このページでは危険物 第四類(乙4)の試験対策で関係法令のうち、製造所・取扱所の技術基準等について書いています。
- 製造所の技術基準等
- 取扱所の技術基準等
- 給油取扱所
- 販売取扱所
- 移送取扱所
- 一般取扱所
- 製造所・取扱所の試験対策材料
- 試験対策の一問一答④
ここから製造所等の詳細を見ていくのか…やっぱ覚えるの大変かね?
そうですねー
これまで法令で出てきた事が全部関わってくるので、頭ごっちゃになるかも…
って事は情報をうまく整理しながらやらないと詰むと。
ですねー…これ…
わたしが勉強してた時も…
/(^q^)\アタマイテー
でした…
このページが公開されてるって事は何とかなんだろうけど…
…無理して速習を狙ったら結局は運任せの勉強方法をしたってだけで終わる気がしてきたぞ…?
危険物-関係法令(乙4向け):製造所の技術基準等
【難易度:中】
製造所
危険物 乙4試験に向けた覚え方
製造所等のうち製造所(工場)の技術基準を纏めます。
製造所の建物に関する基準は他の危険物施設と共通のものが多く、ここでしっかり覚えると後が楽になります。
前ページまでに出てきた既出の要素も製造所で揃えておく要件として出てくるので、覚え切るには少し時間がかかります。
既出の要素
(前ページ・前々ページで見た事)
・保安距離
・保有空地
・予防規定
・定期点検
・役職者の選任
まずは製造所(=工場)をじっくり見てみましょう。
製造所の構造・設備・要件
製造所=工場と考えておいて良く、他に種類がないのでイメージがつきやすいと思います。
技術基準などは「建物に関する事」+「既出の要素」のセットとなるので復習しながら新しい事を覚えていきます。
製造所 | 技術基準・仕様・要件など |
---|---|
① 屋根・天井 | 建物について・金属板などの軽量な不燃材 ・採光窓(天井窓)を設ける ・換気口を設ける ・指定数量10倍以上の場合は避雷針を設置 |
②建物について 外壁・周辺 | ・壁・柱・床は不燃材 ・扉は防火戸 ・窓・出入口は防火設備 ・窓は網入りガラス ・標識(貯蔵している品目や数量などを掲示) |
③ 床・地下 | 建物について・床は傾斜をつけ危険物が浸透しない構造 ・溜枡(ためます)=貯留設備 ・地階はあってはならない |
④保安距離 | 必要 |
⑤保有空地 | 必要 ・指定数量10倍以下:3m以上 ・指定数量10倍超え:5m以上 |
⑥予防規定 | 危険物の取扱量により必要 指定数量10倍以上は必要 |
⑦定期点検 | 危険物の取扱量により必要 指定数量10倍以上は必要 |
⑧役職者の選任 | ・保安監督者:必要 ・保安統括管理者:指定数量3,000倍以上は必要 ・施設保安員:指定数量100倍以上は必要 |
④~⑧が前ページまでに出てきた既出の要素です。
これをすぐに覚えるのは無理だな…
ここは雑に覚えた状態で過去問を間違いながら覚えていくのが手っ取り早いです。
製造所についてはここまでです!
危険物-関係法令(乙4向け):取扱所の技術基準等
【難易度:中】
取扱所
危険物 乙4試験に向けた覚え方
製造所等のうち取扱所の技術基準を纏めます。
取扱所は4種類:給油取扱所・販売取扱所・移送取扱所・一般取扱所があります。
ここでも建物に関する事+既出の要素を覚えていくので、製造所と同じく試験対策を完成させるのに時間がかかります。
既出の要素
(前ページ・前々ページで見た事)
・保安距離
・保有空地
・予防規定
・定期点検
・役職者の選任
試験対策では給油取扱所のウェイトが大きいです!
