危険物 第五類(乙5)-ヒドラジンの誘導体等:硫酸ヒドラジン・ヒドロキシルアミン・硫酸ヒドロキシルアミンの性状・取扱・消火

危険物 第五類(乙5)の物質で指定されている硫酸ヒドラジン・ヒドロキシルアミンとその塩類の性状・取扱い・消火に関するページです。

消防法での本来の定めでは、危険物 第五類の品名としてヒドラジンの誘導体・ヒドロキシルアミン・ヒドロキシルアミン塩類と3つ別々に定義されています。

この3つは性状などが似ています(貯蔵・消火にいたっては3つとも同じです)ので、このページで纏めてしまいます。

このページで出てくる物質は・・・
  1. 硫酸ヒドラジン
  2. ヒドロキシルアミン
  3. 硫酸ヒドロキシルアミン
おっさん

同じようなのを纏めて見れると勉強の効率がいいな。

でぃでぃ

うーん、これ…
資格勉強の面ではアリですが、強引に纏めたから…

おっさん

見ようによっちゃ何だコレ?ってなるんか。

でぃでぃ

そーなんです。
まあ乙5の勉強が少しでもしやすくなれば良いのかな…

でぃでぃ

…乙5って本当にカオスだから試験対策用にこうしたけど、化学や研究の視点からはちょっと微妙とは思いつつ…

INDEX

危険物 第五類(乙5) ヒドラジンの誘導体等の基本情報

このページの本編に入る前に物質の基本情報を確認します。

基本情報:硫酸ヒドラジン等
  • 自己反応性の固体
  • いずれも還元性
  • いずれも刺激性がある
  • 密封して冷暗所に保存※1
  • 金属容器NG※2
  • 消火は基本的に大量注水
補足:硫酸ヒドラジン等

※1:直射日光は避ける

※2:ここで出てくる物質は全て金属容器NG

硫酸ヒドラジン について

硫酸ヒドラジンは硫酸とヒドラジンの中和で生じた塩(エン)で、硫酸ヒドラジニウムとも呼ばれる。

ヒドラジンの誘導体であり、加熱するとアンモニア・二酸化硫黄・硫化水素や硫黄に分解する。また、アルカリと反応するとヒドラジンを遊離する。

【用途】
分析試薬・有機化合物の合成・殺菌剤・防腐剤

【関連物質】
乙2:硫黄
高圧ガス:アンモニア

ヒドロキシルアミン について

ヒドロキシルアミンはアンモニアと水が結合したもの。

純粋なものは白色の固体だが極めて化学的に不安定な物質なので一般的な流通では水溶液か塩(エン)として取扱われる。

【用途】
半導体の洗浄剤・薬品の原料・廃水処理

【関連物質】
高圧ガス:アンモニア

硫酸ヒドロキシルアミン について

硫酸ヒドロキシルアミンは硫酸とヒドロキシルアミンの反応で生じた(エン)。

性状や危険性などの大部分はヒドロキシルアミンと同様。

【用途】
塗料・接着剤・樹脂・薬品の原料

【関連物質】
乙5:ヒドロキシルアミン

おっさん

一般人にはない物質だからよく判らんな…

でぃでぃ

乙5はそういのばっかりなんですよね…

危険物 第五類(乙5) ヒドラジンの誘導体等の性状① 状態・数値

硫酸ヒドラジン・ヒドロキシルアミン・硫酸ヒドロキシルアミンの性状から、状態と毒性を見ていきます。

表中、項目を黄色く塗ったところと赤字は試験対策に直結する大事なポイントです。

スクロールできます
物質名状態性質毒性等比重融点引火点
硫酸ヒドラジン
(ヒドラジンの誘導体)
NH2NH2・H2SO4
無色
固体還元性刺激性1.40254℃
ヒドロキシルアミン
NH2OH
固体還元性刺激性1.2033℃(爆発)
129℃
硫酸ヒドロキシルアミン
(ヒドロキシルアミン塩類)
(NH2OH)2・H2SO4
固体還元性刺激性1.90170℃
状態と数値
おっさん

誘導体って何かね?

