このページは危険物の「危険等級」の意味、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの違いと全類対応の一覧、危険物乙4試験向けの覚え方をまとめたページです。
「危険等級って何が違うの?」「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲと第1種・第2種が混ざってわからない…」という人は、定義 → 全類一覧 → 類ごとの「無い等級」 → 第4類の語呂合わせ → 規制の違いの順で読めば10分で整理できます。
ぶっちゃけ、危険等級は「数値暗記」が苦手な人ほど落としがちな分野です。指定数量と混同したり、「第1種」と「Ⅰ」の対応で頭が混乱したり。私も最初は表をぼんやり眺めて「これ何の表?」となっていました。読み終わる頃には、表を見ずに第4類のⅠ・Ⅱ・Ⅲが言えるようになるところまで持っていきます。
おっさん危険等級ってアレだな…テキスト読んでも結局「で、何のためにあるの?」ってなるやつだよな。
でぃでぃまたそんなこと言ってー。
大丈夫ですよー!今回は仕組み → 一覧 → 試験で問われるポイントの順でスッキリ整理します!
危険等級とは?|法令上の定義をひと言で
危険等級とは、危険物の危険性の高さを「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」の3段階に区分した法令上のランクです。「危険物の規制に関する規則」第39条の2および別表第七に規定されています。
危険等級Ⅰ … 最も危険性が高い
危険等級Ⅱ … 中程度の危険性
危険等級Ⅲ … 比較的危険性が低い
等級が決まると運搬容器の構造・最大容量・容器への表示事項などが変わります。実務では「運搬規制」のためにある区分、と理解してください。
そもそも、なぜ「3段階」なのか?(国連危険物輸送勧告)
試験には出ませんが、知っておくと記憶が固まる豆知識。日本の危険等級Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは、国連の「危険物輸送に関する勧告」(オレンジブック)のPacking Group I/II/IIIにほぼ対応しています。世界各国の危険物輸送の容器規制を統一するために作られたものです。
つまり「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」は日本独自の3段階ではなく、世界共通の3段階。だからローマ数字なんです(国連文書がローマ数字を採用しているため)。Ⅰ=ハイリスク/Ⅱ=ミディアム/Ⅲ=ローは、外航コンテナの危険物表示でも同じ概念で使われています。
でぃでぃ消防法だけ眺めてると唐突に見える「ローマ数字」も、世界基準のなごりなんですー。タンクローリーで国際輸送に絡む人は普通に知ってる用語です!
危険等級が決まる仕組み|「第1種・第2種」とは
第1類・第2類・第3類・第5類は、危険物確認試験(判定試験)の結果に基づき、各類のなかで「第1種」と「第2種」に区分されます。これがそのまま危険等級につながります。
| 分類 | 危険等級 | 意味 |
|---|---|---|
| 第1種〇〇性物質 | Ⅰ | 判定試験で「最も危険」と判定 |
| 第2種〇〇性物質 | Ⅱ | 判定試験で「中程度」と判定 |
