このページでは危険物 第五類(乙5)のカテゴリトップページです。まずは概要を書いていきます。
自己反応性物質…
倉庫作業員の俺からしちゃ未知の世界だな。
わたしも危険物の勉強するまで聞いた事もない言葉でしたね。
自己反応性物質はざっくり言うと爆発するモノって感じです。
何か怖ェ…
じゃあトラックでガンガン運ぶモノでもないのかな。
ですねー
乙5が必要な求人も大学の研究者とか限定的でした。
危険物取扱者 乙種第五類(乙5)の資格を取得するメリットは・・・
火薬類免状とセットって、火薬類は建築・解体・産廃のイメージなんだけど…
…たぶん合ってます…
危険物 第五類(乙5):自己反応性物質の概要
危険物 第五類は自己反応性物質の11種類・18前後の物質が定められています。
- 有機過酸化物
- 硝酸エステル類
- ニトロ化合物
- ニトロソ化合物
- アゾ化合物
- ジアゾ化合物
- ヒドラジンの誘導体
- ヒドロキシルアミン
- ヒドロキシルアミン塩類
- その他 政令で定めるもの
- ※前各号のいずれかを含有するもの
参考リンク:消防法 別表第一(指定物質一覧)
自己反応性という言葉は日常では聞き慣れないですが、第五類(乙5)物質に共通するのは「爆発する」という事です。
試験勉強をする上では、自己反応性物質=爆発するもの、と理解してしまって良いです。
乙5物質は何かあればドカン!です。
危険物の他の類と異なり、第五類(乙5)物質は同系のものでも貯蔵方法や消火方法が全然違うので、試験勉強に時間がかかります。
危険物の乙1から乙6までの試験の難易度で順位をつけるとすれば、乙5物質は日常生活にほぼ馴染みがなく一番難しいと感じる人が多いようです。
当サイト編集部員の主観では、乙5 ≧ 乙1 > 乙3 > 乙4 > 乙6 = 乙2 の順で試験を難しく感じたようでした。
難しいのは勘弁だなぁ…
【概略】危険物 第五類(乙5)自己反応性物質の性状
まずは危険物 第五類(乙5)自己反応性物質に共通する性状などを。
乙5物質は大前提として、性状・取扱・消火ともグループに纏めるのが難しく、効率よく覚える手段が無いような状況です。
泥臭く物質それぞれを地道に理解しながら攻略するしかありません。
泥臭く勉強って何なんだよって話だけどな…
その中で敢えて乙5物質の共通事項などを挙げるとすれば、
- 爆発する
- 可燃性がある
- 燃焼・分解の速度が速い
- 固体と液体が混在
- 有毒・刺激性のものが多い
- 酸化性・還元性のものが混在
- いずれも比重は1より大きい
※1:乾くと自然発火するので水没させて常に濡れた状態で保存
試験では以下のような文言で出題されます。
試験問題の選択肢
第五類に指定されている危険物は全てが引火性のある物質である
これは間違いです。可燃性はあるが「全てに引火性はない」のが正解です。
試験では酸・アルカリとの反応性などもよく問われます…。
【概略】危険物 第五類(乙5)自己反応性物質の貯蔵と取扱
危険物 第五類(乙5)自己反応性物質の貯蔵・取扱い方法です。
貯蔵は性状以上に「カオス」です。粉なのに湿らせていないといけないもの、液体なのに容器を密栓してはいけないもの・・・等。
詳しくは各物質のページで見ていきますが、乙5物質の貯蔵方法は以下のような例があります。
- 水やアルコールで湿潤に保つもの
- 容器の蓋に通気孔が必要なもの=密栓してはいけないもの
- 酸や金属と隔離するもの
- 金属容器がNGなもの
- 火薬庫に保存するもの
- 凍ってはいけないもの
色々あってややこしいですね…
試験では以下のような文言で出題されます。
試験問題の選択肢
ニトログリセリンは凍結した状態で火薬庫に保存する
これは間違いです。ニトログリセリンは8℃くらいで凍り、凍ると爆発しやすくなります。
もう一問、やってみます。
試験問題の選択肢
ピクリン酸は爆発性の金属塩を生成するので金属容器に保存しない
これは正解です。ピクリン酸に金属容器はNGです。
今まで貯蔵でアレはダメ、コレもダメってのはなかったよな…
【概略】危険物 第五類(乙5)自己反応性物質の消火方法
危険物 第五類(乙5)自己反応性物質の消火方法です。
消火についても「モノによる」というところで、他の類では出てこない「消火困難」などというものも出てきます。
- 水系で消火するもの
- 窒息消火するもの
- 爆発するので消火自体が困難なもの
初見の人も多い「消火困難」ですね…!
試験では以下のような文言で出題されます。
試験問題の選択肢
アジ化ナトリウムの火災には大量注水で消火活動する
これは間違いです。アジ化ナトリウムは乙5で唯一、水系の消火はNGの物質で、乾燥砂で窒息消火します。
もう一問、やってみます。
試験問題の選択肢
硝酸メチルが爆発を始めたが有効な消火手段が無く消火困難である
これは正解です。硝酸メチルは「消火困難」という括りなので、爆発が終わるまで待つしかありません。
こんなヤベー物質を運んでる人には頭が上がらないな。
危険物 第五類(乙5) 自己反応性物質の試験対策ページ
当サイトでは性状などが似た物質をある程度グループ分けして効率良く勉強できるようにしています。
独自の分け方をしているものは見出しを赤字にしています。
有機過酸化物
- 過酸化ベンゾイル
- メチルエチルケトンパーオキサイド 60%
- 過酢酸 40%
硝酸エステル類
- 硝酸メチル
- 硝酸エチル
- ニトログリセリン
- ニトロセルロース
- セルロイド
ニトロ・ニトロソ化合物
本来はいくつかの品名に分かれていますが、纏めるとキリが良いので当サイト独自で組み合わせました。
- ピクリン酸=トリニトロフェノール
- トリニトロトルエン
- ジニトロソペンタメチレンテトラミン
アゾ・ジアゾ化合物
本来は複数の品名に分かれていますが、纏めるとキリが良いので当サイト独自で組み合わせました。
- アゾビスイソブチニトリル
- ジアゾニトロフェノール
ヒドラジン・アミン
本来は複数の品名に分かれていますが、纏めるとキリが良いので当サイト独自で組み合わせました。
- 硫酸ヒドラジン
- ヒドロキシルアミン
- 硫酸ヒドロキシルアミン
その他 政令で定めるもの
- アジ化ナトリウム
- 硝酸グアニジン
危険物 第五類(乙5) 編集部員の試験結果
乙5の試験ってややこしかった?
うーん…
強引に覚えて何とかでしたね。
あ、満点だったんだ。
期間はどのくらい勉強したの?
働きながらで4週間くらい…?
乙3と乙6も同時進行だったんで割と忙しかったです。
乙6は2週間で十分だけど…。
まー気長にやれって事だね。
俺、できるかなコレ。物質名も長いのばっかなんだよな…。
…という事で、危険物 第五類(乙5)は危険物乙種の中では一番難しくてマニア受け抜群なので(?)、やってみても良いかもですね。
次のページは「貯蔵方法のクセ強すぎ!有機過酸化物」です!
■危険物 第五類(乙5)ページ一覧
①:第五類の概要 ◀NOW
②:有機過酸化物
③:硝酸エステル類
④:ニトロ・ニトロソ化合物
⑤:アゾ・ジアゾ化合物
⑥:ヒドラジン・アミン
⑦:その他 政令で定めるもの