危険物 第六類(乙6)の物質で指定されている過塩素酸の性状・取扱い・消火に関するページです。
- 過塩素酸
乙1で過塩素酸塩類ってあったよね。
ありましたねー
過塩素酸ナトリウムとか。
そーだ、ソーダ。
乙6のはナトリウムとくっつく前の過塩素酸そのものだ。
…ん?化学っぽい親父ギャグ…?
…乙6の過塩素酸と乙3のナトリウムがくっついて乙1の過塩素酸ナトリウムになるんだsodium。
危険物も幾つかの類をやってみると関連性が見えてきてなんか面白いな。
あれ、sodiumって何だっけ?
後でググってみるか…
危険物 第六類(乙6) 過塩素酸の概要
過塩素酸は塩素・水素・多くの酸素から成る強い酸化剤で、過ハロゲン酸の一つです。
1988年に愛知県の化学工場で触媒として使っていた過塩素酸と生成物などが爆発性の混合物となり爆発する事故が発生した。
【用途】
金属処理・過塩素酸塩類の製造
【関連物質】
乙1:過塩素酸塩類
触媒として使ってもドカン!なのかよ…
うーん…この事故は過塩素酸が悪いんでなくて、事前の検証をせずに材料を変えたのが原因の話なんですけどね…
危険物 第六類(乙6) 過塩素酸の性状① 状態・数値
危険物 第六類(乙6)物質の過塩素酸の性状から、状態と数値を見ていきます。
表中、項目を黄色く塗ったところと赤字は試験対策に直結する大事なポイントです。
物質名 | 色 | 状態 | 発煙 | 臭気 | 毒性等 | 比重 |
---|---|---|---|---|---|---|
HClO4 | 過塩素酸透明 | 液体 | 白煙 ※1 | 刺激臭 | 腐食性 ※2 | 1.80 |
※1:水と激しく作用し空気中で白煙を出します
※2:蒸気やヒュームにも腐食性あり危ないです
性状② 危険性・生成物・特記事項
危険物 第六類(乙6)物質の過塩素酸の性状から、危険性・生成物・特記事項を見ていきます。
物質名 | 危険性 | ガス・気体 | 特記事項 |
---|---|---|---|
HClO4 | 過塩素酸火災 爆発 粘膜刺激 | 水素 塩化水素 | 不安定で分解しやすい(※3) ↑のため市販品は60-70%溶液 希硫酸は混合OKだが濃硫酸は爆発する 水と激しく反応し発熱する 金属をおかすので金属容器NG |
※3:分解すると変色・劣化、その場合は廃棄です
乙5とかに比べれば性状もなんかシンプルだな。
片や危険物で一番カオス、こちらは一番簡単っていう…
危険物 第六類(乙6) 過塩素酸の貯蔵・取扱方法
危険物 第六類(乙6)物質の過塩素酸の性状から、貯蔵・取扱い方法を見ていきます。
乙6物質の貯蔵は酸化性液体なので、大前提として①耐酸性容器に入れ ②直射日光の当たらない冷暗所への保管 は他の乙6物質と共通です。
- 耐酸性容器に密栓保管
- 通風の良い冷暗所
- 金属容器NG
- 日光が当たる・加熱
- 可燃物・有機物との接触
性状を理解すると当たり前の事しか出てこないですね!
危険物 第六類(乙6) 過塩素酸の消火方法
危険物 第六類(乙6)物質の過塩素酸の性状から、消火方法を見ていきます。
過塩素酸はアルカリで中和して大量注水で消火という手順を踏みます。
- 中和後に大量注水
- 砂・石・岩での窒息消火
- 粉:リン酸塩類
- 二酸化炭素
- ハロゲン化物
窒息消火は火災が小規模の場合は使えます
乙6共通で消火にCO2・ハロゲン化物NGです!
危険物 第六類(乙6) 過塩素酸の試験対策
このページで出てきた内容から試験対策に使える疑似問題を作ってみました。
問題右端の+ボタンで答えが出てきます。
問1:過塩素酸について誤りの数は?
①.褐色の液体である
②.水と反応して白煙を発する
③.引火性がある
④.分解すると腐食性のヒュームを発生
⑤.金属と反応し酸素を発生
間違いは3つ、②④は正しいです。
問2:過塩素酸ついて正解の数は?
①.耐酸性の容器に密栓保存
②.通風と日当たりの良い場所に保管
③.消火は濃硫酸を添加後に大量注水
④.不安定で分解しやすい
⑤.希硫酸との混合で爆発する
正しいのは2つ、②③⑤は間違いです。
危険物 第六類(乙6)の物質で指定されている過塩素酸についてはここで一区切りです。
お疲れさまでした!
■危険物 第六類(乙6)ページ一覧
①:第六類の概要
②:過塩素酸 ◀NOW
③:過酸化水素
④:硝酸・発煙硝酸
⑤:その他 政令で定めるもの