このページでは危険物 第四類(乙4)のカテゴリトップページです。まずは概要を書いていきます。
出た、乙4。
これは老若男女問わず持ってて損のない資格だな。
ですよー
物流系だけでなく食品関連でも必要とされる事が多いですね。
ん?食品でも?
乙4物質は油とアルコールなんですが、オリーブオイルとか食用の油も含まれるんですよね。
そういう事か。
確かに油だと色々な業種や職種で必要とされるわな。
乙4は仕事を探す時にタンクローリーではほぼ必須で、それ以外の仕事探しでも使えます!
…ローリーの仕事探しは乙4と高圧ガス移動監視者の欲張りセットがあると更に強いから…あとでガスの事も書こうかな…
危険物取扱者 乙種 第四類の資格を取得するメリットは・・・
こないだローリーの求人見たら、乙4持ってると月1万円の手当とか書いてたな。
わたしも今の職場で手当もらってますね。
危険物 第四類(乙4)の資格取得
資格概要
危険物乙4って何なの?的な事
危険物乙4、正しくは「乙種第4類 危険物取扱者」で歴とした国家資格です。
試験に合格し、免状の交付を受ける事で消防法で定めている危険物 第四類の指定物質の取扱等が可能となります。
危険物取扱者 乙4 | 情報 |
---|---|
試験実施 | 全国 割と頻繁に実施 |
制限時間 | 3科目:2時間 科目免除:35分 |
問題数 | 3科目:35問 科目免除:10問 |
回答方式 | 5択マークシート |
合格基準 | 正答率60% 各科目で60%以上正答 |
合格発表 | 受験日から 概ね1か月後 |
合格率 ※参考値※ | 3科目:35-40% 科目免除:70-80% |
乙4の合格率が低めなのって何か理由あるんかね?
うーん…会社から受けさせられてる人が多いからかな…?
危険物 乙4の合格率が低い理由
・会社の費用で受験する人が多い
・やらされ感でモチベーションが低い
・普段の仕事が忙しく勉強していない
・受験資格がなく幅広い年齢層が受験
・受験者には年少者・高齢者も含まれる
・楽して合格できるほど簡単な試験ではない
・関係法令の科目は設問が「いやらしい」
・重箱の隅を突くような問題が多い
・各科目で60%以上正答の足切りがある
・捨て科目を作れない
・山を張るような勉強は意味がない
試験の科目はフルで(初回受験なら)3科目です。
出題 | 科目 | 問題 数 | 最低 正答 |
---|---|---|---|
①-⑮ | 関係法令 | 15 | 9 |
⑯-㉕ | 物理・化学 | 10 | 6 |
㉖-㉟ | 性状・消火 | 10 | 6 |
* | 合計 | 35 | 21 |
乙4の性状・消火はとても簡単なので、科目免除で落ちる人は試験への遅刻や欠席(棄権)など受験結果ではないような気がします…
乙4で難しいのは法令です…
科目:関係法令 ※初回受験向け
危険物取扱者(乙種)の試験を初めて受験する場合は法令に関する問題が15問出ます。
関係法令は内容が多岐に渡るので、勉強しやすい順番に並べて攻略していきます。
- 免状ごとの資格範囲
- 免状の各種申請
- 免状の返納と交付制限
- 危険物の指定数量
- 危険物の予防規定
- 危険物施設の諸手続
- 危険物保安監督者等の選任・解任
- 危険物施設(製造所等)の概要
- 製造所等の定期点検
- 保安距離と保有空地
- 危険物の取扱基準等
- 製造所の技術基準等
- 取扱所の技術基準等
- 給油取扱所
- 販売取扱所
- 移送取扱所
- 一般取扱所
- 貯蔵所の技術基準等
- 屋内貯蔵所
- 屋内タンク貯蔵所
- 地下タンク貯蔵所
- 屋外タンク貯蔵所
- 屋外貯蔵所
- 簡易タンク貯蔵所
- 移動タンク貯蔵所
- 製造所等の試験対策材料まとめ
- 燃焼について
- 燃焼関連で押さえる事
- 消火について
- 消火関連で押さえる事
- 警報設備と避難設備
この20前後の論点を6ページに分割し、学習します。
やる事が多いのもだが、試験問題がクセ強すぎって聞いたんだけど本当…?
