このページは運行管理者の試験対策のうち、労働基準法:労働条件の基本と解雇・労働時間と休暇・健康診断・改善基準について書いています。
2024年4月1日施行予定
改善基準告示等
改正前の内容です
直近の試験(R6.2-3月)には影響はないが、改正後の事も知っとかんとだな。
今のタイミングで改正後の内容を書くと直近の試験対策にはネガティブなんで、試験期間が過ぎたら追記しましょーか。
- 労働条件の基本と解雇
- 労働時間と休暇
- 健康診断
- 労働時間等の「改善基準」
- 拘束時間
- 連続運転時間
- 休憩時間と休息期間
労働基準法って他の資格でもよく出てくるよな?
まあ、人が雇われて働く時の基準となる法律ですからね。
なんか衛生管理者のページでもやった記憶があるな。
ですよー。こっちでは「トラック運転者ならではの事」が出てきますね。
「改善基準」だっけか。
「改善基準」が労基法では一番重要で、試験終盤でも応用問題が必ず出題されます。
これも慣れたら何とかなる?
慣れと理解です。覚えるだけだと点数は取れないですね…
複合問題も含めて数をこなすのが重要です!
運行管理者試験の全30問のうち、労働基準法は18-23問で出題されます。
出題 | 関係法令(科目的な) | 問題数 |
---|---|---|
①-⑧ | 貨物自動車運送事業法 | 8 |
⑨-⑫ | 道路運送車両法 | 4 |
⑬-⑰ | 道路交通法 | 5 |
⑱-㉓ | 労働基準法 | 6 |
㉔-㉚ | 実務上の知識及び能力 | 7 |
* | 合計 | 30 |
道路交通法の6問を攻略するために見ておくポイントは8個くらいで、試験では6問中の4問が「改善基準」について出題されます。
「改善基準」は運転手の拘束時間や運転時間とかについて定めてるやつだったな。
労働基準法 労働条件の基本と解雇
【難易度:易】
労働基準法
労働契約
解雇
運行管理者目線で押さえるポイント
労働基準法(労基法)というと賃金や有給休暇をイメージしますが、まずは労基法の基本と定義から見ていきます。
これは基本事項なので難しくないですよ!
労働条件の基本
労働基準法 第一条~第十六条には「労働契約そもそも論」が定められています。
労働条件の基本事項
(労基法の条文から抜粋)
労働条件の原則
(1条)
労基法で定める労働条件の基準は最低のものなので、これを低下させてはならず、むしろ向上させるように努める
均等待遇
(3条)
使用者は国籍等によって労働条件について差別的扱いをしてはいけない
契約期間等
(14条)
有期の労働契約は基本3年・特例でも5年を超えてはいけない
労働条件の明示
(15条)
・使用者は労働者に対し労働条件を明示し通知する
・明示された条件と実態が相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除できる
賠償予定の禁止
(16条)
使用者は労働契約の不履行について違約金の設定等をしてはいけない
賃金の支払い
使用者は労働者へ毎月1回以上の賃金支払をする(賞与等は除外)
※労働者=使用者に使用され「賃金を支払われる」者をいう
第15条に触れる会社って運送業だと沢山ありそうだな…
意図的に労働条件を通知しないような会社もザラですからね…
解雇と事後対応
労働基準法 第十九条~第二十三条には「解雇とその後」について定められています。
解雇と事後について
(労基法の条文から抜粋)
解雇の制限
(19条)
以下の場合、天災事変等やむを得ない場合を除いて解雇をしてはいけない
①負傷・疾病等での休業中
②↑から復職後30日の間
③女性で産前6週または産後8週
④↑から復職後30日の間
解雇の予告
(20条・21条)
①解雇の予告は30日前までに行う
②予告日から解雇日まで30日に満たない場合、使用者は労働者へ不足する日数分の平均賃金を「解雇予告手当」として支払う
→ 解雇予告手当はMAX平均賃金30日分
③ただし以下の場合は支払不要
・日雇い労働者
・2カ月以内の有期雇用
・4カ月以内の季節業務要員
・勤務開始から14日以内の試みの使用期間中の者
※平均賃金=直近3か月分の給与額を同期間の総日数で割った金額
退職証明書
(22条)
労働者が退職証明書を請求した場合、使用者は遅滞なく発行する。労働者の請求権の時効は2年
金品の返還
(23条)
労働者が死亡または退職し権利者が請求した場合、使用者は7日以内に預かった金品等を返還する
解雇絡みは30日が多いな。
運行管理者試験の過去問では正しいものを選択する問題が出題されています。
■問.解雇等についての次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1.労働者が退職の場合、使用期間・業務の種類・地位・賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合、その理由を含む。)について証明書を請求した場合、使用者は遅滞なくこれを交付する。