| それ以外 | Ⅲ | 第1種・第2種に該当しないもの |
たとえば第1類(酸化性固体)は判定試験で「第1種酸化性固体=Ⅰ」「第2種酸化性固体=Ⅱ」に分かれます。第4類だけは判定試験ではなく引火点・発火点による品名で直接区分されます。
おっさん「第1種=Ⅰ、第2種=Ⅱ」って覚えとけば、用語が混ざっても迷わねぇな。
危険等級Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの全類対応 一覧表
第1類〜第6類までの全危険物の等級区分を1つの表にまとめました。乙4の人は第4類の行を中心に、他類は「無い等級」だけ押さえれば十分です。
| 類 | 危険等級Ⅰ | 危険等級Ⅱ | 危険等級Ⅲ |
|---|---|---|---|
| 第1類 酸化性固体 | 第1種酸化性固体 (塩素酸塩類/過塩素酸塩類/無機過酸化物 等) | 第2種酸化性固体 (臭素酸塩類/硝酸塩類/ヨウ素酸塩類 等) | - |
| 第2類 可燃性固体 | - | 硫化りん/赤りん/硫黄/ 第1種可燃性固体 | 鉄粉/金属粉/マグネシウム/ 第2種可燃性固体/引火性固体 |
| 第3類 自然発火性 禁水性 | カリウム/ナトリウム/ アルキルアルミニウム/ アルキルリチウム/黄りん/ 第1種自然発火性物質 及び禁水性物質 | 第3類のうちⅠ以外 (金属水素化物/金属りん化物/ カルシウム・アルミニウムの炭化物 等) | - |
| 第4類 引火性液体 (乙4) | 特殊引火物 | 第一石油類 アルコール類 | 第二石油類 第三石油類 第四石油類 動植物油類 |
| 第5類 自己反応性 | 第1種自己反応性物質 (有機過酸化物/硝酸エステル類/ ニトロ化合物 等のうち第1種) | 第2種自己反応性物質 | - |
| 第6類 酸化性液体 | すべて (過塩素酸/過酸化水素/硝酸/ ハロゲン間化合物 等) | - | - |
おっさん第6類は全部Ⅰなのか…シンプルでありがたいな。
豆知識をひとつ。第6類が全部Ⅰなのには化学的な理由があります。第6類は「酸化性液体」、つまり他のものを激しく酸化させて燃やす液体。過塩素酸・硝酸・過酸化水素・ハロゲン間化合物——どれも自分は燃えないけど、有機物に接触すると相手を燃やします。「危険な仲間しかいない類」だからグレード分け不要、と覚えると忘れません。
類ごとの「無い等級」を覚える(試験頻出ポイント)
表を丸暗記するのは無理。なので「各類で無い等級はどれか」だけ覚えるのが効率的です。
| 類 | 無い等級 | 特徴 |
|---|---|---|
| 第1類 | Ⅲが無い | ⅠかⅡのみ |
| 第2類 | Ⅰが無い | ⅡかⅢのみ(最高ランクは無い) |
| 第3類 | Ⅲが無い | ⅠかⅡのみ |
| 第4類 | 無し(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ全部) | 乙4の対象 |
| 第5類 | Ⅲが無い | ⅠかⅡのみ |
| 第6類 | ⅡもⅢも無い | 全部Ⅰ |
\まとめると/
・危険等級Ⅲがあるのは第2類と第4類だけ
・第6類は全部Ⅰ/第2類はⅠ無し
この2行を覚えるだけで、「次のうち危険等級Ⅲに該当しないものはどれか」のような問題が一気に解けます。
でぃでぃ「Ⅲは第2類と第4類だけ」「第6類は全部Ⅰ」、この2つはマジで丸暗記する価値がありますよー!
