このページは運行管理者の試験対策のうち、実務上の知識及び能力:運行管理者の業務と点呼・運転者への指導監督と健康管理・交通事故防止対策・運行計画・事故の再発防止と危険予知トレーニングについて書いています。
2024年4月1日施行予定
改善基準告示等
改正前の内容です
法改正で高速での最高速度と改善基準の数字が変わるんだよな。
こんどの試験(R6.2-3月)は改正「前」の内容で出題されるんで覚えなおさなくて大丈夫ですよ。
法改正だけで運送業界が良くなるのか疑問なんだよなぁ…
…「疑問」っつーのは「オブラートに包みまくった表現」でしかないけどな…
- 事業法:運行管理者の業務と点呼
- 事業法:運転者への指導監督と健康管理
- 交通事故防止対策
- 事故防止の理論と統計情報
- 走行中の諸現象
- 運転支援装置
- 運行計画=道交法×改善基準
- 事故の再発防止とKYT
試験終盤の複合・応用問題ラッシュか。
はい。これまで見てきた法令を横断した内容です。
じゃあ覚える事は少なめ?
そーですね。自分が運行管理者ならどうする?っていう問題が多いです。
それなら基本ルールを再確認しながら足りないものを覚えていく勉強方法が良さそうだな。
それで良いと思います。
応用問題と言っても正解はある訳だから、まずはやってみようかね。
運行管理者試験の全30問のうち、実務上の知識及び能力は24-30問で出題されます。
出題 | 関係法令(科目的な) | 問題数 |
---|---|---|
①-⑧ | 貨物自動車運送事業法 | 8 |
⑨-⑫ | 道路運送車両法 | 4 |
⑬-⑰ | 道路交通法 | 5 |
⑱-㉓ | 労働基準法 | 6 |
㉔-㉚ | 実務上の知識及び能力 | 7 |
* | 合計 | 30 |
※実務上の知識及び能力のみ最低2問正解しないと試験は不合格です。
試験問題の7問を攻略するために見ておくポイントは12個くらいで、うち8個は既に学習済です。
他のページの内容を理解してないと、ここも共倒れな訳か。
実務上の知識及び能力-事業法 運行管理者の業務と点呼
【難易度:高】
実務上の知識及び能力
貨物自動車運送事業法
運管の業務
点呼
運行管理者試験の攻略ポイント
主に貨物自動車運送事業法から運行管理者の業務に関わる問題が出題されます。既に学習済の内容なので、解説の前に問題を解いてみましょう。
まず正しく理解できているのと、そうでないのを振分けしましょう!
運行管理者の役割等
運行管理者試験の過去問では適切なものを全て選択する問題が出題されています。
■問.運行管理に関する次の記述のうち、適切なものをすべて選びなさい。
1.運行管理者は、乗務開始及び乗務終了後の運転者に対し、原則、対面で点呼を実施しなければならないが、遠隔地で乗務が開始又は終了する場合、車庫と営業所が離れている場合、又は運転者の出庫・帰庫が早朝・深夜であり、点呼を行う運行管理者が営業所に出勤していない場合等、運行上やむを得ず、対面での点呼が実施できないときには、電話、その他の方法で行う。
2.運行管理者は、自動車運送事業者の代理人として事業用自動車の輸送の安全確保に関する業務全般を行い、交通事故を防止する役割を担っている。したがって、事故が発生した場合には、自動車運送事業者に代わって責任を負う。
3.運行管理者は、運行管理業務に精通し確実に遂行しなければならない。そのためにも自動車輸送に関連する諸規制を理解し、実務知識を身につけると共に、日頃から運転者と積極的にコミュニケーションを図り、必要な場合にあっては運転者の声を事業者に伝え、常に安全で明るい職場環境を築いていくことも重要な役割である。
4.運行管理者は、事業用自動車が運行しているときにおいては、運行管理業務に従事している必要がある。しかし、1人の運行管理者が毎日、24時間営業所に勤務するのは不可能である。なので自動車運送事業者は、複数の運行管理者を選任して交替制で行わせるか、又は、運行管理者の補助者を選任し、点呼の一部を実施させるなど、確実な運行管理業務を遂行させる。
適切なものは3・4です。
もう一問いきますよ!