受験した人の多くは「粘着系の出題だった」って言いますね。
危険物 関係法令が難しい理由
・学習範囲が広い
・論点となる事柄が多い
・覚えるべき基準等が多岐に渡る
・試験問題の出し方がウザい
・ひっかけ問題が多い
・レアケースを取り上げた問題
・解釈を違えるような言い回し
乙4試験でも法令はそれなりに難しいので、それに見合った対策・勉強方法をとりましょう。
危険物 関係法令の勉強方法
・時間がかかる前提で学習計画を立てる
・働きながらなら法令だけで1カ月
・1日30分~1時間のペース
・消防法を浅く広く網羅
・自作の表などで情報を整理しまとめる
・当サイトの学習ページで材料は提示
関係法令の攻略ページへの入り口はこちら!
実際のところ「初めての危険物が乙4」で、法令で心折れるパターンが多いんだろ?
ですねー…乙4の性消はめっちゃ簡単なんですが法令が…
科目:物理・化学 ※初回受験向け
危険物取扱者(乙種)の試験を初めて受験する場合は物理化学に関する問題が10問出ます。
物理・化学についても必要最小限のポイント整理に留めます。
- 物理:物質の分類
- 物理:物理変化
- 数値系
- 計算問題
- 化学:化学変化
- 化学:化学反応
難易度は中学~高校の教科書ぐらいなので、特に無理して覚える事もなく一度理解してしまえば良いような事ばかりです。
物理・化学の攻略ページはこちら!
化学とかって無理に覚えようとするとドツボるよな…
物理化学も覚える事はあるけど、理解してしまえば良い事が多くて楽です。
科目:性状・消火
危険物 第四類(乙4)の資格取得では「性状・消火」の科目は受験必須です。
問題数は10問であるのに対し、7区分・約40種の物質の性質・数値・貯蔵・取扱・消火を把握する必要があるので、ボリュームはそこそこです。
- 特殊引火物
・二硫化炭素
・ジエチルエーテル
・アセトアルデヒド
・酸化プロピレン - 第一石油類
・ガソリン
・ベンゼン
・トルエン
・アセトン - アルコール類
・メチルアルコール
・エチルアルコール - 第二石油類
・灯油
・軽油
・キシレン
・氷酢酸 - 第三石油類
・重油
・クレオソート油
・ニトロベンゼン
・アニリン
・グリセリン
・エチレングリコール - 第四石油類
・ギヤー油などの機械油
・可塑剤 - 動植物油類
・オリーブ油などの植物油
参考リンク:消防法 別表第一(指定物質一覧)
これよー…物質の数だけでも腹一杯になるな…
性状・消火の攻略ページはこちら!
全部覚えられる気がしねーんだけど…
だいじょーぶです、似たものが集まってるので基本を掴めば何とでもなります!
危険物 第四類(乙4)引火性液体の性状・消火
引火性液体
危険物 第四類(乙4)引火性液体の性状・消火について内訳を整理します。
乙4試験の科目:性状・消火では、「物質について」を以下3つのカテゴリーに分けて理解していく事になります。
乙4物質の性状・消火
①性状:基本的な性質や数値系
・外観(色)や重さ(液比重)
・水溶性または非水溶性どちらか
・引火点などの温度
・特記事項となる性質
②貯蔵・取扱:貯蔵時のお作法など
・適した貯蔵環境やNG事項
・貯蔵する建物の要件
③消火:消火方法や消火剤の適不適
・適した消火方法のパターンはどれか
・不適なものは何故、不適であるか
まずは性状を理解しないと、どう貯蔵したらいいかも想像がつかんな。
性状で物質の基礎を知って、その上で応用とも言える貯蔵と消火を考える感じですね。
引火性液体の性質と数値
【乙4:引火性液体】
性状
試験対策の前に共通事項を把握
危険物 第四類(乙4)物質に共通する性状などを。
- 全て可燃性の液体
- 全て蒸気は空気より重い
- 燃え方は蒸発燃焼※1
- 水より軽いものが多い
- 水に溶けないものが多い
- 静電気が蓄積しやすい※2
※1:液体がそのまま燃えるのではなく、液面近くの蒸気が燃える。
※2:ガソリンなどの油は静電気が溜まり、その放電で発火する事がよくある。
各物質の細かい部分はそれぞれのページで見ていきますので、まずは性状の共通事項を押さえましょう。
まずは「基本的にコレ」ってのを理解すればいーかね。
試験では以下のような文言で出題されます。
試験問題の選択肢
第四類に指定されている危険物はいずれも液体なので静電気の蓄積は起こらない
これは間違いです。いずれも液体ですが静電気の蓄積をしやすいです。
ここの共通事項だけで性消の試験対策の半分は済んだかも…
引火性液体の貯蔵・取扱方法
【乙4:引火性液体】
貯蔵・取扱
試験対策の前に共通事項を把握
危険物 第四類(乙4)物質の貯蔵・取扱い方法です。
- 容器を密栓する
- 容器内に空間を確保する
- 換気の良い冷暗所※1
- 屋内の設備は防爆構造※2
- 火気厳禁
- 日光が当たる・加熱
- 摩擦・衝撃・静電気
※1:乙4物質の蒸気は空気より重く低所(床の方)に溜まるので換気設備で高所から排出し空気中に散らす。
※2:防爆構造=建物内の照明スイッチなどで火花が散らないように設計されたもの。蒸気への引火リスクへの対処。
各物質の細かい部分はそれぞれのページで見ていきますので、まずは貯蔵・取扱いの共通事項を押さえましょう。
取扱い方法が似てるのはいいな。
試験では以下のような文言で出題されます。
試験問題の選択肢
ガソリンの蒸気が漏れないように容器いっぱいに詰めて密栓した
これは間違いです。気温が上がった時などの熱膨張で容器が破裂する恐れがあるので、容器内部に空間を残します。
似てる事から押さえて、徐々に物質ごとの違いを見ていけばOKです!
