危険物 第六類(乙6)の物質で指定されている過酸化水素の性状・取扱い・消火に関するページです。
- 過酸化水素
乙1と乙5で過酸化物ってあったよね。
ありましたー
過酸化バリウムとか過酸化ベンゾイルとか。
どっちも乙6の過酸化水素と乙3のバリウムとかがくっついた訳だな。
そーです。
過酸化水素ってオキシドールの濃いやつだよな。中坊ん頃よくオキシドールで髪の脱色してたよ。
それ、ダメなやつですよ。
髪と頭皮が傷むし目に入ったら危ないし。
そーだよな。
若気の至りっつーか。あの頃は何も考えてなかったなw
過酸化水素(オキシドール)での髪脱色は本当に危ないのでやめましょう。オキシドールの本来の用途は消毒液です…
危険物 第六類(乙6) 過酸化水素の概要
過酸化水素を積んだローリーが首都高で走行中に爆発した事故とかもあったよな…
あれは過酸化水素の廃液だったから余計に不安定になってたとかもあるんでしょーけど。
危険物 第六類(乙6) 過酸化水素の性状① 状態・数値
危険物 第六類(乙6)物質の過酸化水素の性状から、状態と数値を見ていきます。
表中、項目を黄色く塗ったところと赤字は試験対策に直結する大事なポイントです。
物質名 | 色 | 状態 | 発煙 | 臭気 | 毒性等 | 比重 |
---|---|---|---|---|---|---|
H2O2 | 過酸化水素淡青 ※1 | 透明液体 | - | - | - | 1.50 |
※1:量が多いと色は淡い青に見えます
→ その場合は油状・粘性と表現されます
性状② 危険性・生成物・特記事項
危険物 第六類(乙6)物質の過酸化水素の性状から、危険性・生成物・特記事項を見ていきます。
物質名 | 危険性 | ガス・気体 | 特記事項 |
---|---|---|---|
H2O2 | 過酸化水素爆発 皮膚を侵す | 酸素 | とても不安定で常温でも分解し発熱する 分解抑止でリン酸・尿酸・アセトアリニド等の無機酸を添加 3%に希釈したものがオキシドール 還元剤として作用する際は酸素を発生する ※2 |
※2:反応する相手物質の酸化力が過酸化水素より強い場合、過酸化水素が還元剤として作用します
水(H2O)に酸素が余計についてる分、分解すると酸素を大量放出すんだな。
危険物 第六類(乙6) 過酸化水素の貯蔵・取扱方法
危険物 第六類(乙6)物質の過酸化水素の貯蔵・取扱い方法を見ていきます。
乙6物質の貯蔵は酸化性液体なので、大前提として①耐酸性容器に入れ ②直射日光の当たらない冷暗所への保管 は他の乙6物質と共通です。
- 蓋に通気孔のある容器
- 耐酸性容器に保管 ※3
- 通風の良い冷暗所
- 日光が当たる・加熱
- 可燃物・有機物との接触
- アンモニアと接触
※3:素材は塩化ビニル・ステンレス
過酸化水素は自己分解して酸素を発生、容器の内圧が上がるので蓋に通気孔がある容器へ保管します。
乙5のメチルエチルケトンパーオキサイドと同じ考え方です。
過酸化水素は密栓したら爆発しちゃいます…!
危険物 第六類(乙6) 過酸化水素の消火方法
危険物 第六類(乙6)物質の過酸化水素の消火方法を見ていきます。
過酸化水素は大量注水で冷却・希釈し消火です。
- 大量注水(主に希釈)
- 砂・石・岩での窒息消火
- 粉:リン酸塩類
- 二酸化炭素
- ハロゲン化物
窒息消火は火災が小規模の場合は使えます
乙6共通で消火にCO2・ハロゲン化物NGです!
危険物 第六類(乙6) 過酸化水素の試験対策
このページで出てきた内容から試験対策に使える疑似問題を作ってみました。
問題右端の+ボタンで答えが出てきます。
問1:過酸化水素について誤りの数は?
①.透明・多量なら薄青の液体である
②.水と反応して発熱する
③.不安定で常温でも分解する
④.分解すると水素を発生する
⑤.分解抑止にアルコールを添加する
間違いは3つ、①③は正しいです。
問2:過酸化水素ついて正解の数は?
①.塩化ビニル容器に入れる
②.容器の蓋は密栓する
③.通風の良い冷暗所に保管
④.NH3溶液で中和後に注水消火
⑤.CO2で窒息消火
正しいのは2つ、②④⑤は間違いです。
危険物 第六類(乙6)の物質で指定されている過酸化水素についてはここで一区切りです。
お疲れさまでした!
■危険物 第六類(乙6)ページ一覧
①:第六類の概要
②:過塩素酸
③:過酸化水素 ◀NOW
④:硝酸・発煙硝酸
⑤:その他 政令で定めるもの