■問.運行管理に関する次の記述のうち、適切なものをすべて選びなさい。
1.事業用自動車の点検及び整備に関する車両管理については、整備管理者の責務で行うので、運転者が整備管理者に報告した場合、点呼において運行管理者は事業用自動車の日常点検の実施について確認する必要はない。
2.運行管理者は、仮に事故が発生していない場合でも、同業他社の事故防止の取組事例などを参考にしながら、現状の事故防止対策を分析・評価等を行い、絶えず運行管理業務の改善に向けて努力していくことも重要な役割である。
3.事業者が、事業用自動車の定期点検を怠ったことが原因で重大事故を起こしたことにより、行政処分を受けることになった場合、当該重大事故を含む運行管理業務上に一切問題がなくても、運行管理者は事業者に代わって事業用自動車の運行管理をしているので、事業者が行政処分を受ける際に運行管理者が運行管理者資格者証の返納を命じられる。
4.運行管理者は、運転者の指導教育を実施していく際、運転者一人ひとりの個性に応じた助言・指導(カウンセリング)を行うことも重要である。そのために日頃から運転者の性格や能力、事故歴のほか、場合によっては個人的な事情についても把握し、そして、これらに基づいて助言・指導を積み重ねることによって事故防止を図ることも重要な役割である。
適切なものは2・4です。
これは一般常識に近いような選択肢もあって簡単だな。
ですねー。簡単な分、出題率はちょっと低いですが…
点呼の複合問題
運行管理者試験の過去問では適切なものを全て選択する問題が出題されています。
■問.点呼の記録表でA・B・Cそれぞれに入るものを選びなさい。
■選択肢
1.車両の異常の有無
2.食事の有無・内容
3.運転者の交代時の通告内容
4.服薬の有無・内容
5.指示事項
6.日常点検の状況
7.疲労・疾病・睡眠不足等の状況
8.休息期間の過ごし方
正解はAから順に5・7・3です。
もう一問やろうかね。
■問.点呼に関する次の記述のうち、適切なものをすべて選びなさい。
1.乗務前の点呼でアルコール検知器を使用するのは、身体に保有している酒気帯びの有無を確認するためであり、道路交通法施行令で定める呼気中のアルコール濃度1リットル当たり0.15ミリグラム以上であるか否かを判定するためではない。
2.3日間にわたる事業用トラックの運行で、2日目は乗務前及び乗務後の点呼を対面で行うことができない乗務のため、携帯電話による乗務前及び乗務後の点呼実施のほか、携帯電話での中間点呼を1回実施した。
3.運行管理者は、乗務開始及び乗務終了後の運転者に対し、原則、対面で点呼を実施しなければならないが、遠隔地で乗務が開始又は終了する場合、車庫と営業所が離れている場合、又は運転者の出庫・帰庫が早朝・深夜であり、点呼を行う運行管理者が営業所に出勤していない場合等、運行上やむを得ず、対面での点呼が実施できないときには、電話、その他の方法で行っている。
4.同一の事業者内の輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、A営業所とB営業所間で国土交通大臣が定めた機器を用いて実施するIT点呼については、1営業日のうち連続する16時間以内としている。
適切なものは1・2・4です。
点呼で休息時間の過ごし方なんか聞かれたくねーな。
わたしも変な事きかれてましたね…(遠い目
実務上の知識及び能力-事業法 運転者への指導監督と健康管理
【難易度:中】
実務上の知識及び能力
貨物自動車運送事業法
指導監督
健康管理
運行管理者試験の攻略ポイント
主に貨物自動車運送事業法から運転者への指導監督と健康管理が出題されます。
運行管理者の業務を掘下げ・実務的に肉付けしたものなので、ここでは新たに覚えたりする事も出てきます。
数字ガチガチ系ではないので、一つ一つ理解していきましょう!
運転者への指導監督
貨物自動車運送事業法のページで見てきた運行管理者の業務に加えて、実務的な要素の追加です。
以下の事柄について運行管理者は運転者へ根気よく理解を促し、事故の原因を絶たねばなりません。
①視覚と視野
運行管理者は「状況による見え方違い」を運転者へ論理的に伝えます。
運転者への指導監督
(視覚と視野)
速度と視野の関係
・前提として運転者の視野は速度が速くなるほど狭くなる
・時速40㎞での視野角は100°程度
・時速130㎞での視野角は30°程度
運転席の高さと視界
・大型車と乗用車では視界が全く異なる
・大型車は運転席が高い位置にある
・車間距離に余裕があるように見える
大型車と二輪車
・二輪車は車体が小さい
・実際より遅く・遠くに見える
・バックミラーの死角に入りやすい
死角
・大型車は左側後方の死角が特に大きい
・バックアイカメラの過信は禁物
明順応と暗順応
・トンネル出入時は速度を落とす
・入る前にライト点灯
・明順応より暗順応の方が時間がかかる
未だにバックカメラつけたがらない職人気質とか勘弁してくれよ…
②違反と事故の防止
運行管理者は「違反と事故を未然に防ぐ運転の仕方」を運転者へ伝えます。
運転者への指導監督
(違反と事故の防止)
うっかり飲酒運転の撲滅
・アルコールが「体から抜ける」時間
・25㎖または20gのアルコール代謝に4時間
→ 500㎖・5%の酎ハイ1缶で4時間
・体質に関係なく全ての運転者へ指導
大型車の内輪差等
・ホイールベースの長い車両は内輪差も大きくなる
・車長が長いとオーバーハングの「ケツ振り」の幅が大きくなる
追越しに必要な距離
・無理な追越しはしない
・前の車との速度差が小さいと追越し距離は長くなる
停止距離=空走距離+制動距離
・空走距離:ブレーキを踏もうとして実際に踏むまでの間に走った距離、基本的に時速×1秒
・制動距離:ブレーキが効き始めてから停まるまでに走る距離
→ 車両が重いほど制動距離は伸びる
・停止距離:空走距離+制動距離で、これを考えた車間距離をとるよう運転者へ指導
カーブでの遠心力にご用心
・カーブでの速度と鋭角な曲がり角に注意
(遠心力は速度の2乗)
・カーブで速度が2倍なら遠心力は4倍
・カーブの半径が1/2なら遠心力は2倍
接触した時の衝撃力
・速度が2倍なら衝撃力は4倍(速度の2乗)
・車体の重さには単純比例
アルコールの代謝時間は計算できるようにしておきましょう!
