このページは、危険物乙4でよく出る「引火点・発火点・燃焼範囲」の違い、頻出数値、ひっかけ問題の見抜き方をまとめたページです。
「引火点と発火点がごちゃごちゃになる」「ガソリンの引火点・灯油の引火点・二硫化炭素の発火点が覚えられない」「燃焼範囲って何%なら危ないの?」という人は、定義 → 代表物質の表 → 語呂合わせ → 過去問パターンの順で読めば、性質・消火の暗記がかなりラクになります。
乙4は「法令15問・物化10問・性質消火10問」の3科目で、それぞれ60%以上が必要です。つまり性質消火は10問中6問を取らないとアウト。ここで出やすいのが、引火点・発火点・蒸気比重・燃焼範囲・消火方法の組み合わせ問題です。
おっさん引火点、発火点、燃焼範囲…名前が似てて毎回混ざるんだよな。結局どれが何なんだ?
でぃでぃ大丈夫ですよー!まずは「火を近づける」のが引火点、「火がなくても燃える」のが発火点。ここだけ先に固定しましょう!
結論|引火点・発火点・燃焼範囲はこう覚える
先に結論です。乙4で混同しやすい3語は、次のように分けて覚えてください。
| 用語 | ひと言で | 試験での聞かれ方 |
|---|---|---|
| 引火点 | 火を近づけると 一瞬燃える最低温度 | 第4類の品名分類 危険性の高低 |
| 発火点 | 火がなくても 自然に燃え始める温度 | 特殊引火物 二硫化炭素・黄リン等 |
| 燃焼範囲 | 蒸気と空気が混ざって 燃える濃度範囲 | 下限界・上限界 爆発下限界の計算 |
最短暗記
・引火点=火を近づける
・発火点=火がなくても
・燃焼範囲=空気中の濃度%
この3つを同じ「温度」だと思うと混乱します。引火点と発火点は温度、燃焼範囲は濃度です。まずここを切り分けましょう。
引火点とは?|「火を近づけたら燃える温度」
引火点とは、液体から発生した蒸気に火を近づけたとき、一瞬でも引火するのに必要な最低温度です。ポイントは、燃えているのは液体そのものではなく、液体から出た可燃性蒸気だということ。
引火点のイメージ
液体を温める → 蒸気が出る → 空気と混ざる → 火を近づける → 一瞬燃える
つまり、引火点が低い物質ほど低温でも危険な蒸気を出す。
乙4の第4類は、消防法上「引火性液体」です。第4類の品名は、特殊引火物・第一石油類・アルコール類・第二石油類・第三石油類・第四石油類・動植物油類の7区分に分かれます。特に第一〜第四石油類は、ほぼ引火点の境界で分類されています。
第4類の品名分類と引火点の境界
| 品名 | 引火点などの条件 | 代表物質 |
|---|---|---|
| 特殊引火物 | 発火点100℃以下、または 引火点-20℃以下かつ沸点40℃以下 | ジエチルエーテル 二硫化炭素 |
| 第一石油類 | 引火点21℃未満 | ガソリン ベンゼン アセトン |
| アルコール類 | 炭素数1〜3の 飽和1価アルコール | メタノール エタノール |
| 第二石油類 | 引火点21℃以上70℃未満 | 灯油 軽油 酢酸 |
| 第三石油類 | 引火点70℃以上200℃未満 | 重油 クレオソート油 グリセリン |
| 第四石油類 | 引火点200℃以上250℃未満 | ギヤー油 シリンダー油 |
| 動植物油類 | 動植物から抽出、 引火点250℃未満 | アマニ油 なたね油 |
境界の数字は21・70・200・250です。ここは丸暗記でOK。詳しい7品名の覚え方は、関連記事の「第4類の分類完全ガイド」でまとめています。
語呂:兄さん(21)、なお(70)、二百(200)、ニコッ(250)
21℃未満=第一石油類
21〜70℃=第二石油類
70〜200℃=第三石油類
200〜250℃=第四石油類
250℃未満の動植物油=動植物油類
おっさん「引火点が40℃なら第二石油類」みたいな問題は、この境界に当てはめるだけでいいんだな。
でぃでぃそうですー!40℃は21以上70未満だから第二石油類。計算じゃなくて、境界チェック問題ですね!