2.使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後6週間並びに産前産後の女性が法第65条(産前産後)の規定によって休業する期間及びその後6週間は、解雇してはいけない。
3.使用者は、労働者を解雇しようとする場合、労基法第20条の規定に基づき、少くとも14日前にその予告をする。14日前に予告をしない使用者は、14日分以上の平均賃金を支払わなければならない。
4.労基法第20条(解雇の予告)の規定は、法に定める期間を超えない限りにおいて、「日日雇い入れられる者」、「2ヵ月以内の期間を定めて使用される者」、「季節的業務に4ヵ月以内の期間を定めて使用される者」又は「試の使用期間中の者」のいずれかに該当する労働者については適用しない。
正しいものは1・4です。
何気にこれ、労働契約の基本と解雇の複合問題だな。
見る範囲が狭いですからね…
労働基準法 労働時間と休暇
【難易度:並】
労働基準法
労働時間
休暇
運行管理者目線で押さえるポイント
ここでは運転者に限らず、全ての労働者に当てはまる労働時間と休暇等の基本原則を見ていきます。
一般的な条項です!
労働時間と休暇等
労働基準法 第三十二条~第四十一条には「労働時間・休暇等」について定められています。
労働時間と休憩
労働時間と臨時の残業等
(32条・33条)
・使用者は労働者を40時間/週・8時間/日(休憩を除く)を超えて働かせてはいけない
・例外として災害等の対応等は行政官庁の許可を得れば残業させても良い
休憩の付与
(34条)
・1日の労働時間が6時間を超える場合は最低45分の休憩をとる
・1日の労働時間が8時間を超える場合は最低1時間の休憩をとる
労働時間の通算
(38条)
複数の事業場を掛持ちしても労働時間は通算する
残業を可能にするのが36条の協定だったな。まぁ、後で出てくんだろ…
休日の取扱い
休日の付与
(35条)
①毎週最低1回の休日を付与
②ただし、4週の間に4日以上の休日を与えれば①のように週1の休みでなくても良い
有給休暇の付与
(39条)
①6カ月以上の継続勤務をし、全労働日の8割以上で出勤した労働者へ年間10労働日の有給休暇を付与する
②労災による休業・育児休業・介護休業は出勤率算定において出勤したとみなす
他の資格だと有給日数の計算問題とか出るんですけど、運管ではスルーでOKです!
時間外労働と割増賃金
時間外労働
(36条)
※原則は32条のように残業不可だが、事業所が以下の対応をする事で残業が可能となる※
・労働組合と書面で協定を結び、行政官庁へ届出すれば時間外労働がOKとなる
・会社が協定を結ぶ相手は、労働組合または労働者の過半数を代表する者
割増賃金
(37条)
※基本給の時間割に以下の割増※
・深夜の勤務は×25%
・通常の残業は×25%
・休日労働時間は×35%
・60時間/月以上の時間外は×50%
色々定められてるけど、一つずつみてけば難しいもんではないな。
妊産婦への配慮
妊産婦等を対象とした内容で以下も定められています。
妊産婦等への配慮
産前産後の就業制限等
(65条)
・出産前6週間(多胎妊娠は14週間)以内の女性が休業を請求した場合、就業をさせてはいけない
・妊娠中の女性が配置転換等の請求をした場合、軽易な業務等へ転換する
・出産後6週間以内の女性は就業させてはいけない
・出産後6週間~8週間の女性が就業を請求し、医師がGOサインを出せば就業可
育児時間の請求
(67条)
・生後1年未満の乳児を持つ女性は1日2回 各30分まで育児時間を請求できる
・育児時間中は仕事をさせてはいけない
・育児時間は有給でなくても良い
「妊産婦への配慮」は試験に出やすいです。
運行管理者試験の過去問では間違い探しをする問題が出題されています。
■問.労働時間及び休日等に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
1.使用者は、雇入れの日から起算して6ヵ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続またはは分割した10労働日の有給休暇を与える。
2.使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも30分、8時間を超える場合においては少くとも45分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
3.使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。ただし、この規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。
4.労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
誤っているものは2です。
たまたまか分からんけど、楽勝な過去問だな。
これは簡単すぎでしたね…
労働基準法 健康診断
【難易度:易】
労働基準法
健康診断
運行管理者目線で押さえるポイント
健康診断の種類と、労働者と関係者が何をしなければいけないかを見ていきます。
健康診断は2種類あります!