③事故発生時と非常時の対応
運行管理者は「事故・非常時の措置」を運転者へ伝えます。
運転者への指導監督
(事故発生時と非常時の対応)
交通事故が発生したら
・先ずは負傷者の救護
・第一通報は警察と救急
・運行管理者への連絡は警察の後
・事故現場を離れない
踏切内でのトラブル対応の順番
①踏切非常ボタンを押す
②非常信号用具(発煙筒)の使用
③踏切内からの車両移動を試みる
大地震が発生したら
・退避する時は道路外へ車両を置く
・エンジンを止めてキーは残す
・ドアをロックしない
運行中の異常気象が発生
・運行管理者の指示に従う
・運転者自らの判断で対応しない
運転者が勝手な対応したら、運行管理者は何してんだって話だよな。
運行管理者試験の過去問では適切なものを全て選択する問題が出題されています。
■問.運行管理者による運転者への指導監督について、適切なものをすべて選びなさい。
1.関係法令の制限を超えた積載物を運搬する場合、関係当局から発行された許可証を携行し、許可の際に付された通行経路・通行時間等の条件を遵守し、運送するよう指導している。また、運行前には、必ず、通行経路の事前情報を入手し、許可された経路の道路状況を確認するよう指導している。
2.国土交通大臣が認定する適性診断(以下「適性診断」という。)を受診した運転者の診断結果で、「感情の安定性」の項目で、「すぐかっとなるなどの衝動的な傾向」との判定が出た。適性診断は性格等を客観的に把握し、運転の適性を判定することで、運転業務に適さない者を選任しないようにするためのものであるため、運行管理者は、当該運転者は運転業務に適さないと判断し、他の業務へ配置替えを行った。
3.飲酒により体内に摂取されたアルコールを処理するために必要な時間の目安については、個人差はあるが、例えばチューハイ350ミリリットル(アルコール7%)の場合、概ね2時間とされている。事業者は、これらを参考に社内教育の中で酒気帯び運転防止の観点から飲酒が運転に及ぼす影響等について指導している。
4.車長が長い自動車は、①内輪差が大きく、左折時に左側方のバイクや歩行者を巻き込んでしまう、②狭い道路への左折時には、車体がふくらみ、センターラインをはみ出してしまう、③右折時には、車体後部のオーバーハング部が隣接する車線へはみ出して車体後部が後続車に接触する、などの事故の要因となり得る危険性を有していることを運転者に対し指導している。
適切なものは1・4です。
もう一問いきます!
■問.運行管理者による運転者への指導監督について、適切なものをすべて選びなさい。
1.飲酒により体内に摂取されたアルコールを処理するために必要な時間の目安は、例えばビール500ミリリットル(アルコール5%)の場合、概ね4時間とされている。事業者は、これを参考に個人差も考慮し、体質的にお酒に弱い運転者のみを対象として、飲酒が運転に及ぼす影響等について指導を行っている。
2.運転者は貨物の積載を確実に行い、積載物の転落防止や、転落させたときに危険を防止するために必要な措置をとることが遵守事項として法令で定められている。出発前に、スペアタイヤや車両に備えられている工具箱等も含め、車両に積載されているものが転落のおそれがないことを確認しなければならないことを指導している。
3.時速36キロメートルで走行中の自動車を例に取り、運転者が前車との追突の危険を認知しブレーキ操作を行い、ブレーキが効きはじめるまでに要する空走時間を1秒間とし、ブレーキが効きはじめてから停止するまでに走る制動距離を8メートルとすると、当該自動車の停止距離は約13メートルとなるなど、危険が発生した場合でも安全に止まれるような速度と車間距離を保って運転するよう指導している。
4.運転者の目は、車の速度が速いほど、周辺の景色が視界から消え、物の形を正確に捉えることができなくなるため、周辺の危険要因の発見が遅れ、事故につながるおそれが高まることを理解させるよう指導している。
適切なものは2・4です。
指導監督は選択肢の文章が全部長いな…
長い文章なので「変な事」が入っていないか確認しながら読みましょう。
運転者の健康管理
運行管理者が運転者の健康管理をするにあたり、知っておく事を整理します。
まず、基本的な事を確認します。
健康管理の基本事項
健康診断について再確認
健康診断のサイクルなどを労基法のページで再確認
運転者である事を医者へ告げる
運転者は自身が職業ドライバーであるので眠くなる等、運転に支障が出る薬はやめてね等の申告をする
運転者の健康起因の事故
・心臓疾患と脳疾患が関わる事故が多い
・試験問題の「○年の統計では~」の年と数値は無視して良い
労基法で出てきた健康診断の内容は「ブツ切り」でこっちの試験にも出るんだよな…
次に運転者がかかりやすい「病気」について見てみます。
アルコール依存症
・回復するが再発もする
・手の震えや幻聴などの症状
(運行管理者による指導監督は…)
アルコール依存症から回復した運転者へも継続的に指導
アルコール依存症は再発する前提で経過観察しないとですね…
睡眠時無呼吸症候群
(略称:SAS)
・睡眠中の呼吸が断続的に止まる
→ 睡眠の質が悪くなる
・本人の自覚症状が乏しい
・居眠り運転や漫然運転の原因
・心疾患や脳疾患との合併症
・早期発見と早期治療が重要
・SASスクリーニング検査は3年に1回を目安に受けさせる
(運行管理者による指導監督は…)
・診断がついた運転者の残業を減らし睡眠時間を確保する
・生活習慣の改善で業務可能な事も多いので医師と相談して慎重に対応
慎重に対応を検討するだけで何もしないのはダメだよなぁ…
脳血管疾患
・発見が容易ではない
・脳梗塞、脳出血、くも膜下出血
・意識の異常や呂律異常は特に注意
(運行管理者による指導監督は…)
運転者に症状等を理解させ、異常があればすぐに申告するよう指導
心臓疾患
・心筋梗塞、心不全、大血管疾患
・胸痛、動悸、呼吸困難の症状に注意
(運行管理者による指導監督は…)
日々の点呼で健康状態を把握し、心臓疾患の疑いがある症状を見逃さない
脳血管疾患と心臓疾患は衛生管理者の労働生理でも出てきましたね。