発火点とは?|「火がなくても燃え始める温度」
発火点とは、火花・炎などの点火源がなくても、物質が空気中で自然に発火し始める最低温度です。引火点と違って「火を近づける」必要がありません。
発火点のイメージ
物質を加熱する → 温度が上がる → 点火源なしで燃え始める
発火点が低い物質ほど、熱い配管・機械・日光・摩擦熱などで発火しやすい。
乙4で発火点がよく狙われるのは、二硫化炭素です。二硫化炭素は特殊引火物で、発火点が約90℃と非常に低い。蒸気は有毒で、比重も大きく、低所にたまりやすいので、試験では「最も危険な代表選手」扱いで出てきます。
代表物質の引火点・発火点 早見表
細かい数値を全部覚える必要はありません。まずは出題されやすい代表物質だけ押さえましょう。
| 物質 | 品名 | 引火点の目安 | 発火点の目安 |
|---|---|---|---|
| ジエチルエーテル | 特殊引火物 | 約-45℃ | 約160℃ |
| 二硫化炭素 | 特殊引火物 | 約-30℃ | 約90℃ |
| ガソリン | 第一石油類 | 約-40℃以下 | 約300℃ |
| アセトン | 第一石油類 水溶性 | 約-20℃ | 約465℃ |
| メタノール | アルコール類 | 約11℃ | 約464℃ |
| エタノール | アルコール類 | 約13℃ | 約363℃ |
| 灯油 | 第二石油類 | 約40℃以上 | 約220℃ |
| 軽油 | 第二石油類 | 約45℃以上 | 約250℃ |
| 重油 | 第三石油類 | 約60〜150℃以上 ※種類で幅あり | 約250〜380℃ |
発火点で最優先に覚えるのは「二硫化炭素90℃」
語呂:二硫化炭素、くれぐれ(90)も熱するな
二硫化炭素 → 発火点 約90℃
特殊引火物・有毒・水より重い・蒸気も空気より重い
「発火点が100℃以下だから特殊引火物」とつなげて覚えると、品名分類にも使えます。二硫化炭素は、特殊引火物・低発火点・有毒・水より重い・消火は水が効きにくいまでセットで押さえましょう。
おっさん90℃って、沸騰したお湯より低いぐらいか…。そりゃ危ないな。
でぃでぃそうなんですー。だから二硫化炭素は「乙4のヤバい代表」として狙われやすいんですよ!
燃焼範囲とは?|「濃すぎても薄すぎても燃えない」
燃焼範囲とは、可燃性蒸気と空気が混ざったときに、火を近づけると燃える濃度の範囲です。単位は温度ではなく体積%で表します。
燃焼範囲の考え方
・蒸気が薄すぎる → 燃料不足で燃えない
・ちょうどよい濃度 → 燃える、爆発する
・蒸気が濃すぎる → 酸素不足で燃えない
この「燃える範囲」の下限を爆発下限界、上限を爆発上限界という。
危ないのは、燃焼範囲が広い物質です。理由は単純で、燃える濃度の幅が広いほど、事故になりやすいから。乙4ではジエチルエーテルやエタノールが比較的広い範囲を持つ代表として覚えやすいです。
代表物質の燃焼範囲 早見表
| 物質 | 下限界 | 上限界 | 覚え方 |
|---|---|---|---|
| ガソリン | 約1.4% | 約7.6% | ガソリン、いよいよ(1.4)危険 |
| 灯油 | 約1.1% | 約6.0% | 灯油いい(1.1)ぞ、でも蒸気は危険 |
| 軽油 | 約1.0% | 約6.0% | 軽油もだいたい1%台 |
| エタノール | 約3.3% | 約19% | 酒はさんざん(3.3)燃える |
| ジエチルエーテル | 約1.9% | 約36% | 上限36%が広い |
乙4で燃焼範囲の数値を全部暗記する必要はありません。まずは、ガソリン下限界1.4%、ジエチルエーテル上限界36%、エタノールは上限が高めくらいを押さえると、選択肢を切りやすくなります。
乙4でよく出る「ひっかけ」5パターン
ここからは、試験で間違えやすい選択肢のパターンを潰します。正しい知識を覚えるより、間違った選択肢のどこが変なのかを見抜ける方が本番では強いです。
ひっかけ①|「液体そのものが燃える」は雑すぎる
誤り例:第4類危険物は、液体そのものが直接燃焼する。
正しくは:液体から発生した可燃性蒸気が空気と混ざって燃える。
乙4の基本中の基本です。液面から出た蒸気が燃えるから、蒸気比重・換気・静電気対策が重要になります。
ひっかけ②|「引火点が高いほど危険」は逆
誤り例:引火点が高い物質ほど、常温で引火しやすい。
正しくは:引火点が低い物質ほど、低温でも可燃性蒸気を出すので危険。
ガソリンは引火点が非常に低いので常温でも危険。灯油は引火点が40℃以上なので、常温ではガソリンほど蒸気を出しません。ただし、霧状・加熱・しみ込んだ布など条件が変われば危険性は上がります。
ひっかけ③|「発火点=火を近づける温度」ではない
誤り例:発火点とは、点火源を近づけたときに燃え始める最低温度である。
正しくは:発火点は、点火源がなくても燃え始める温度。
「火を近づける」が出てきたら引火点。「火がなくても」「自然に」が出てきたら発火点です。選択肢の言葉だけでかなり切れます。
ひっかけ④|「燃焼範囲は広いほど安全」は逆
誤り例:燃焼範囲が広い物質ほど、燃焼しにくく安全である。
正しくは:燃焼範囲が広いほど、燃える濃度条件に入りやすく危険。
「広い=安全」ではありません。広いほど危険です。ジエチルエーテルのように燃焼範囲が広い物質は、換気不足の場所で特に注意が必要です。
ひっかけ⑤|「蒸気は空気より軽い」はだいたい誤り
誤り例:第4類危険物の蒸気は空気より軽く、高所にたまりやすい。
正しくは:多くの第4類危険物の蒸気は空気より重く、低所にたまりやすい。
ガソリン蒸気が低所にたまる、という知識は実務でも超重要。ピット・排水溝・地下室・タンク内部などで事故が起きやすい理由です。
おっさん「低いほど危険」「広いほど危険」「蒸気は下にたまる」って、方向で覚えると間違えにくいな。
でぃでぃその通りですー!乙4は細かい数値より、まず危険になる向きを間違えないことが大事です!