引火性液体の消火方法
【乙4:引火性液体】
消火
試験対策の前に共通事項を把握
危険物 第四類(乙4)物質の消火方法です。
乙4物質の燃焼のしかたは液体そのものが燃える訳ではなく、蒸気が空気と混ざって(酸素を得て混合気となって)燃えます。
なので、乙4物質の消火方法は主に酸素供給を断つ窒息消火で対応します。
- 粉末消火剤での窒息消火
- 砂・岩での窒息消火
- 二酸化炭素での窒息消火
- ハロゲン化物での消火
- 強化液の霧状放射
- 注水消火
- 強化液の棒状放射※1
- 泡消火剤(モノによる)※2
※1:強化液自体は乙4物質の火災に有効だが、棒状放射すると乙4物質が軽い液体で流れながら燃えて被害拡大する。
※2:泡消火剤は普通の泡と耐アルコール泡があり、普通の泡を水溶性の乙4物質に使うと泡が溶けて消化能力がなくなる。使い分けの必要がある。
各物質の細かい部分はそれぞれのページで見ていきますので、まずは消火方法の共通事項を押さえましょう。
酸素がなければ燃えない…
試験では以下のような文言で出題されます。
試験問題の選択肢
フライヤーで天ぷらを揚げていたら油に火がついたので大量の水で冷却消火しようとした
これは間違いです。
油は水より軽く水に浮いて飛び散るので火事を広げてしまいます。正しくは蓋をして酸素供給を断ち、窒息消火する事です。
乙4は原則で水NG、窒息消火で攻めます。
危険物 第四類(乙4) 編集部員の試験結果
乙4は簡単っていう人もいるけど、実際そうでもないよな?
うーん、そうかもです。
性状だけなら簡単と言って良いと思いますが…
法令は文系寄り、物理・化学は理系の入口みたいな感じで振れ幅が大きいんですよね。
で、それを各科目ごと60%以上を得点しなきゃいかんと。
そーなんですよ。
わたしも法令は満点取れなかったし…
受験結果はこんな感じでした。
・法令:80%、3問間違い
・物化:90%、1問間違い
・性消:100%
法令と物理・化学ありでの受験で満点狙いはするもんじゃないんだな。
勉強の期間はどのくらい?
速習系の●日で受かる!系の参考書が流行ってるみたいだけど。
働きながらで2カ月くらい…?
速習系の参考書をローラーした後、問題集をやってました。
やっぱその位の時間は必要か…
職場の同僚も乙4を勉強したら時間かかるし3回落ちたから辞めたって言ってたんだよな。
一応は国家資格ですし、時間がかかる前提で勉強して一発合格を狙うのが良いかもですね。
危険物 第四類(乙4)は実用性が高く持っていて損のない国家資格なので、気が向いた時にでも狙ってみましょう。
次のページは「学習開始の前にとりあえず関係法令を俯瞰してみる」です!
■危険物 第四類(乙4)ページ一覧
①:第四類の概要 ◀◀ NOW
②:関係法令のカテゴリトップ
③:法令1 資格・免状・申請
④:法令2 指定数量・予防規定・諸手続
⑤:法令3 役職者・施設概要・取扱
⑥:法令4 製造所・取扱所
⑦:法令5 貯蔵所・製造所等まとめ
⑧:法令6 燃焼・消火・警報
⑨:物理化学・計算問題
⑩:性状と消火1 危険等級Ⅰ・Ⅱ
⑪:性状と消火2 危険等級Ⅲ