運行管理者試験の過去問では適切なものを全て選択する問題が出題されています。
■問.運転者の健康管理について、適切なものをすべて選びなさい。
1.事業者は、脳血管疾患の予防のため、運転者の健康状態や疾患につながる生活習慣の適切な把握・管理に努めるとともに、法令により義務づけられている定期健康診断において脳血管疾患を容易に発見することができることから、運転者に確実に受診させている。
2.事業者は、業務に従事する運転者に対し法令で定める健康診断を受診させ、その結果に基づいて健康診断個人票を作成して3年間保存している。また、運転者が自ら受けた健康診断の結果を提出したものについても同様に保存している。
3.常習的な飲酒運転の背景には、アルコール依存症という病気がある。この病気は専門医による早期の治療をすることにより回復が可能だが、一度回復しても飲酒することにより再発することがあるため、事業者は、アルコール依存症から回復した運転者に対しても飲酒に関する指導を行う必要がある。
4.事業者は、運転者が軽症度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された場合は、残業を控えるなど業務上での負荷の軽減や、睡眠時間を多く取る、過度な飲酒を控えるなどの生活習慣の改善によって、業務が可能な場合があるので、医師と相談して慎重に対応している。
適切なものは3・4です。
身体の自覚症状をよく考えると、俺も何かヤベー気がしてきたな…
そういう時はすぐに運行管理者へ申告・相談しましょう。
実務上の知識及び能力 交通事故防止対策
【難易度:並】
実務上の知識及び能力
事故防止
運行管理者試験の攻略ポイント
事故防止については運行管理者の業務とよく関わるので、割と広い範囲からの出題となります。
先の節の「運転者への指導監督」とも出題範囲が被るので、先に「運転者への指導監督」を押さえておくと連動してこちらも得点しやすいです。
試験では事故防止対策から2問連続で出題される事が多いです。
事故防止の理屈と統計など
試験問題によく出てくる「理屈」や言葉についてピックアップします。
ここは覚えるまでもなく、試験中で「明らかにおかしい事」が書かれていないか判別できれば良いレベルです。
事故防止の理屈と統計
PDCAサイクル
Plam(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)
ハインリッヒの法則
1件の重大事故には多数のヒヤリハットがぶら下がっている
事故の統計情報など
漫然運転など人的要因のヒューマンエラーが主たる原因
・日中の追突事故が多い
・深夜と早朝に死亡事故多発
・高齢者(65歳以上)の事故多発
統計情報は試験対策で大事かもな…
運行管理者の指導と関与
適性診断
・診断結果から運転者へ個別の指導内容を検討するもの
・不適な人を運転者として選任しないようにするものではない
教育と研修
・指導と問題解決が目的
・グループワーク等で運転者が「議論に参加」する事が重要
・事故惹起者や違反者の処分に重点をおくものではない
指差呼称
ベタだけど事故防止に有効
ここは試験対策の一部だけなので、そのまま次へ行きます!
走行中の諸現象
走行中、事故に直結する危険な現象を文字で見ておきます。
前照灯が関係
蒸発現象
自車と対向車のライトの光で間にいる歩行者等が見えなくなる
眩惑現象
対向車のライトで自分の視力を瞬間的に失うこと
蒸発は夜間や暗い場所で注意だな。
ブレーキが関係
いずれもフットブレーキの踏みすぎが原因
フェード現象
ドラムが摩擦熱で加熱され摩擦力が衰えて効きが悪くなる
※フェード=衰える
べーパー・ロック現象
ブレーキ液が加熱され気泡が発生して効きが悪くなる
※べーパー=蒸気(気泡)
フェードとべーパー・ロックは似ているので名前の意味で覚えましょう。
水・雨が関係
ハイドロプレーニング現象
路面とタイヤの間の水の膜の上を滑走すること
ウェットスキッド現象
雨の降りはじめにスリップしたりすること
邪道だがウェットスリップ現象って覚えるとハイドロ…とは間違えないな。
タイヤ等が関係
スタンディングウェーブ現象
空気圧不足で高速走行するとタイヤに波打ち現象を生じ、走行を続けるとバーストする
ジャックナイフ現象
滑りやすい路面でトレーラーが急ハンドル等すると、ヘッドと台車が「くの字」になり操縦不能になる
バーストしたら運転者負担で対応させる運送会社がいまだにあるんですよね…(遠い目
運行管理者試験の過去問で稀に諸現象単体での出題がありますので、やっておきましょう。
■問.運転中の諸現象について次の文中、空欄に入る字句をそれぞれ選びなさい。
1.自動車が衝突するときの衝撃力は、車両総重量が2倍になると【A】になる。
2.自動車の夜間の走行時において、自車のライトと対向車のライトで、お互いの光が反射し合い、その間にいる歩行者や自転車が見えなくなることを【B】という。
3.自動車がカーブを走行するとき、自動車の重量及びカーブの半径が同一の場合に、速度を2分の1に落として走行すると遠心力の大きさは【C】になる。
4.長い下り坂などでフット・ブレーキを使い過ぎるとブレーキドラムやブレーキライニングなどが摩擦のため過熱することによりドラムとライニングの間の摩擦力が減り、制動力が低下することを【D】という。
■選択肢
A:1.2倍 2.4倍
B:1.眩惑現象 2.蒸発現象
C:1.1/2 2.1/4
D:1.フェード現象 2.べーパーロック現象
正しいものはAから順に1・2・2・1です。
これはそんなに難しくないな。
こういう狭い出題範囲なら楽なんですけどね…
運転支援装置と使い方等
運転者の運転支援を行い安全確保をする装置等を見ておきます。
1.走行の維持と安定
車線逸脱警報装置
走行車線(白線)を認識し逸脱前後で警報が鳴る
ふらつき注意喚起装置
居眠り運転等を検知すると警報を鳴らし休憩を促す
速度抑制装置
速度リミッター、時速90㎞を超えないように燃料消費などを制御する
2024年問題で速度上限が上がったらリミッターの交換費用って補助とか出るんかね?