給油取扱所の構造・設備・要件
給油取扱所=ガソリンスタンドで、セルフスタンドでの基準などについても触れていきます。
消防法での給油取扱所の定義を嚙み砕くと以下となります。
給油取扱所
は
固定給油設備で車の燃料タンク等へ直接給油する為に危険物を取扱する施設
給油取扱所の技術基準などを以下に纏めます。
給油取扱所 | 技術基準・仕様・要件など |
---|---|
①建物について 屋根・天井 | - |
②建物について 外壁・周辺 | ・塀の高さは2m以上 ・通気管(地下のタンクからの)の先端部は高さ4m以上 |
③建物について 床・地下 | ・給油空地:間口(ヨコ)10m以上・奥行6m以上 ※給油空地=給油作業できるスペース、はみ出しての給油は不可 (地下タンクについて) ・タンクの最大容量:無制限 ・廃油タンク:10,000ℓ以下 (タンクローリーから地下タンクへの補充時) ・引火点40℃未満のものの注油時はローリーのエンジン停止 ・通気管の先端から1.5m以内は車両進入禁止 ・タンクへの注入口から3m以内は車両進入禁止 ・計量口は計量時以外は閉鎖する |
④保安距離 | 不要 |
⑤保有空地 | 不要 |
⑥予防規定 | 必要 |
⑦定期点検 | 必要 |
⑧役職者の選任 | ・保安監督者:必要 ・保安統括管理者:不要 ・施設保安員:不要 |
給油についての絶対的なルールで車のエンジンは切って固定給油設備から直接給油するというのは押さえておきましょう。
(これは試験対策だけでなく実際の給油時でも守らないと非常に危ないです。)
また、給油取扱所と同じ建物に併設してはいけない施設等があります。
給油取扱所と併設不可
・一般の住居(所有者の住居は可)
・病院
・立体駐車場
・ゲームセンター
ゲーセンがダメなのは昔の名残らしいが…
セルフスタンドの定義と基準
セルフスタンド
は
顧客に自ら給油をさせる給油取扱所
普段あまり意識していませんが、給油ノズルの色で油の種類が決められています。
ノズル色 | 油種 | 主な用途 |
---|---|---|
赤 | ガソリン (レギュラー) | 普通車 軽自動車 |
黄 | ガソリン (ハイオク) | お高い 乗用車 |
緑 | 軽油 | 大型車 農業用機 |
青 | 灯油 | 暖房 その他 |
試験ではノズル色に対応する油種を問われる事もあるので、覚えておきましょう。
また、セルフスタンドには消火設備として「第三種 泡消火設備」を設置しておく必要があります。
給油取扱所はここまでです!
販売取扱所の構造・設備・要件
販売取扱所=主に塗料品店などです。
消防法での販売取扱所の定義を嚙み砕くと以下となります。
販売取扱所
は
店舗において容器入りのままで販売
する為に危険物を取扱する
また、販売取扱所は危険物の取扱量が指定数量の何倍かによって区分があります。
販売取扱所の区分
(危険物の取扱量による区分)
第一種:指定数量の15倍以下の取扱い
第二種:同、15倍超~40倍以下の取扱い
この区分は試験で頻出らしいな。
販売取扱所の技術基準などを以下に纏めます。
販売取扱所 | 技術基準・仕様・要件など |
---|---|
① 屋根・天井 | 建物にについて- |
②建物について 外壁・周辺 | ・窓は網入りガラス(製造所と同じ) ・扉は防火設備(製造所と同じ) |
③建物について 床・地下 | 場所は建物の1階に限る |
④保安距離 | 不要 |
⑤保有空地 | 不要 |
⑥予防規定 | 不要 |
⑦定期点検 | 不要 |
⑧役職者の選任 | 不要 |
何かキレイに「不要」が並ぶと拍子抜けするな…
販売取扱所はここまでです!
移送取扱所の構造・設備・要件
移送取扱所=危険物を送るパイプラインです。
消防法での移送取扱所の定義を嚙み砕くと以下となります。
移送取扱所
は
配管およびポンプ等で
危険物を取扱・移送する施設
という事で面倒な建物の技術基準などには触れなくて良いようです。
(消防法や他の法令で何か定められているかも知れませんが、試験で出される気配はありません…)
移送取扱所 | 技術基準・仕様・要件など |
---|---|
④保安距離 | 不要 |
⑤保有空地 | 必要 |
⑥予防規定 | 必要 |
⑦定期点検 | 必要 |
⑧役職者の選任 | ・保安監督者:必要 ・保安統括管理者:特定移送取扱所※は必要 ・施設保安員:必要 |
移送取扱所は建物に関する基準に触れない分、定期点検・予防規定・役職者の選任などほとんどが「必要」となっています。
これについてはパイプランっていうシンプルだけど何か起きたら相当危険な施設だから諸々必要だよね、と考えるのが判りやすそうです。
なんかシンプルなのか複雑なのかよく判らんな…
移送取扱所はここまでです!
一般取扱所の構造・設備・要件
一般取扱所=今までに出てきた取扱所(給油取扱所・販売取扱所・移送取扱所)以外の取扱所です。
判りやすい例として、ボイラー施設は大量の危険物(重油)を消費するので一般取扱所という扱いになります。
一般取扱所の区分として以下のようなものがあります。
一般取扱所の区分 | 対象となる施設・している事の例 |
---|---|
危険物の消費 | ボイラー施設・バーナー(焼却)施設 印刷工場・塗装工場 ※溶剤などとして危険物を消費 |
危険物の充填・詰替 | 油槽所 ※タンクローリーやドラム缶に危険物を充填 |
油圧・循環 | 産廃処理場の油圧プレス |
洗浄・切削 | 工業部品の洗浄に危険物を繰り返し使用 |
非危険物の製造 | 危険物を材料として非危険物(普通物)を製造 |
こう見ると色んな所で危険物が使われてるもんだなぁ…
また、一般取扱所も建物に関する基準には特に触れられていないものの、定期点検などについてほとんどが「必要」とされています。
一般取扱所 | 技術基準・仕様・要件など |
---|---|
④保安距離 | 必要 |
⑤保有空地 | 必要 |
⑥予防規定 | 指定数量10倍以上は必要 |
⑦定期点検 | 指定数量10倍以上は必要 |
⑧役職者の選任 | ・保安監督者:不要 ・保安統括管理者:指定数量3,000倍以上は必要 ・施設保安員:指定数量100倍以上は必要 |
実際は様々な施設が一般取扱所として括られる分、高い危険性の施設も含むので表のほとんどが「必要」となると理解すると良いかもです。
一般という言葉に惑わされんなって事だな。
毒劇一般とかでも、一般が最上位みたいな感じだし…
一般取扱所はここまでです!