定期健康診断と特定業務従事者の健康診断
労働安全衛生規則 第四十三条~第五十一条には「健康診断」について定められています。
まず、健康診断の種類を整理してしまいます。
健康診断 | 対象者・頻度 |
---|---|
① 定期 健康診断 | 深夜業・有害業務なし (頻度) 年1回 |
② 特定業務 従事者 健康診断 | 深夜業・有害業務あり 配置換え時のほか (頻度) 6カ月に1回 |
夜間の運行をするドライバーは②の特定~だな。
次に、健康診断に関係する人が何をしなければいけないか等を纏めます。
健康診断と関連事項
雇入れ時の健康診断
(43条)
・事業者は労働者を雇い入れる際、健康診断を受けさせる
・労働者が直近3カ月に自分で受けた健康診断結果の書面を提出し、会社指定の健診項目と被る場合はその項目は診断を受けたとみなす
記録の保存
(51条)
事業者は健康診断の結果を健康診断個人票を作成し5年間保存する
医師の意見聴取
(51条-2)
深夜業に従事する労働者が自分で受けた健診結果の書面を提出した場合、2カ月以内に医師からの意見聴取が必要
健康診断結果の通知
(51条-4)
事業者は遅滞なく健診結果を労働者へ通知する
医師の面接指導
(52条-3)
月の残業時間が80時間以上等、面接指導の要件に当てはまる労働者が医師の面接指導を希望する申出があった場合、事業者は遅滞なく面接指導を受けさせる
期間や「遅滞なく」は試験で他の語句と入れ替えて出題してきます!
運行管理者試験の過去問では間違い探しをする問題が出題されています。
■問.健康診断に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
1.事業者は、健康診断を受けた労働者に対し、遅滞なく当該健康診断の結果を通知する。
2.事業者は、深夜業に従事する労働者が自ら受けた健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出した場合、その健康診断の結果(当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに限る。)に基づく医師からの意見聴取は、当該健康診断の結果を証明する書面が事業者に提出された日から4ヶ月以内に行う。
3.事業者は、深夜業を含む業務等に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び6ヵ月以内ごとに1回、定期に関係法令で定める所定の項目について医師による健康診断を行う。
4.事業者は、常時使用する労働者を雇い入れる際、当該労働者に対し、既往歴及び業務歴の調査等の項目について医師による健康診断を行わう。ただし、医師による健康診断を受けた後、3ヵ月を経過しない者を雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出した場合、当該健康診断の項目に相当する項目については、この限りでない。
誤っているものは2です。
何か引っかけ方がベタだよな…
間違い探しの問題ですからね…
労働基準法 労働時間等の改善基準
【難易度:高】
【超重要】
労働基準法
改善基準
運行管理者目線で押さえるポイント
試験終盤でも再登場
改善基準は正しくを「自動車運転者の労働時間の改善のための基準(改善基準告示)」といい、例の2024年問題と強く関わっているものです。
2024年3月実施予定の「令和5年 第2回」試験までは現行の内容で出題される(らしい)ので、ここでは現行の数値等で書いていきます。
「改善基準」は試験で超重要、試験終盤でも出てきます!