2.ブレーキ連動
ABS
・急ブレーキ時のタイヤロックを回避
・効率に作動させるにはブレーキペダルを「できるだけ強く踏み続ける」
衝突被害軽減ブレーキ
レーダー等で衝突の危険性を検知すると警報+自動的にブレーキ作動する
車両安定性制御装置
急ハンドルや悪路の走行を検知すると、警報+エンジン出力・ブレーキ制御し横転リスクを軽減
ABSのブレーキの踏み方は何気に重要かもです…
3.記録・管理
映像記録型ドライブレコーダー
・衝撃を受けると前後10秒程度の映像を自動記録
・運転者のハンドル操作やブレーキのクセも記録
・記録情報を解析し運行管理者が指導する材料にもなる
デジタル式運行記録計
・瞬間速度、運行距離、運行時間を記録
・ドラレコの映像と連携することで運行管理者が多角的な指導をする材料となる
普段使ってるものを一度、文章で読んどくのも試験対策じゃ大事なもんだな。
運行管理者試験の過去問では適切なものを全て選択する問題が出題されています。
■問.交通事故防止対策について、適切なものをすべて選びなさい。
1.デジタル式運行記録計は、自動車の運行中、交通事故や急ブレーキ、急ハンドルなどにより当該自動車が一定以上の衝撃を受けると、その前後数十秒の映像などを記録する装置、または、自動車の運行中常時記録する装置であり、事故防止対策の有効な手段の一つとして活用されている。
2.大型トラックの原動機に備えなければならない「速度抑制装置」とは、当該トラックが時速100キロメートルを超えて走行しないよう燃料の供給を調整し、かつ、自動車の速度の制御を円滑に行うためのものである。したがって、運行管理者はこの速度を考慮して運行の計画を立てる必要があり、運転者に対しては、速度抑制装置の機能等を理解させるとともに、追突事故の防止等安全運転に努めさせる必要がある。
3.交通事故の防止対策を効率的かつ効果的に講じていくためには、事故情報を多角的に分析し、事故実態を把握したうえで、①計画の策定、②対策の実施、③効果の評価、④対策の見直し及び改善、という一連の交通安全対策のPDCAサイクルを繰り返すことが重要である。
4.指差呼称は、運転者の錯覚、誤判断、誤操作等を防止するための手段であり、信号や標識などを指で差し、その対象が持つ名称や状態を声に出して確認することをいうが、安全確認に重要な運転者の意識レベルは、個人差があるため有効な交通事故防止対策の手段となっていない。
適切なものは3はです。
選択肢が長くて読むのがしんどいけど、内容は単純だな。
問題文を読み慣れていると、変なところもすぐに見つけられるんですよね。
実務上の知識及び能力 運行計画=道交法×改善基準
【難易度:高】
実務上の知識及び能力
道交法 × 改善基準
運行計画
運行管理者試験の攻略ポイント
運行計画の問題は労基法の「改善基準」と道路交通法での制限等が分っていないと非常に厳しいです。
ただし、あくまで労基法と道交法の複合問題なので、ここで新たに覚えるような事は何も出てこないです。
前ページまでが出来ていれば大丈夫です!
問題を解く前に戦い方を定める
試験では以下のような運行計画が提示されます。
(運行管理者試験 R3年第2回CBT 問29)
これを読んで法令違反となる部分を探す訳ですが、運行計画の図は紙で配られるのではなく画面に表示されます。
画面を眺めながら漠然とドコが変~??などを考えていても適切に整理するのは困難です。
なので、試験開始前に配られたメモ用紙に画面の内容を書いて整理していきましょう。
画面見ながら首かしげてるのは時間が勿体ないもんな…
整理するポイントは「改善基準」について問われるので、運転時間などを運行の往路・復路に割って書き出します。
■往路の運行
出庫→運転40分→荷積20分→運転10分+2時間+10分→E地点
→ 運転時間:3時間00分
→ 連続運転時間に問題なし
■復路の運行
E地点→運転1時間→荷積30分→運転3時間→荷卸20分→運転1時間20分→帰庫
→ 運転時間:5時間20分
→ 連続運転時間に問題あり
■当日の運行
運転時間:8時間20分
連続運転:改善基準に違反
まずは改善基準の目線で整理!