物質別に覚える|試験で狙われるセット暗記
数値をバラバラに覚えるより、物質ごとに「品名・性質・消火」をセットで覚えた方が得点につながります。ここでは乙4頻出の代表物質だけに絞ります。
ガソリン|第一石油類の代表
ガソリンのセット暗記
・第一石油類(非水溶性)
・指定数量200L
・引火点は非常に低い(約-40℃以下)
・蒸気は空気より重い
・水に溶けにくく、水より軽い
・消火は泡・粉末・二酸化炭素など
ガソリンは「乙4の中心」です。指定数量・危険等級・消火方法・蒸気比重のどこからでも出ます。水を棒状にかけて流すのはNG。燃えているガソリンを広げる危険があります。
灯油・軽油|第二石油類の代表
灯油・軽油のセット暗記
・第二石油類(非水溶性)
・指定数量1,000L
・引火点は21℃以上70℃未満
・ガソリンよりは引火しにくいが、加熱・霧状では危険
・消火は泡・粉末・二酸化炭素など
「灯油は家庭で使うから安全」と油断するとミスります。試験ではガソリンほど低温ではないが、第二石油類として危険物という位置づけで覚えてください。
二硫化炭素|特殊引火物の最危険枠
二硫化炭素のセット暗記
・特殊引火物
・指定数量50L
・発火点が約90℃と低い
・水より重い
・蒸気は空気より重い
・有毒
・水に溶けにくい
二硫化炭素は、通常の第4類の「水より軽い」という基本から外れる代表です。水より重い特殊例として、性質問題で狙われます。
アルコール類|水溶性と消火剤に注意
アルコール類のセット暗記
・メタノール、エタノール、プロパノール
・指定数量400L
・水に溶ける
・燃焼時の炎が見えにくいことがある
・泡消火は水溶性液体用の泡が必要
アルコール類は水に溶けるので、通常の泡が壊れやすい点がひっかけになります。水溶性液体用泡消火薬剤という言葉が出たら、アルコール・アセトン・酢酸など水溶性の危険物と結びつけましょう。
例題で確認|引火点・発火点・燃焼範囲
最後に、実際の選択肢っぽい形で確認します。正解だけでなく、誤り箇所を見抜く練習をしてください。
問1.引火点と第4類の分類
問題:一気圧において引火点が50℃の引火性液体は、原則として第4類のどの品名に分類されるか。
(1) 第一石油類
(2) 第二石油類
(3) 第三石油類
(4) 第四石油類
(5) 動植物油類
問2.発火点の意味
問題:発火点の説明として正しいものはどれか。
(1) 火を近づけたとき一瞬燃える最低温度
(2) 点火源がなくても自然に燃え始める最低温度
(3) 可燃性蒸気が空気中で燃える濃度範囲
(4) 液体が沸騰し始める温度
(5) 固体が液体に変わる温度
問3.燃焼範囲のひっかけ
問題:燃焼範囲について、誤っているものはどれか。
(1) 可燃性蒸気と空気の混合気が燃焼する濃度範囲である。
(2) 燃焼範囲の下限を爆発下限界という。
(3) 燃焼範囲が広いほど、一般に危険性は高い。
(4) 蒸気濃度が濃ければ濃いほど、必ず燃焼しやすくなる。
(5) 燃焼範囲は温度ではなく濃度で表す。
おっさんこうやって見ると、選択肢の「火を近づける」「自然に」「濃度」って言葉を拾えばかなり解けるな。
でぃでぃそうですー!乙4は難しい用語を覚えるより、言葉の対応表を作るのが近道です!
試験前日の暗記リスト
時間がない人は、ここだけ最後に見直してください。
乙4 引火点・発火点・燃焼範囲 最終チェック
□ 引火点=火を近づけたときに燃える最低温度
□ 発火点=火がなくても自然に燃え始める最低温度
□ 燃焼範囲=可燃性蒸気と空気が燃える濃度範囲
□ 引火点は低いほど危険
□ 燃焼範囲は広いほど危険
□ 第4類の境界は21・70・200・250
□ 二硫化炭素は発火点約90℃で超危険
□ ガソリン蒸気は空気より重く、低所にたまる
□ 多くの第4類は水より軽く、水に溶けにくい
□ ただし二硫化炭素は水より重い
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