改善基準の目的
労働時間等の改善基準の条文から「目的」を確認します。
労働時間等の改善基準
https://www.mhlw.go.jp/content/001035032.pdf
第一条
1.この基準は、自動車運転者(労働基準法、以下「法」という。)第九条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)であって、四輪以上の自動車の運転の業務(厚生労働省労働基準局長が定めるものを除く。)に主として従事する者をいう。以下同じ。)の労働時間等の改善のための基準を定めることにより、自動車運転者の労働時間等の労働条件の向上を図ることを目的とする。
2.労働関係の当事者は、この基準を理由として自動車運転者の労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上に努めなければならない。
3.使用者は、季節的繁忙(繁忙期)その他の事情により、法第36条1項の規定に基づき臨時に労働時間を延長し、又は休日に労働させる場合においても、その時間数又は日数を少なくするように努めるものとする。
少し長いけど当たり前の事しか書いてないな。
運行管理者試験の過去問では穴埋めをする問題が出題されています。
■問.「改善基準」に定める目的等について次の文中、空欄に入る字句をそれぞれ選びなさい。
1.この基準は、自動車運転者(労働基準法(以下「法」という。)第9条に規定する労働者であって、【A】以上の自動車の運転の業務(厚生労働省労働基準局長が定めるものを除く。)に主として従事する者をいう。以下同じ。)の労働時間等の改善のための基準を定めることにより、自動車運転者の労働時間等の【B】を図ることを目的とする。
2.労働関係の当事者は、この基準を理由として自動車運転者の労働条件を【C】させてはならないことはもとより、その向上に努めなければならない。
3.使用者は、季節的繁忙期その他の事情により、法第36条第1項の規定に基づき臨時に【D】を延長、又は休日に労働させる場合においても、その時間数又は日数を少なくするように努めるものとする。
■選択肢
A:1.三輪 2.四輪
B:1.現状維持 2.向上
C:1.標準化 2.低下
D:1.労働時間 2.乗務距離
正しいものはAから順に2・2・2・1です。
労基法36条は残業関連だったから、【D】に入るのは労働時間だよなぁ。
そういう関連付けは大事です!
改善基準の拘束時間の基本
労働時間等の改善基準の条文から「基本事項」をピックアップします。
まず、言葉の意味を整理します。
言葉 | 意味 |
---|---|
拘束 時間 | 始業から就業まで 途中の休息時間は差引 |
休憩 時間 | 拘束時間に含まれる 休憩時間 |
休息 期間 | 拘束時間に含まれない 睡眠・生活の時間 |
休憩と休息を混同すると応用問題でやらかすんだよな…
次に、改善基準で定められた時間数などを表に落とします。ここでは拘束時間だけ見ておけばOKです。
時間 | 1日 | 1カ月 | 1年 |
---|---|---|---|
拘束時間 原則 | 13 時間 | 293 時間 | - |
拘束時間 上限 | 16 時間 | 320 時間 | 3,516 時間 |
休息 期間 | 連続 8 時間 | - | - |
1日の拘束時間について
・原則は13時間
・上限は16時間だが、15時間を超える拘束は週2回まで
・15時間超えのカウントは2週間単位
→ 15時間超え拘束が第1+第2週で3回、第3+第4週で1回の場合は「均し」でセーフ
1カ月の拘束時間について
・原則は293時間
・上限は320時間だが、293時間を超える月は年6回まで
・年間(12カ月)の合計は3,516時間を超えない
休息期間について
・原則は連続した8時間以上
・やむを得ない場合は、全勤務回数の1/2を限度に分割できる
・分割した場合、連続4時間以上かつ合計10時間以上である事
・使用者は運転者が車中泊等よりも住所地で休息期間を長くとれるよう配慮する
上限といっても無条件での上限ではない事に注意です!