ここまで情報を整理すれば、この問題は解き終えたも同じです。この問題では以下3つの回答を求められました。
- 往路(前半)の高速で距離180㎞を2時間で走るのは道交法で違反?
- 前日と翌日の運転時間が9時間20分の場合、改善基準(2日平均)で違反?
- 当日の全運行は改善基準に違反している部分ある?
①~③の答えは以下です。
- 違反している、運行計画から車両は総重量8トンなので高速は時速80㎞までしか出せない
- 違反ではない
- 違反している、復路の最後(F地点出発後)の連続運転時間
運行を分解して確認すれば何が違反してるかもすぐ見つけられるもんだな。
試験前に情報を整理して書く練習をしておくと安心ですね。
運行計画の出題パターンに慣れる
試験で運行計画は色々なパターンで出題されるので、数をこなして慣れておくのが大事です。
早速、一番よく出るパターンからやってみましょう。
運行管理者試験の過去問では道路交通法と労働基準法「改善基準」の複合問題が出題されています。
■問.以下の運行計画でそれぞれの問いに対し適切なものを選択しなさい。
<運行計画>
B地点から、重量が5,500キログラムの荷物をC地点に運び、戻りの便にて、D地点から5,250キログラムの荷物をF地点に運ぶ行程とする。当該運行は、最大積載量6,250キログラムの貨物自動車を使用し、運転者1人乗務とする。
■問い
ア.出庫時刻【ア】は次の内どれ?
1.7:30 2.7:40 3.7:50
イ.当該運転者の前日の運転時間は9時間10分・翌日の運転時間を9:20とした場合、「改善基準」に違反する?
1.違反する 2.違反しない
ウ.当日の全運行で連続運転時間は「改善基準」に違反する?
1.違反する 2.違反しない
回答はア:1、イ:2、ウ:2です。
道交法の影は薄くて実質は「改善基準」と時間の計算だな。
労基法のところで「改善基準」が出来ていれば難しくはない問題ですね。
もう一問、やってみましょう。
■問.以下の運行計画でそれぞれの問いに対し適切なものを選択しなさい。
<荷主からの運送依頼>
B工場で重量が3,000キログラムの電化製品を積み、各拠点(F地点、H地点)の配送先まで運送する。
<運行の計画>
■次の運行経路図に従い運行する。
■道路標識等により最高速度が指定されていない高速自動車国道(高速自動車国道法に規定する道路。以下「高速道路」という。)のC料金所とD料金所間(走行距離135キロメートル)を、運転の中断なく1時間30分で走行する。
■問い
ア.この運行計画で関係法令に違反なく運行できる車両を1~3より選択。
イ.高速道路のC料金所とD料金所間の運転時間を1時間30分としたことについて、1:適切/2:不適切か選択。
回答はア:3、イ:1です。
これ、よく見たら道交法と速度の計算か。
こういうパターンもあるんですよね…
実務上の知識及び能力 事故の再発防止とKYT
【難易度:中】
【時間かかる】
実務上の知識及び能力
再発防止
KYT
運行管理者試験の攻略ポイント
運行管理者試験の多くの過去問で最後の問題(問.30)に配置されている「事故の再発防止」と「危険予知訓練(KYT)」です。
試験の回によってどちからが問.30で出題されるような感じです。
どちらも問題の出方は「考察問題」で、与えらた情報から事故の原因と再発防止策を探ったり、状況に潜むリスク抽出と対処を考えます。
状況をイメージしながら悩むタイプの問題だな…
考察問題なので他の問題に比べて答えを導き出すまでの時間が長くかかります。
初見だと解くまでに10分程かかり頭も疲れますので、他の問題の出来が良ければ「捨て」にしても良いかもしれません。
試験の最後で考察問題は疲れちゃいますね…
事故の再発防止対策の考察問題
考察問題は非常に文章が長く情報が多いので一連の問題を区切りながら読んでいきましょう。
まず概要を読んで…
■問.事故報告から当該事故の要因分析を行い、最も有効と考えられる組合せを問題下の選択肢から1つ選びなさい。
<事故の概要>
当該トラックは17時頃、霧で見通しの悪い高速道路を走行中、居眠り運転により渋滞車列の最後尾にいた乗用車に追突した。当該トラックは当該乗用車を中央分離帯に押し出したのち、前方の乗用車3台に次々と追突し通行帯上に停止した。
この事故により、最初に追突された乗用車に乗車していた3人が死亡し、当該トラックの運転者を含む7人が重軽傷を負った。当時霧のため当該道路の最高速度は時速50㎞に制限されていたが、当該トラックは追突直前には時速80㎞で走行していた。
次に原因に繋がる情報を拾って…
<事故関連情報>
①当該運転者は、事故日前日運行先に積雪があり、帰庫時間が5時間程度遅くなって業務を早朝5時に終了した。その後、事故当日の正午に乗務前点呼を受け出庫した。
②当該運転者は、事故日前1ヵ月間の勤務において、拘束時間及び休息期間について複数回の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準告示」という。)違反があった。
③当該運転者に対する乗務前点呼はアルコール検知器を使用し対面で行われていたが、睡眠不足等の運転者の体調確認は行われていなかった。