【乙4向け】第4類の危険等級の覚え方(語呂合わせ)
第4類の危険等級は、引火点が低いほど危険等級が高い(Ⅰに近い)という関係になっています。火がつきやすい順に並べただけ、と理解すれば暗記がラクです。
危険等級Ⅰ:特殊引火物の語呂合わせ
「特殊な1番(イチ)はヤバいやつ」
特殊引火物 → 危険等級Ⅰ
例:ジエチルエーテル/二硫化炭素/アセトアルデヒド/酸化プロピレン
特殊引火物は「発火点100℃以下」または「引火点-20℃以下かつ沸点40℃以下」のもの。第4類のなかで最も危険な「特殊」だからⅠと覚えましょう。
危険等級Ⅱ:第一石油類・アルコール類の語呂合わせ
「一番(イチ)とアルコールでⅡ(に)番手」
第一石油類+アルコール類 → 危険等級Ⅱ
例:ガソリン/ベンゼン/トルエン/アセトン/メタノール/エタノール
第一石油類は引火点21℃未満のもの。アルコール類は炭素数3以下の飽和1価アルコールが対象です。「第一」と「アルコール」の2つだけがⅡと覚えれば迷いません。
危険等級Ⅲ:第二〜第四石油類・動植物油類の語呂合わせ
「に・さん・し・どう、みんなⅢ番」
第二石油類/第三石油類/第四石油類/動植物油類 → 危険等級Ⅲ
例:灯油/軽油/重油/クレオソート油/ギヤー油/なたね油
第4類で「Ⅰでもなく、第一・アルコールでもない」もの全部がⅢ、と消去法で覚えるのが一番ラクです。
おっさん「特殊=Ⅰ/一とアル=Ⅱ/二三四動=Ⅲ」、これでもう迷わねぇな。
危険等級によって変わる規制|運搬容器と表示
危険等級が違うと、運搬容器の最大容量・構造基準・容器への表示事項がそれぞれ変わります。試験ではこの「等級ごとに何が変わるか」が問われます。
①運搬容器の最大容量・構造基準
危険等級が高い(Ⅰに近い)ほど、運搬容器に詰められる最大容量・最大重量は小さく、構造基準も厳しくなります。
②運搬容器の外部に表示すべき事項
運搬容器の外部には、すべての危険物について以下を表示します。
運搬容器への表示事項(共通)
・危険物の品名
・危険等級(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲのいずれか)
・化学名
・第4類の水溶性危険物には「水溶性」の表示
・危険物の数量
・収納する危険物に応じた注意事項(例:「火気厳禁」「衝撃注意」「禁水」「可燃物接触注意」など)
類によって注意事項の文言が決まっています。たとえば第4類は「火気厳禁」、第3類の禁水性物品は「禁水」です。
③車両への標識(指定数量以上)
指定数量以上の危険物を車両で運搬する場合、車両前後の見やすい箇所に「危」標識(0.3m平方以上0.4m平方以下、地が黒・文字が黄色)を掲げます。これは危険等級に関係なく、指定数量だけが基準です。
実物を見たことある人ならわかりますが、タンクローリーの後ろにある「黒地に黄色い『危』の字」のあれです。素材は反射シートが多く、夜間でも認識できるようになっています。試験では「赤地に白文字」「白地に黒文字」のような色違いの引っかけ選択肢が出ます。色まで含めて「黒×黄」と一発で答えられるように。
おっさんうちの会社のローリーにも貼ってあるな。あれ毎日見てたけど、サイズの規定までは知らなかった。
でぃでぃ「危」標識は指定数量以上が条件、容器の表示は等級が条件、と切り分けて覚えてください!
危険等級と指定数量の関係(第4類)
危険等級が高いほど指定数量は少なくなります(少量で規制対象になる=危険性が高い)。
| 品名 | 危険等級 | 指定数量 |
|---|---|---|
| 特殊引火物 | Ⅰ | 50 L |
| 第一石油類(非水溶性) | Ⅱ | 200 L |
| 第一石油類(水溶性) | Ⅱ | 400 L |
| アルコール類 | Ⅱ | 400 L |
| 第二石油類(非水溶性) | Ⅲ | 1,000 L |
| 第二石油類(水溶性) | Ⅲ | 2,000 L |
| 第三石油類(非水溶性) | Ⅲ | 2,000 L |