運行管理者試験の過去問では穴埋めをする問題が出題されています。
■問.「改善基準」に定める拘束時間について次の文中、空欄に入る字句をそれぞれ選びなさい。
1.拘束時間は、1ヵ月について【A】を超えないものとすること。ただし、労使協定があるときは、1年のうち 6ヵ月までは、1年間についての拘束時間が3,516時間を超えない範囲内において、【B】まで延長することができる。
2.1日(始業時刻から起算して24時間をいう。以下同じ。)についての拘束時間は、13時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、1日についての拘束時間の限度(最大拘束時間)は、【C】とすること。この場合において、1日についての拘束時間が 【D】を超える回数は、1週間について2回以内とすること。
■選択肢
A:1.293時間 2.295時間
B:1.320時間 2.356時間
C:1.15時間 2.16時間
D:1.9時間 2.15時間
正しいものはAから順に1・1・2・2です。
拘束時間の覚え方としちゃ、293,6,3516,320って口に出して言ってみるのもいーかもな。
身体で覚えるのもアリですね。
もう一問、「改善基準」基本事項の難易度高めバージョンもよく出題されるのでやっておきましょう。
■「改善基準」に定める拘束時間等について、正しいものを2つ選択しなさい。
1.連続運転時間(1回が連続5分以上かつ、合計30分以上の運転の中断なく連続し運転する時間)は、4時間を超えないものとする。
2.休息期間については、当該トラック運転者の住所地における休息期間がそれ以外の場所における休息期間より長くなるように努める。
3.トラック運転者に勤務の終了後継続8時間以上の休息期間を与えることが困難な場合には、一定期間における全勤務回数の2/3を限度に、休息期間を拘束時間の途中及び拘束時間の経過直後に分割して与えて良い。この場合、分割された休息期間は、1日(始業時刻から起算して24時間)で1回当たり継続4時間以上・合計10時間以上とする。
4.運転者に労働基準法第35条の休日に労働させる場合は、当該労働させる休日は2週間に1回を超えないものとし、当該休日の労働によって改善基準告示第4条第1項に定める拘束時間及び最大拘束時間の限度を超えないものとする。
正しいものは2・4です。
穴埋めは割と楽だが、文章はよく読まんとな…
結局は数字合わせですけどね…
改善基準の拘束時間で注意するポイント2つ
運行管理者の実務と直結しますが、拘束時間を計算する際に注意するポイント2つです
①始業時間の前スライドは前日分にカウント
勤務スケジュールから4日目と5日目の始業時間と終業時間に注目します。
Day | 始業 | 終業 | 始業の 前スラ | 拘束 時間 |
---|---|---|---|---|
4日目 | 6時 | 18時 | 1時間 | 13時間 |
5日目 | 5時 | 18時 | - | 13時間 |
この問題のポイント
・4日目に対して5日目は始業が1時間前倒し
・前倒した始業時間分は前日(4日目)の拘束時間に加算
・4日目の拘束時間= 13時間
= 12時間+1時間(5日目の始業前倒し)
5日目は前日よりも始業が早くなっちまったから、早くなった時間分は前日の拘束時間に足せって事だな。
②フェリー乗船時間は休息時間として扱う
先ほどと同じ図です。今度は1日目のフェリー乗船時間に注目です。
Day | 始業 | 終業 | フェリー 乗船 | 拘束 時間 |
---|---|---|---|---|
1日目 | 5時 | 19時 | 5時間 | 9時間 |
「改善基準」の拘束時間は…
・フェリー乗船時間=休息時間
・休息時間は拘束時間に含まない
・だから始業~就業までの時間数からフェリー乗船時間を差引く
・1日目の拘束時間= 9時間
= 14時間-5時間(フェリー乗船)
勤務中のフェリー乗船時間は拘束時間から引けって事か…
試験では始業時間の前スライド加算とフェリー差引の計算問題が出ます!
運行管理者試験の過去問では与えられた材料で計算する問題が出題されています。
■問.「改善基準」における拘束時間として1~4日目それぞれ正しいものを選択しなさい。
■選択肢
1.1日目:9時間 2日目:12時間 3日目:15時間 4日目:12時間
2.1日目:9時間 2日目:12時間 3日目:11時間 4日目:12時間
3.1日目:9時間 2日目:14時間 3日目:11時間 4日目:13時間
4.1日目:14時間 2日目:14時間 3日目:15時間 4日目:13時間
正しいものは3です。
これは超重要なので内訳を見てみましょう!