危険物-関係法令(乙4向け):製造所・取扱所の試験対策用のまとめ
【難易度:中】
製造所
取扱所
危険物 乙4試験に向けた覚え方
製造所と取扱所について、それぞれの表で出した要素について要否を一覧に纏めます。
(前ページ・前々ページで見た事)
製造所等で要否を覚える事
・保安距離
・保有空地
・予防規定
・定期点検
・役職者の選任
施設区分 | 施設の種類 | 距離 | 保安空地 | 保有規定 | 予防点検 | 定期監督者 | 保安管理者 | 統括保安員 | 施設
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
製造所 | 1. | 製造所要 | 要 | 要 10倍 | 要 10倍 | 要 | 要 3000倍 | 要 100倍 |
取扱所 | 1. | 給油取扱所- | - | 要 | 要 | 要 | - | - |
2.販売取扱所 | な | ん | も | い | ら | な | い | |
3.移送取扱所 | - | 要 | 要 | 要 | 要 | 要 (特定) | 要 | |
4.一般取扱所 | 要 | 要 | 要 10倍 | 要 10倍 | - | 要 3000倍 | 要 100倍 |
これに加えて、それぞれ建物の構造とかも覚えるんだよな…
建物の基準等については、製造所のものを覚えておけば他との共通事項が多く、割と使い回しが効きます。
製造所等の技術基準とかはすぐに覚えられる訳もないので、時間をかけて一つずつ覚えていきましょう!
危険物-関係法令(乙4向け):試験対策の一問一答④
このページで出てきた内容から試験対策っぽいものを作ってみました。
一問一答形式で確認していきましょう!
問題右端の+ボタンで答えが出てきます。
問1:製造所の壁・柱などは木造で良い?
ばつ!不燃材です。
問2:製造所の構造は地下2階までという基準がある?
ばつ!地階はあってはならないです。
問3:製造所の保有空地は指定数量にかかわらず必要?
まる!指定数量10倍以下は3m以上、10倍超えは5m以上の区分けがあります。
問4:給油取扱所の地下タンク容量は最大30,000ℓである?
ばつ!無制限です。
問5:有人対応のガソリンスタンドは車のエンジンを切らずに給油して良い?
ばつ!危ないのでダメです。
問6:セルフスタンドの緑ノズルからは灯油が出る?
ばつ!緑は軽油です。
問7:販売取扱所では危険物を量り売りして良い?
ばつ!販売取扱所では容器入りのまま売ります。
問8:移送取扱所は保安監督者・施設保安員とも選任が必要?
まる!
問9:一般取扱所では保安距離・保有空地とも必要?
まる!何気に危険度の高い一般取扱所なので選任が必要です。
問10:販売取扱所は保安距離・保有空地・予防規定・定期点検いずれも必要ない?
まる!まあお店なので・・・
これさー…
何か良い覚え方ないの?
うーん…
語呂合わせする人は結構いるみたいですけど…
正直、覚えきるのは無理ゲーなので粗くやって良いような気もします。
法令15問中2問くらいは捨て覚悟みたいな?
ですねー
ここにフルパワーを注ぐのはもったいないかもです。
そー考えりゃ少し気が楽か。まぁぼちぼち頑張ってみるかね…
少しずつコツコツ勉強していく位がいーかもですよ。
お疲れさまでした!
次のページは危険物 第四類(乙4)試験対策で、引き続き関係法令から貯蔵所・製造所等のまとめについて書いています。
■危険物 第四類(乙4)ページ一覧
①:第四類の概要
②:関係法令のカテゴリトップ
③:法令1 資格・免状・申請
④:法令2 指定数量・予防規定・諸手続
⑤:法令3 役職者・施設概要・取扱
⑥:法令4 製造所・取扱所 ◀NOW
⑦:法令5 貯蔵所・製造所等まとめ
⑧:法令6 燃焼・消火・警報
⑨:物理化学・計算問題
⑩:性状と消火1 危険等級Ⅰ・Ⅱ
⑪:性状と消火2 危険等級Ⅲ