アルコールと接触
保護液と不活性ガスの具体的な物質は…
- 黄リンの保護液:水
- 黄リン以外の保護液:灯油・鉱油等の油
- 不活性ガス:窒素・アルゴンガス
試験では以下のような文言で出題されます。
試験問題の選択肢
黄リンは灯油を入れた容器の中に沈めて蓋を密栓して保管する
これは間違いです。黄リンは水に沈めます。
もう一例、出してみます。
試験問題の選択肢
カリウムと一緒に油を保護液として容器に入れ、容器内の空き部分にハロゲンガスを充填する
これも間違いです。ハロゲンガスでなく不活性ガスです。
危険物 第三類(乙3)物質は全てがハロゲンとは危ない反応をするので、性状を理解していれば貯蔵で間違える事も無いですね。
結局は性状を押さえた上で…
黄リンか、それ以外か。です!
自然発火性・禁水性物質の消火方法と消火剤
【乙3:自然発火性・禁水性】
消火
試験対策の前に共通事項を把握
危険物 第三類(乙3)物質の消火方法です。
消火方法は完全に「黄リン・それ以外」で分けてしまって良いです。
黄リンか…
- 噴霧・注水で冷却消火
- 湿った砂で埋める※1
- 乾燥砂・膨張真珠岩など
- 二酸化炭素
- ハロゲン化物※2
- 粉末消火剤
※1:砂は乾燥していると意味がないので水を含ませて湿らせたものを使う
※2:ハロゲン化物は黄リンと反応するのでNG
それ以外か…
- 窒息消火
- 乾燥砂・膨張真珠岩など※1
- 粉末消火剤:炭酸水素塩類
- 水・泡系全て※2
- 二酸化炭素
- ハロゲン化物※3
- 粉末消火剤:リン酸塩類
※1:砂は乾燥したものを使用。湿っていると水分で水素ガスが発生する
※2:金属が水と反応し水素を発生したり有毒な水酸化物を生成する
※3:ハロゲン化物は反応するのでNG
やはり性状の水NGか・そうでないか、というところから来ています。
試験では以下のような文言で出題されます。
試験問題の選択肢
カリウムが自然発火したので大量注水で消火する
これは間違いです。カリウムは水と反応して水素を発生するので災害の拡大に繋がります。
もう一例、出してみます。
試験問題の選択肢
黄リンが自然発火したので大量注水で消火する
これは正しいです。黄燐は濡れていれば発火しないので、燃えたら水です。
水での消火の是非としては真逆だな。
同じ乙3物質なのに、ですね。
危険物乙3 自然発火性・禁水性物質の各物質のページへ
【乙3:自然発火性・禁水性】
物質各論
ページ案内
当サイトでは性状などが似た物質をある程度グループ分けして効率良く勉強できるようにしています。
独自の分け方をしているものは見出しを赤字にしています。
同じようなのは纏めて攻略!
黄リン
実験動画などでダントツの人気(?)を誇る黄リンです。
黄リンは乙3物質の中で唯一「何をするにも水が必要」なので、これはマストで覚えておきましょう。
- 黄リン
関連物質で真っ先に出てくるのは乙2の赤リンだったなぁ。
アルカリ金属等
アルカリ金属・アルカリ土類金属を1ページに纏めています。
乙3物質では黄リン「以外」の勉強で基本となるものなので、確実に理解しましょう。
- カリウム
- ナトリウム
- リチウム
- カルシウム
- バリウム
乙3だけでなく多くの危険物を考えるベースにもなる物質です。
金属化合物(固体)
金属の水素化物・炭化物・リン化物を1ページに纏めています。
固体の金属化合物で、いずれも自然発火性・禁水性を併せもつものです。
- 水素化ナトリウム
- 水素化リチウム
- 炭化カルシウム
- 炭化アルミニウム
- リン化カルシウム
化合物だけど勉強する上では単体の金属とあんま変わらんかもな。
有機金属化合物等
アルキルアルミニウム・アルキルリチウム・有機金属化合物を1ページに纏めています。
液体の金属化合物で、いずれも自然発火性・禁水性を併せもつものです。
- アルキルアルミニウム
- アルキルリチウム
- ジエチル亜鉛
これも試験対策上はアルカリ金属等と同じような扱いで何とかなっちゃいます。
その他 政令で定めるもの
トリクロロシランは乙3物質の中では少し異質なもので、乙4物質のような性質も持っています。
- トリクロロシラン
このページの物質が一つという事もあり「化学式と物質名の関係」や「分解した際の生成物」が何故そうなるかを考えるのに良い材料です。
俺みたいな化学初学者にとっては気づきの多いページだな。
危険物 第三類(乙3) 編集部員の試験結果
乙3って難しそうだったけど試験はどうだったの?
えーっと…
あ、満点だったんだ。
今回は乙3物質のグループ分けが効いた感じでしたね。
化学的には邪道かもですが…
受験したのが中央試験センターって事は…東京の本部へ行ってきたのか。
…い、いつもの旅行半分…?
で、仕込みの勉強期間は?
法令とかは免除だったから3週間くらいでしょーか。
試験も10問しかないし。
じゃあ俺も実験動画とか見ながらのんびりやってみるかね。
…旅行に行くための受験、勉強した自分へのご褒美で旅行、どっちだ…?
…という事で、危険物 第三類(乙3)は割と取りやすい国家資格で勉強していて楽しいので、やってみても良いかもですね。
次のページは「みんな大好き黄リン」です!
■危険物 第三類(乙3)ページ一覧
①:第三類の概要 ◀◀ NOW
②:黄リン
③:アルカリ金属等
④:金属化合物(固体)
⑤:有機金属化合物
⑥:その他 政令で定めるもの