④当該営業所では、年度ごとの教育計画に基づき、所長自ら月1回ミーティングを実施していたが、交通事故を惹起した場合の社会的影響の大きさや、疲労などの生理的要因による交通事故の危険性などについて理解させる指導・教育が不足していた。
⑤当該運転者は、採用後2年が経過していたが、初任運転者に対する適性診断を受診していなかった。
⑥当該事業者は、年2回の定期健康診断の実施計画に基づき実施しており、当該運転者は、これらの定期健康診断を受診していた。
⑦当該トラックは、法令で定められた日常点検及び定期点検を実施していた。また、速度抑制装置(スピードリミッター)が取り付けられていた。
再発防止に何が有効か選んで…
<事故の再発防止対策>
ア.運行管理者は、運転者に対して、法定速度を遵守させるとともに、交通事故を惹起した場合の社会的影響の大きさや過労が運転に及ぼす危険性を認識させ、疲労や眠気を感じた場合は直ちに運転を中止し、休憩するよう指導を徹底する。
イ.事業者は、点呼の際に点呼実施者が不在にならないよう、適正な数の運行管理者又は補助者を配置するなど、運行管理を適切に実施するための体制を整備する。
ウ.運行管理者は、関係法令及び改善基準告示に違反しないよう、日頃から運転者の運行状況を確実に把握し、適切な乗務割を作成する。また、運転者に対しては、点呼の際適切な運行指示を行う。
エ.事業者は、自社の事業用自動車に衝突被害軽減ブレーキ装置の導入を促進する。その際、運転者に対し、当該装置の性能限界を正しく理解させ、装置に頼り過ぎた運転とならないように指導を行う。
オ.事業者は、運転者に対して、疾病が交通事故の要因となるおそれがあることを正しく理解させ、定期的な健康診断結果に基づき、自ら生活習慣の改善を図るなど、適切な心身の健康管理を行うことの重要性を理解させる。
カ.法令で定められた日常点検及び定期点検整備を確実に実施する。その際、速度抑制装置の正常な作動についても、警告灯により確認する。
キ.運行管理者は、点呼を実施する際、運転者の体調や疲労の蓄積などをきちんと確認し、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、当該運転者を交替させる措置をとる。
ク.運行管理者は、法に定められた適性診断を、運転者に確実に受診させるとともに、その結果を活用し、個々の運転者の特性に応じた指導を行う。
やっと回答できます。
■選択肢
(この事故で有効な再発防止対策の組合せ)
1.ア・イ・エ・オ 2.ア・イ・カ・キ
3.ア・ウ・エ・キ 3.ア・ウ・オ・カ
5.イ・エ・キ・ク 6.イ・エ・カ・ク
7.ウ・オ・キ・ク 8.ウ・オ・カ・ク
これ、文章長いし情報も多いから画面見て読んでも頭の整理がつかねーな…
なので、メモ用紙に拾った情報を書きながら進めていくのが良いです。
(メモ用紙)
※ダメだった事を書き殴る
<事故の概要から>
ゆうがた、みとおし、いねむり、そくど、ついとつ
<事故関連情報から>
つかれ、じかんいはん、てんこ(の内容)、きょういく、てきせいしんだん?
これに当てはまる再発防止策を選ぶ訳だな。何でメモは平仮名なんだ?
頭が疲れる問題なので漢字が何か考えるのも面倒だし素早く書きたいから…
<再掲:事故の再発防止対策>
ア.運行管理者は、運転者に対して、法定速度を遵守させるとともに、交通事故を惹起した場合の社会的影響の大きさや過労が運転に及ぼす危険性を認識させ、疲労や眠気を感じた場合は直ちに運転を中止し、休憩するよう指導を徹底する。
→ 有効
イ.事業者は、点呼の際に点呼実施者が不在にならないよう、適正な数の運行管理者又は補助者を配置するなど、運行管理を適切に実施するための体制を整備する。
→ 的外れ。本件では運行管理者は居て点呼は実施しているが、点呼で運転者の睡眠不足等を聞いていないのが問題。
ウ.運行管理者は、関係法令及び改善基準告示に違反しないよう、日頃から運転者の運行状況を確実に把握し、適切な乗務割を作成する。また、運転者に対しては、点呼の際適切な運行指示を行う。
→ 有効
エ.事業者は、自社の事業用自動車に衝突被害軽減ブレーキ装置の導入を促進する。その際、運転者に対し、当該装置の性能限界を正しく理解させ、装置に頼り過ぎた運転とならないように指導を行う。
→ 有効
オ.事業者は、運転者に対して、疾病が交通事故の要因となるおそれがあることを正しく理解させ、定期的な健康診断結果に基づき、自ら生活習慣の改善を図るなど、適切な心身の健康管理を行うことの重要性を理解させる。
→ 的外れ。本件では運転者の疾病は絡んでいない。
カ.法令で定められた日常点検及び定期点検整備を確実に実施する。その際、速度抑制装置の正常な作動についても、警告灯により確認する。
→ 的外れ。本件では車両の整備不良は絡んでいない。
キ.運行管理者は、点呼を実施する際、運転者の体調や疲労の蓄積などをきちんと確認し、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、当該運転者を交替させる措置をとる。
→ 有効
ク.運行管理者は、法に定められた適性診断を、運転者に確実に受診させるとともに、その結果を活用し、個々の運転者の特性に応じた指導を行う。