でぃでぃ

一言でいうと「そのもの」を少しだけ変化させて扱いやすくしたモノ、でしょーか。

性状② 溶解性・反応性

硫酸ヒドラジン・ヒドロキシルアミン・硫酸ヒドロキシルアミンの性状から、溶解性と反応性を見ていきます。

スクロールできます
物質名(溶解)
(溶解
Alc
(溶解)
溶媒
(反応)
(反応)
アルカリ
(反応)
金属
硫酸ヒドラジン
(ヒドラジンの誘導体)
NH2NH2・H2SO4
温水
する するする
ヒドロキシルアミン
NH2OH
するするする
硫酸ヒドロキシルアミン
(ヒドロキシルアミン塩類)
(NH2OH)2・H2SO4
するするする
溶解性と反応性
でぃでぃ

このページの3物質はどれも反応性が強いです。

性状③ 危険性・生成物・特記事項

硫酸ヒドラジン・ヒドロキシルアミン・硫酸ヒドロキシルアミンの性状から、危険性・生成物・特記事項を見ていきます。

スクロールできます
物質名危険性生成物特記事項
硫酸ヒドラジン
(ヒドラジンの誘導体)
NH2NH2・H2SO4
爆発
粘膜刺激
アンモニア
二酸化硫黄
硫化水素
金属容器NG
アルカリと接触すると猛毒のヒドラジンを遊離
還元性が強いが水溶液は酸性
ヒドロキシルアミン
NH2OH
爆発
粘膜刺激
アンモニア
亜酸化窒素
酸素・窒素
金属容器NG
過酸化バリウム・水酸化ナトリウムは接触NG
水溶液は弱アルカリ性だがアルカリと激しく反応
硫酸ヒドロキシルアミン
(ヒドロキシルアミン塩類)
(NH2OH)2・H2SO4
爆発
粉じん爆発
粘膜刺激
硫黄酸化物
窒素酸化物
金属容器NG
酸と激しく反応・アルカリで分解
アルカリ中の加熱でヒドロキシルアミンを遊離

還元性が強いが水溶液は酸性
危険性・生成物・特記事項
おっさん

ヒドラジンとアンモニアって造りが似てるから危なさとかも割と似てるんかな。

でぃでぃ

材料となる原子の数が違うだけとかだと性状や扱いも似てきますね。

危険物 第五類(乙5) ヒドラジンの誘導体等の貯蔵・取扱方法

硫酸ヒドラジン・ヒドロキシルアミン・硫酸ヒドロキシルアミンの貯蔵・取扱い方法です。

貯蔵の適不適はこのページの3物質全て共通です。

適切な貯蔵方法
  • 乾燥した冷暗所
  • 容器は密栓(密封)する
  • 酸・アルカリ・可燃物と隔離
不適切な貯蔵方法
  • 金属容器NG
  • 日光が当たる
  • 加熱・衝撃・摩擦
おっさん

あ、金属容器NG以外は割と普通だ。

危険物 第五類(乙5) ヒドラジンの誘導体等の消火方法

硫酸ヒドラジン・ヒドロキシルアミン・硫酸ヒドロキシルアミンの消火方法です。

消火方法も適不適はこのページの3物質とも共通です。

適切な消火方法
  • 水・泡系(特に大量注水)
  • 砂・石・岩での窒息消火
不適切な消火方法
  • 粉末消火剤
  • 二酸化炭素
  • ハロゲン化物
でぃでぃ

乙5は粉末消火剤・CO2・ハロゲン化物が共通NGです!

危険物 第五類(乙5) ヒドラジンの誘導体等の試験対策

このページで出てきた内容から試験対策に使える疑似問題を作ってみました。

問題右端の+ボタンで答えが出てきます。

問1:硫酸ヒドラジンについて誤りの数は?
 ①.白色の固体である
 ②.冷水によく溶ける
 ③.酸・アルカリ・金属とは反応しない
 ④.分解してヒドラジンを遊離する
 ⑤.アルカリ液で湿潤にして保管する

間違いは3つ、①④は正しいです。

問2:ヒドロキシルアミンについて正解の数は?
 ①.赤褐色の液体である
 ②.水・アルコールに溶ける
 ③.安定させるためにKOHを添加する
 ④.蓋に通気孔のある容器に保存する
 ⑤.分解するとアンモニアを生成する

正しいのは1つ、①②③④は間違いです。

問3:硫酸ヒドロキシルアミンについて誤りの数は?
 ①.溶媒によく溶ける
 ②.分解し硫黄酸化物・窒素酸化物を生成
 ③.酸・アルカリ・金属と反応する
 ④.容器を密栓し冷暗所に保管する
 ⑤.火災時は大量注水で消火する

間違いは1つ、②③④⑤正しいです。

危険物 第五類(乙5)の物質で指定されている硫酸ヒドラジン・ヒドロキシルアミン・ヒドロキシルアミン塩類についてはここで一区切りです。

でぃでぃ

お疲れさまでした!

でぃでぃ

…このページの3つは試験では数値はあまり問われないので生成物や特記事項を重点に見ると良いかもです…

危険物 第五類(乙5)ページ一覧
①:第五類の概要
②:有機過酸化物
③:硝酸エステル類
④:ニトロ・ニトロソ化合物
⑤:アゾ・ジアゾ化合物
⑥:ヒドラジン・アミン ◀NOW
⑦:その他 政令で定めるもの

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