計算 | Day 1 | Day 2 | Day 3 | Day 4 | Day 5 |
---|---|---|---|---|---|
始業 時間 | 5時 | 6時 | 4時 | 6時 | 5時 |
終業 時間 | 19時 | 18時 | 19時 | 18時 | 18時 |
勤務 時間 | 14 時間 | 12 時間 | 15 時間 | 12 時間 | 13 時間 |
加算 | - | 2 時間 | - | 1 時間 | - |
減算 | 時間 5 | - | 4 時間 | - | - |
時間 | 拘束9 時間 | 14 時間 | 11 時間 | 13 時間 | 13 時間 |
繰り返しになるが加算は翌日の朝(始業)が早いからだな。
これを押さえないと試験終盤の応用問題でも苦戦します…
連続運転時間と休憩時間
「改善基準」で連続運転時間等のルールが定められています。
連続運転時間のルール
・連続した運転は4時間まで
・4時間の運転ごとに30分以上の休憩
・休憩=連続10分以上の休憩+↓
・運転外の待機や荷役などは休憩扱い
※連続10分未満の休憩はノーカウント
休憩は連続10分以上ってのがポイントだな。
で、この連続運転時間は単に覚えるよりも問題を解きながら理解した方が良いので、実際の問題で出てきた図を使って見てみます。
問.下のA・Bの日はそれぞれ「改善基準」で適切な連続運転時間を守っている?
答.A・B両方とも「改善基準」では不適切
10分以上の休憩の合計が30分以上になったら…
その間の運転時間を計算して4時間以内ならOK!
運行管理者試験の過去問では運行の適・不適を判定する問題が出題されています。
■問.連続運転の中断方法として「改善基準」に適合しているものを2つ選びなさい。
適合しているものは1・2です。
5分の休憩はノーカンだったな。
30分毎の休憩か4時間毎の運転で一つ一つ区切っていくと間違えないですね!
週あたり・2日平均の運転時間
「改善基準」で週あたりの運転時間と2日平均した時の1日あたりの運転時間が定められています。
週あたりの運転時間
・2週平均で1週44時間まで
→ 1週だけ44時間超えはOK
→ 2週平均で44時間超えはNG
2日平均の運転時間
・2日平均で1日9時間まで
→ 1日だけ9時間超えはOK
→ 2日以上連続で9時間超えはNG
2日または2週の平均ってのが大事だな。
これも実際の問題に出た図を使いながら見てみます。
問.下の1週目・2週目はそれぞれ「改善基準」で適切な運転時間を守っている?
まず、「週あたりの運転時間」は1週目:46時間・2週目:44時間で、2週を平均すると45時間となる。「改善基準」でOKなのは2週平均44時間までなので、この問題では「週当たりの運転時間」は判定NG。
次に、2日平均の運転時間は計算してみないといけないので、
こんな感じで各日と前の日の平均を出す。9時間超えが2連続以上はNGなので、1週目はセーフ・2週目はNGとなる。
答.「週あたり」は不適切、「2日平均」は1週目は適切・2週目は不適切
これ、初見で解くのはしんどいから慣らさんとだな…
ここで慣らしてから過去問をやりましょう!
運行管理者試験の過去問では運行管理上の問題探しをする問題が出題されています。
■問.表の下にある事項で「改善基準」に違反しているものを1つ選びなさい。
1.1日の最大拘束時間
2.1日の運転時間(2日平均)
3.1週間の運転時間(2週平均)
4.1カ月の拘束時間
違反しているものは2です。
何か「改善基準」のまとめみたいな問題だな。
これを解くのが楽勝だと良い感じですね!
「改善基準」はここまでです!
労働基準法 おわりに
労基法も終わったなぁ。
「改善基準」は大丈夫そうですか?
うーん、覚えるより慣れが重要なのはよく判った。
ここである程度慣れたら、次の「実務上の知識及び能力」へ進んでみましょう。
「実務上の~」では「改善基準」についても高難易度の問題が出るので、早めにそれを見ても良いかもですね!
俺に出来るんかな…いや、案ずるよりも何とかが易しかな。
そうだな、とりあえず試験範囲を一巡しないと自分の弱点も掴めないもんなぁ。
…え。おっさんが勉強方法についてまともな事を…熱でもありますか?
ちょっと知恵熱かな…ってdisんなよ…
次のページでは実務上の知識及び能力について試験対策をしていきます!
■運行管理者 ページ一覧
①:運行管理者の概要
②:貨物自動車運送事業法(前半)
③:貨物自動車運送事業法(後半)
④:道路運送車両法
⑤:道路交通法
⑥:労働基準法 ◀◀ NOW
⑦:実務上の知識及び能力
⑧:運行管理者(貨物)過去問 R3-CBT