→ 有効と考えて良さそうだが、ク.を含む選択肢は明らかに的外れのものが入っている
やっと答えにたどり着きましたが、正解は3.ア・ウ・エ・キです。
なげー…
これ正解しても1点だよな…
そーなんですよ。だから最悪は「捨て」問題にするのもアリなんですよね…
危険予知訓練(KYT)の考察問題
KYTも事故の再発防止対策と同様に考察問題です。こちらは一連の問題を区切らずにやってみましょう。
■問.次の状況からKYTを行い、有効と考えられる指導内容との組合せを問題下の選択肢から3つ選びなさい。
<交通場面の状況>
・住宅街の道路を走行
・前方に二輪車が走行
・右側の脇道から車や自転車が出そう
・前方の駐車車両の向こうに人影
<運転者が予知すべき危険要因>
①.二輪車を避けようとしてセンターラインをはみ出すと、対向車と衝突する危険がある。
②.駐車車両に進路を塞がれた二輪車が右に進路を変更してくることが予測されるので、このまま進行すると二輪車と衝突する危険がある。
③.前方右側の脇道から左折しようとしている車の影に見える自転車が道路を横断してくると衝突する危険がある。
④.後方の状況を確認せずに右側に進路変更をすると、後続の二輪車と接触する危険がある。
⑤.駐車車両の先に歩行者が見えるが、この歩行者が道路を横断してくるとはねる危険がある。
<運行管理者による指導事項>
ア.住宅街を走行する際に駐車車両があるときは、その付近の歩行者の動きにも注意しスピードを落として走行する。
イ.単路でも、いつ前車が進路変更などのために減速や停止をするかわからないので、常に車間距離を保持しておく。
ウ.進路変更するときは、必ず後続車の有無を確認するとともに、後続車があるときは、決して強引な進路変更はしない。
エ.右側の脇道から自転車が出ようとしているので、周辺の交通状況を確認のうえ、脇道の自転車の動きに注意し走行する。仮に出てきた場合は先に行かせる。
オ.二輪車は、後方の確認をしないまま進路を変更することがよくあるので、二輪車を追い越そうとはせず先に行かせる。
■選択肢
(このKYTで有効な指導事項の組合せを3つ選ぶ)
1.①-イ 2.①-ウ
3.②-エ 3.②-オ
5.③-ア 6.③-エ
7.④-イ 8.④-オ
9.⑤-ア 0.⑤-ウ
こっちは何させたいか理解するまで時間かかるな。
要はリスクと指導の正しい組合せを3セット選ぶんですが…
これもメモに落としながらやるのが良いですね。
(メモ用紙)
※要点を書き殴る
<再掲:交通場面の状況>
・住宅街の道路を走行
・前方に二輪車が走行
・右側の脇道から車や自転車が出そう
・前方の駐車車両の向こうに人影
<要点:運転者が予知すべき危険要因>
①.対向車???
②.前の二輪車が駐車車両を追越すかも
③.前右の脇道から自転車が飛び出すかも
④.後続の二輪車???
⑤.前方の駐車車両の先の歩行者が飛び出すかも
対向車と後続の二輪車は居ないから危険要因の①④は除外か。
あとは残った②③⑤が指導事項のア~オのどれに対応するか見れば答えが出ます!
<運行管理者による指導事項>
ア.住宅街を走行する際に駐車車両があるときは、その付近の歩行者の動きにも注意しスピードを落として走行する。
→ 危険要因⑤に対応
イ.単路でも、いつ前車が進路変更などのために減速や停止をするかわからないので、常に車間距離を保持しておく
→ 危険要因②に対応するが、選択肢にない…
ウ.進路変更するときは、必ず後続車の有無を確認するとともに、後続車があるときは、決して強引な進路変更はしない
→ 的外れ、後続車はいない
エ.右側の脇道から自転車が出ようとしているので、周辺の交通状況を確認のうえ、脇道の自転車の動きに注意し走行する。仮に出てきた場合は先に行かせる
→ 危険要因③に対応
オ.二輪車は、後方の確認をしないまま進路を変更することがよくあるので、二輪車を追い越そうとはせず先に行かせる。
→ 危険要因②に対応
という事で、正解は3.②-オ、6.③-エ、9.⑤-アの3つです。
こっちは事故の再発防止対策ほど長くなかったな。
とはいえ他の問題に比べると文字数が明らかに多いので、メモに落としながら進めましょう!
実務上の知識及び能力の内容はここまでです!
実務上の知識及び能力 おわりに
このページの文字数、なかなかのボリュームだな…
他の資格も含めて一番長いページになりましたね。
ここをやってて思ったけど、運行管理者の試験って準備しとけば難しいもんでもないな。
そーなんです。合格率が高くないのは、普段の仕事が忙しくて準備不足のまま受験する人が多いからなんですよね…
で、その準備不足を何とかしたいドライバーからページ書いてと言われたのか。
そーです。思ったより時間かかったんで、お菓子でも買ってもらいたいです。
俺も2024年の3月に受験するんだっけ?
受験してください。繁忙期の明けた1月から準備すれば間に合いますよ。
そうか…もう一回、貨物自動車運送事業法から見直して勉強するかね…
このページでもお疲れさまでした!
周回プレイでもう一回、貨物自動車運送事業法を見てみましょう!
■運行管理者 ページ一覧
①:運行管理者の概要
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