| 第三石油類(水溶性) | Ⅲ | 4,000 L |
| 第四石油類 | Ⅲ | 6,000 L |
| 動植物油類 | Ⅲ | 10,000 L |
「等級が上がるほど指定数量は小さい」という反比例の関係を頭に入れておけば、組み合わせ問題で迷いません。
過去問での出題パターン
消防試験研究センターの公表問題や類書の傾向から、危険等級は次の3パターンで出題されます。
パターン①:物品と等級の組み合わせ
「次の第4類危険物のうち、危険等級Ⅱに該当しないものはどれか」
→ 灯油(Ⅲ)、重油(Ⅲ)など、Ⅱ以外を選ばせる。「アルコール類はⅡ」「特殊引火物はⅠ」を即答できれば解ける。
パターン②:運搬容器の外部表示
「危険物を運搬する場合、運搬容器の外部に表示すべき事項として、法令上、誤っているものはどれか」
→ 「危険等級」「品名」「化学名」「数量」「注意事項」「水溶性」が表示事項。指定数量や引火点を表示事項に含めた選択肢が誤り。
パターン③:等級と指定数量の組み合わせ
「特殊引火物の危険等級と指定数量の組み合わせとして正しいものはどれか」
→ 「Ⅰ・50L」が正解。「Ⅰ・100L」「Ⅱ・50L」などの引っかけが並ぶ。
例題ウォークスルー|実際の選択肢で訓練する
パターン①の典型問題を1つ解いてみます。手を動かすと記憶定着が段違いです。
問題:次の第4類危険物のうち、危険等級Ⅱに該当しないものはどれか。
(1) ガソリン
(2) メタノール
(3) ベンゼン
(4) 重油
(5) アセトン
解き方は「第4類は特殊=Ⅰ/一・アル=Ⅱ/二三四動=Ⅲ」を当てはめるだけ。
正答は(4) 重油。「重油は第二石油類だっけ?」と一瞬迷うのがこの問題の罠です。重油の引火点は60〜150℃、ぱっと見「ストーブの灯油(第二石油類)と似てる」イメージなので混乱する。「重油=第三石油類=Ⅲ」と紐付けて記憶しておきましょう。
おっさんうわ、俺なら(4)じゃなくて(2)選んで落としてたな…メタノールがアルコール類なの忘れがち。
でぃでぃあるあるです!「メタノール・エタノール・1-プロパノール」の3つがアルコール類=Ⅱ。覚えるべき物質はこの3つだけと決めておくと迷いません。
受験者がハマる「3つの落とし穴」
落とし穴①|「自動車ガソリン」と「工業ガソリン」
どちらも第一石油類(非水溶性)=危険等級Ⅱで同じです。試験では「自動車ガソリンと工業ガソリンは危険等級が異なる」のような選択肢が出ますが、これは×。用途が違うだけで法令上の区分は同じ。
落とし穴②|「軽油は第二石油類」
軽油は第二石油類(非水溶性)=Ⅲ。名前に「軽」が付くので「軽くて危険そう」と誤読しがちですが、引火点45℃以上でむしろ灯油より少し危険性が低いのが軽油です。タンクローリーで扱う頻度が一番高い物質なので、間違えると現場でも恥ずかしい。
落とし穴③|「酢酸(食酢)は危険物じゃない」
酢酸(純粋なもの)は第二石油類(水溶性)=Ⅲ、指定数量2,000L。「食酢と同じだから危険物じゃない」と誤答する選択肢が出ます。食酢(4〜5%水溶液)と純粋な酢酸(90%以上)は別物。試験では純粋な酢酸が対象です。
でぃでぃ過去問での実物は本編の解説ページで確認できますよー!
まとめ|「特殊=Ⅰ/一・アル=Ⅱ/二三四動=Ⅲ」
①危険等級はⅠ・Ⅱ・Ⅲの3段階。Ⅰが最も危険(規則第39条の2)
②第1種=Ⅰ、第2種=Ⅱ。判定試験で決まる
③「Ⅲがあるのは第2類と第4類だけ」「第6類は全部Ⅰ」
④第4類は「特殊=Ⅰ/一・アル=Ⅱ/二三四動=Ⅲ」
⑤危険等級は運搬容器の容量・表示事項を変える区分
⑥危険等級と指定数量は反比例(等級↑なら指定数量↓)
危険等級は一度整理してしまえば、得点源になる分野です。あとは具体的な物品ごとの性状・消火方法を押さえれば、第4類の性質・消火は安定して6割を超えます。
おっさんあとは具体的な物品の性状を押さえれば完璧だな。
でぃでぃ続きはこちらの本編で詳しく解説していますよー!

